Amy's This Week

2007.01

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2007.01.28

1/22-28, 2007 週報

ここ数週間のニュースで一番切ないのが不二家の不祥事。幼い頃銀座へのお買い物について行く楽しみは、最後に寄る数寄屋橋交差点の不二家でのバナナ・パフェだった。同じ位の背丈の店頭のぺこちゃんと並んで撮った写真もある。どんなに疲れても、つまらなくても、最後にぺこちゃんに会えてバナナ・パフェが食べれれば幸せだった。Lookチョコレートは今でも大好きな飛行機のお供。シャッフルして口に放り込み、独りで味を当ててみたり。友達にはミルキーが大好きで、いつもミルキーをいくつか持っていて、いつの間にかあだ名まで「ミルキー」になった子もいた。今回の不祥事は、どれ程の大人たちの甘い思い出と、子供たちの楽しい夢を打ち砕いたことか。食品販売は食べて安全なのは当たり前で、その上夢まで与えてくれていたから不二家は成功していたのだと思う。が、当たり前の事をないがしろにした為に、せっかく築いていた夢のイメージまで自らぶっ壊してしまった。とても残念で悲しい出来事だ。その後も出るわ、出るわの同社の不祥事の数々に、もはや思い出との決別をする時なのね・・・としみじみ。

週末にはその元a.k.a.ミルキーちゃんも含めて、地元の友人達とちゃんこ鍋で新年会。いつの間にか固定したメンツで『男女7人二中物語』。気が置けない仲間は私にとって何よりのお宝だ。映画は今週も4本。まずソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』。アメリカ人なら、「わあ、綺麗!可愛い!」と単純に楽しめるハッピー・ガーリー・ムービーなんだろうなぁ。確かに色彩も雰囲気もふわふわピンクにクリーム・イエローのマカロン・カラーに包まれてとってもドリーミー。でもね、って言う私は、やっぱ日本人ですから。『ベルばら』ですから。架空の人と解っていても、やっぱオスカルですから。そんな貴女に必死で仕えようとしたけれど、嗚呼、民衆はどれほど働いても身なりを整えることはおろか、今夜食べるものさえ無いのですよ!!!な〜んて声が聞こえて来てしまうのよね(苦笑)。ま、『ベルばら』じゃなくても、フランス人に総スカン喰らったのは似たような理由のはず。じゃあ、フィリピンの元大統領夫人イメルダさんが10代で嫁いで来た時の話を同じようにキュートな映画にしてみたらどうかしらん?可愛い靴の数なら負けないわよ(笑)。なんて、ちょっと意地悪にも考えてしまう。ね、そりゃダメでしょ?やっぱ、他の人々の不幸の上に成り立つハッピーはちょっとあり得ない。ま、深く考えずに表面の綺麗さだけを楽しむ映画。あ、そう言えば、ヴェルサイユ宮殿の王妃の間にあるベッド脇の隠しドア。実際の宮殿に行ってもその奥は見学出来ないので、この映画で見ることが出来てちょっと得した気分だった。

で、今週のハイライトはなんと言っても試写会で観せて頂いた『ドリームガールズ』。とにかく素晴らしい。ビヨンセ恐るべし!前半は「お前の歌には個性が無いから(ミキシングでいかようにも変化を付けられて)良かった」と作品の中で言われるのでわざと押さえていたのかもしれないが、ラスト、そんなマネージャーと決別して歌う『Listen』は圧巻!ビヨンセ・ファンには申し訳ないが、よもやこれ程に巧いとはびっくり。迫力もありしかも美しいのだからもうスミマセンって謝っちゃう。ブロードウェイでは既に有名なトニー賞受賞者アニカ・ノニ・ローズは歌が巧くて当たり前なので逆に特に見どころは無し。ビヨンセ以上に凄いのが、アメリカン・アイドル優勝者ジェニファー・ハドソン。アカデミー助演女優賞ノミネートも納得だ。ストーリーは、マネージャーがアーティストを売る為に手段選ばず努力してくれ、やっと売れたら調子に乗ったマネージャーと別れる・・・という、典型的なアーティストとマネージャーの確執話だけど、誰も「悪者」は居ない。皆、自分の立場なりに一生懸命だったのだ、という久々、本当に歌に大感動出来るミュージカル。大スクリーン&大音響でもう一度観たい。ところで、長年、よく知らないまま勝手にダイアナ・ロスを我がままごう慢女と誤解していたことを大反省。

ああ、最近は本当に週報長いですよね〜。解ってます。スミマセン。ちょっとパラグラフ分けしてみましたが。最後は『ディパーテッド』。エアロヘッズにはお馴染みの『ライトニング・イン・ア・ボトル』で製作総指揮を取ったマーティン・スコセッシが、久しぶりに王道ヴァイオレンス映画に戻った。やってくれるわ。性的シーンではなく暴力シーンを考慮してのR-15指定だろう。スコセッシ監督と言えばニューヨークなのに、今回は舞台がボストン。でも、当然マフィアがいるのは裏社会なので、あまり見覚えのあるボストンの街という風景は見当たらず。ディカプリオがとことん可哀想な役。前半がちょっと説明っぽくなってしまっていて、これはやはり元が三部作なのを一作にまとめたのだから仕方無いのかもしれないが、終盤の、畳み掛けるような殺人シーンの連続は圧巻だ。きっと当たり前と言われてしまうのだろうが、ジャック・ニコルソンが存在感たっぷりで迫力あり。溜ったポイントで無料鑑賞の上、マイレッジで3000円のプレミア・シアターへアップグレード。さらにあまりに感動したので、日曜日の朝から『不都合な真実』2度目の鑑賞。今週は4本で1500円也。