Amy's This Week

2020.10

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2020.10.12

10/5-11, 2020 R. I. P. Eddie…哀しみの週と、『ある画家の数奇な運命』

この週、洋楽界の大きなショック、損失、喪失…がありました。エディ・ヴァン・ヘイレン。享年65。

先週、「オアシスを嫌いな人はいない」と書きましたが、ヴァン・ヘイレンだって同じです。「知らない」という人はいたとしても、「嫌い」という人はいないでしょうし、知らないと言った人でも、『ジャンプ』のイントロを聴いただけで「ああ!」と思うのでは?と思います。それほど、日本でも認知されていたバンドであり、その認知されたサウンドを作った人でした。なので、普通にテレビのモーニングショーで報道されたことは、嬉しいような、悲しいような(涙)。

1989年、サミー・ヘイガーになってからの来日は、私にとって東京ドームで観た初めてのショウでした。天井が高くて、ステージが横に長くて、「うわぁ〜」とアリーナに入った瞬間にとても感動したことを覚えています。どの曲だったか覚えていませんが、「サミーがいない!」と思ったら、ステージの上、ライトを吊るす鉄骨の上でサミーが仁王立ちしていたのも強烈な思い出です。

この時の来日直前…私はアメリカで偶然ヴァン・ヘイレンに会っていたのでした。今思えば、あいも変わらず私は1月中旬に旅行していたんですねw アメリカに行っていて、ちょうど日本に帰る時に、これから日本へ向かう彼らに遭遇したのでした。

オレゴン州のポートランド空港でした。取材に来ていた小林克也さんも一緒で、チェックインをして、出発ゲートへ向かう途中の売店の前でした。最初に小林さんを見つけ、ファンだったのでお声を掛け、一緒に写真を撮らせて頂きました。そして「ヴァン・ヘイレンの取材に来ていて帰るところだけど、これから日本公演に向かう彼らと一緒だよ」とのこと。「えっ?!!」と驚く私に、「ほら、サミーそこにいるよ。優しいから声掛けてごらん」と小林さん。当時、若い女の子で良かったww

私はサミー・ヘイガーが大好きでした。ヴァン・ヘイレン加入前に出ていたアルバム『ヘイガーUSA』も買っていたので、大喜びでサミーに声を書けると、まあホントに優しく紳士❤️ 『ヘイガーUSA』を買っていたこと、もちろんヴァン・ヘイレン東京ドームのチケットも買ってあることなどを伝えると、彼の方から「カメラは持ってないの?」と聞いてくれ、優しく肩を抱いて写真に収まってくれたのでした(その写真はどこー?!!!!自分!orz)もちろんサインも。ホントに良い人だったサミー。ありがとう!!

そして…再びそこにいた小林さんに「エディーはどこですか?」と尋ねると…「う〜ん、エディーはどうかな…」と、ちょっとぼかした言い方。するとそこでエディーを見つけたので「あ!エディー!」と声を出したらこちらを向いたエディー。なんと、ピューっと走って逃げて行ってしまいましたwwwww

なんだよ、エディーwwwww すると小林さんが「エディー、悪い人じゃないんだけどねw ファンが苦手かもしれないね…」とのこと。残念だったけれど、サミーにサインしてもらい写真も撮れたので満足だった私は、逃げて行ったエディーを追いかけはしませんでしたw そして、たぶんフライトは違ったのでそれっきり。会えたことで良い思い出ではあったけれど、エディーに対しては長年「なんか性格悪い人」と思っていたのが正直なとこですww ごめんなさい!まあ、その時の気分とかあったでしょうし、職人気質なギタリストなのでしょうね(^^;

とはいえ、ギタリストとしての尊敬は、もちろんしていました。私自身はギターを弾きませんが、そんな私でも彼の凄さは分かります!バンド好き、ギターサウンド好きです。性格なんて関係ありませんw(インギーも大好きだしねw)エディーのギタープレイで印象的なのは、ライトハンドはもちろんですが、シロウトとしては、どんなに凄いこと演っていてもニコニコしていたことです。よほどゆとりがある証拠ですよね。また多くのミュージシャン、ギタリストが、エディーの凄さを語っていたので、いつも「なるほど〜」と思っていました。

日本で彼の死を知ったのは10/7(水)朝でした。その日私は11時に歯医者さんの予約があり、診察が終わってお昼。歯医者さんは六本木なので、エディーを偲ぼうと久しぶりにHard Rock Cafeへランチに行くことにしました。この日ばかりは、開店と同時に、終日Van Halenをかけまくるだろうと思ったからです。 ところが…一向にVan Halenがかかりません。メニューを持って来てくれた時、オーダーを聞きに来てくれた時、ずっと「もう少し待ってみよう」と思っていました。にしても、全く何も無かったかのように時間が流れました。他のお店ならもちろん構いませんが、HRCですよ!と思ったので、お料理を持って来てくれた時に、お昼の店長さんらしき男性(30代後半あたり?)に、思い切って訊いてみました。

「あの〜、トリビュートでヴァン・ヘイレンをかけないんですか?」
すると、なんと「特には」とキッパリ!え?と内心うろたえていると、逆に「お好きなんですか?」と尋ねられてしまう始末。何て返せばいいのかしら?!これがジェネギャプ?「あ、いえ、では結構です…」と返すしか出来ず、お食事に取り掛かることに…。 この日のシェフズ・スペシャルは、フライドチキンのレッドカレー・ソース…だったかな?美味しかったです。で、食事をするとパワーが出るのか(笑)、食べ進めるうちにだんだん、「なんでヴァン・ヘイレンをかけないのかしら?エディに対する敬意はないの?」などという思いがムラムラと沸いて来ました。

すると思いが通じたのか?いえ、たぶん他のお客さんにも言われたからでしょうか。やっとヴァン・ヘイレンがかかりました!
Pretty Woman〜Jump〜Dreams… ああ、THAT’s what I wanted!!!!!! このギターサウンド。エディー、2035年あたりのグラミー賞で、特別功労賞生涯業績賞なんかで車椅子でヨボヨボになった姿でも出て来てくれたら最高だった。人は歳を取るんだから、ギター弾けなくなっても構わない。とにかく生きていて欲しかった…なんて思っていたら、あら、もうBGMはBon Joviに変わっていましたorz

「食後にホットコーヒー飲みますか?」と再度来てくれた例の男性に、コーヒーをお願いしながらついに訊いてみました。「今日エディー・ヴァン・ヘイレンが亡くなったことをご存知なかったのですか?」と。だったら、納得出来ると思ったので。

すると、「いいえ、もちろん、知っていましたよ。でもうちにはヴァン・ヘイレン関係の展示が何もないし、このご時世トリビュートとか言って何かイベントするのもどうかと思いまして…」とかごちゃごちゃ返してきて…。いや、違うだろ!「ただ曲をかけるだけで良いのに。今日、ここでそれやらなくてどうするんですか」とだけ言っちゃいました。うるさいババア…なんて思われたかも。でも構いません。さっと、コーヒーを取りに行った後ろ姿に向けて「お前には、ここで働く資格な〜い!」と声には出さずぶつけておきましたよ…。レジェンドに敬意を払え〜!!!!

その後、FBでアメリカの友人がアップしていた写真が印象的でした。フロリダ州のセミノール・ハード・ロック・ホテルがギターシェイプのホテルを建てたのはちょうど1年前。

友人がアップした写真はこちら。夜、ライトアップされた姿です。フランケンシュタイン!!やっぱりHard Rockとなれば、こうでなくっちゃね〜。

さて話は変わりますが、その夜は、前夜録画していた『カネ恋』最終話を見ました。前回は、突然のキスで終わったところ。最終回はその翌朝からで、春馬くん最後の姿!と思っていたら…なんと、すでに春馬くんは早朝から突然出掛けてしまって…というお話でした。ドラマの中の人々と一緒になって「どこに行ったの?」と思い、また、彼はああだった、こうだった…とみんなが回想するという…。現実とリンクしまくりで、一緒になって思い出したり、演じている俳優さんたちの気持ちを思ったりして、これを泣かずに見れる人はいるのだろうか…?

登場人物のセリフはあくまでも「セリフ」とはいえ、実際の役者さん達の心情とも受け取れました。
早乙女(三浦翔平)「あいつは…、ホント自由なヤツだなぁ」
父親(草刈正雄)「あいつは、人を笑顔にする才能を、生まれつき持っていた。あいつは、あいつのままでいい」
母親(キムラ緑子)「ママはいつだって、慶チャン(春馬くん)の一番のファンだからね‥」
玲子(松岡茉優)「寂しいみたいです…。会いたい…みたいです…」
もう涙腺崩壊です〜!

急遽4話完結とドラマを作り直し、キャストもスタッフも大変だっただろうと思います。それでも最後までしっかりと作って下さり、ありがとうございました。最後に出た、大好きなあのくしゃっとした笑顔…。ホントにもう…涙がしばらく止まりませんでした。

翌日の新聞には、海外アーティストの訃報としては破格の扱いでエディが載っていました。よっちゃんのインタビューまで。よっちゃんの肩書きは「ギタリスト」なんだな〜なんて、時代を感じつつ…。

私はヴァン・ヘイレンとは仕事をしたことはないし、唯一直接会えた時にエディーには走って逃げられたけど…ww 家ではずっとVan Halenをかけました。追悼です。私の一番好きなアルバムは『5150』。Van Halenの一番好きな曲を訊かれたとしても、『Jump』も『Panama』も大好きだけど、やっぱり『Dreams』と答えてしまうだろうな〜。エディ、Spread his wingsして、飛んでいってしまったんだな…。

またこの週は、春馬くんのバトンを受け取った鈴木亮平さんが新MCとなって、新たな『せかほし』が始まりました。JUJUさんとの掛け合いが、全く噛み合っていないところが可笑しかったけれど、今後の期待というより私には、まだまだ春馬くんを思い出すしか出来ませんでした。生放送でファンからのたくさんのツイートが流れるのを見て、世の中みんな、前向きなんだな〜と感心しました。私はなかなか前向きになれないです(涙)。で、吹っ切れるか?と、ついに思い切って5000円アップのボックス版を買っちゃいましたよ。

決して日常的に落ち込んでいるわけではないのですが、ことあるごとに亡くなった人を思って悲しくなってしまった週でした。そんな週末、いつものように『サンデー・ジャポン』を見ていたら、なんとBGMに『ジャンプ』を使っていながら、最後まで、デイヴさんの海外ニュース・コーナーですら、エディのニュースに一切触れることなく番組が終わり、愕然!

なんなん?今まで散々BGMに使っていたくせに…と唖然としていたら、続けて始まった『アッコにおまかせ』で、冒頭からしっかり取り上げられて、これまたびっくり。TBSは違う番組同士で割り振りをしたのでしょうか?

おお〜!STやジョーまで出てきたわw

アッコさんを始め、『アッコにおまかせ』の出演者の方々でエディーを知っていた人がどれほどいたかは分かりませんが、『サンデー・ジャポン』が完全スルーしたことに対する怒りはしっかりと鎮火しましたw TBSさん、ありがとう。

 

…と、まだまだ引きずる春馬くんショックにエディーが重なった週の一本は、『ある画家の数奇な運命』です。

実在の芸術家ゲルハルト・リヒターをモデルとし、「実名を出さない」「どこが事実でどこが創作かをはっきりさせない」という2点を条件に、本人からの許可を得て制作されたそうです。ベルリンを舞台にした、第二次世界大戦下の芸術家の半生。ユダヤ問題は一切関係ないけれど、ナチスが同胞に対しても容赦なかったという、これも反戦映画ですね。

ストーリーは割と淡々としているし、上映時間189分という3時間超えだというのに、全く眠くならず引き込まれました。それはなぜだろう?と思うと、第二次世界大戦下のベルリン、その後東西に分断されたドイツ…という激動の時代で、また社会で、幼い少年が成長していくのを見守るような気がしたからかもしれません。とても、美しい作品でした。

大好きだった優しく美しい叔母が、精神を病んだとナチスに告げ口され収容所に送られて…幼い少年にとってそれは、一生忘れられないトラウマになったことは想像に難くありません。やがてその叔母にそっくりな女性と恋に落ちる…。叔母や妻の内面外面共の美しさと、罪を自覚しながらとことん逃げ果せようとする義父の醜さ…同じ人間ながら対極にある人々に対し、寡黙に、芸術に集中することで、魂の自由を得る主人公が非常に現実的だと思いました。ま、現実的ですよね。実在の人がモデルなのですから…w

 

…と、春馬くんとエディーを交互に思っては涙した週、池袋暴走死傷事件の第一回公判がありました。飯塚幸三被告の、あくまでも車の異常であったとの無罪主張に、呆れ果てました。間違いは誰にでもあります。神様ではないのだから。ましてや高齢。素直に過ちを認め、運転したことを悔やみ、犠牲者に対して心より謝罪をすれば、高齢を考慮されての情状酌量、執行猶予付きとなっても皆受け入れられたかもしれません。が、まさかの車のせい!? あまりにも情けなく醜い被告の言い分だと、日本中の人々が思ったことと思います。またこれほどはっきりと悪人ぶりをさらけ出したことで、今後の裁判はシンプルに進むのではないでしょうか。悪と戦う正義として、ぜひ、検察側には頑張ってほしいものです。被害者の松永さんの心情を思うと、呼吸すら出来なくなりそうなほど、胸が詰まります…。人が亡くなるということは、本当にツライです。