Amy's This Week

2020.11

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2020.11.23

11/16-22, 2020 古代オリエント博物館と、『ウルフ・ウォーカー』

もうすぐ古代エジプト展があって楽しみ〜と遠方の友人とおしゃべりしていたら、ここを教えてもらいました。以前、遠方にいる人の方がマメにチェックしていてよく知っている…と書きましたが、ホントにその通りw え〜?こんなところに〜?!と大感動の(今さらw)古代オリエント博物館でした。

古代オリエントって古代ローマよりもっとず〜っと本当に古代で、エキゾチックで神秘的。魅力ありますよね〜。ベルリンのペルガモン博物館が一番に思い浮かびます。あそこは時間さえ許せば、一日中いたいくらいの場所でした。初めて行った時には、物凄く感動したのですが、ん?ペルガモンってどこ?と思って博物館の人に尋ねたら…ww 「トルコです。でも、ここに運び込んだから綺麗に保存されているのです」と自慢気に言っていたのが印象的でしたw

確かに、トルコにはあそこまで充実した古代の博物館はありませんでした。エジプトは、散々世界中にミイラやオベリスクを持っていかれてもさすがにまだまだ残っていて(最近また大量にミイラが発掘されたしね!)、カイロのエジプト考古学博物館は素晴らしかったし、来年開館予定の大エジプト博物館(今年開館予定だったけどコロナで延期)には期待しかありません。

けれど、トルコやエジプト以外の国は?というと、古代オリエントと言われる地域はシリア、イラン、イラク、パレスチナ、イスラエル、ヨルダン、アラビア半島、パキスタン…などなど。興味はあってもなかなか怖くて行きたくても行けないところ。だからこそなおさら、神秘的に思えるのかもしれません。

そんな地域の宝の一部を集め、日本で最初に出来た古代オリエントをテーマにした博物館は、1978年に誕生したのだとか。え〜?そんな昔から?ホントに世の中知らないことだらけです(^^; ということで、人生二度目のサンシャイン・シティへGo!

サンシャイン・シティに入ると普通にショッピング・モールみたいで、何をしに来たのか忘れてしまいそうな雰囲気。が、奥のエレベーターに乗って博物館のある7階で降りると、おお〜、いきなりエキゾチックが始まりましたw

中は例外品を除いて撮影OK。NGだと撮りたくて堪らなくなるのに、OKとなるとついつい撮るの忘れてしまいますww が、おおっ!と感動したのが、ハンムラビ法典。中央にド〜ンw これは迫力でした!そっか、オリジナルはルーブルにあるのね。ルーブル美術館は私、何度行ったか分からないほど行っているけれど、結局は絵画中心になるし、広すぎて絶対全部なんて観ていません(絵画以外はミロのビーナスとニケだけ見ればOKと思っていましたww)。なので、これは全く記憶なし(^^; 古バビロニア王国の王ハンムラビによる法典は、この石碑の前後に282項目に分かれて刻まれているそうです。例えレプリカでも観れて良かった。紀元前18世紀って、今から3900年以上前?古代オリエント恐るべし。これが『目には目を』か…と、しばし全く読めるはずもないくさび形文字に見入ってしまいました。

そして!『Eye to Eye』といえば、Slaughterじゃあないですか❤️ マーク・スローターの甲高い声が頭の中に響きましたよw 名曲ですよね〜。1990年のライヴ動画があったので、貼っておきますw 観てね♪
https://youtu.be/0QYVXfq7KWw

話を戻すとw ロンドンの大英博物館にあるロゼッタ・ストーンのレプリカもありました。これは観た記憶ありww で、写真を撮り忘れました。ずっとエジプトが返還を求めているのに、未だにロンドンにあるんですよね。巨大な神殿の石柱だったものが、砕かれて、建築資材として再利用されようとしていた一部が、川辺に放置されていたのをフランス兵が見つけて拾ったのだとか。そう、イギリス兵ではなく。その後、エジプトをイギリスが占領してフランスを降伏させたために、イギリスのものとなったようですが…

なんか、このロゼッタ・ストーンの経緯は、金物屋が雑に扱って死にそうになったので川辺に捨てたパトラッシュを、拾って大切に持ち帰り、介抱して元気に蘇らせたネロとの話に重なりましたw ん〜そうすると、やはりロゼッタ・ストーンはイギリスの物ということで良いのかな?ww

ところで、最近日本では印鑑を無くそう運動があるとか?確かに仕事で押印のためだけにリモートワークが出来ずに出社するなんて、非常にバカらしいことだと思います。が、ハンコ文化、私は嫌いじゃないですけどね。現代はインクや朱肉を付けて押印しますが、昔は粘土、中世では蝋など乾くと固まるモノに押していたんですよね。封を開ける時はパキっと割るしかない。これぞまさに封印ですね。そして発祥はもちろんオリエント。この鹿の模様のハンコは、紀元前4000年頃の物だそうです。 鹿の模様って、『リング』シリーズで有名な鈴木光司さんのデビュー作『楽園』の、第1章『神話』の主人公である古代モンゴル人ボグドの描く『赤い鹿が飛び立とうとする絵』が、こんな感じでは?と思いました。ああ、なんというロマン!思い出すだけで、胸がキューンと痺れます。私はあの作品が鈴木さんの著作の中で一番好き。鈴木さんのイマジネーションによる後付けと分かってはいても、アメリカのネイティヴ・アメリカンたちや南太平洋のポリネシアンたちの祖先がモンゴル方面であるのは、こんな経緯があったのか…と納得してしまいます。ファヤウが渡った北の回廊は、地球温暖化の現代ではもはや二度と現れることがないのでしょうね(涙)。

再び話を戻し…w 驚嘆したのが円筒印章というものでした。コロコロっと転がすことで曲面にも、広範囲にも押せ、また小さな円筒で大きな印面を生み出すため石材の節約にもなったとか。エコ意識が生んだ当時の新製品だったんですね!これを刻んだ職人さんは、素晴らしい芸術家でもありましたね。 やがて文字が生まれたことによって、印影で内容を表す必要がなくなったために、文字が書かれた文書を封印するための小さな印章(スタンプはんこ)のみとなり、円筒印章は廃れたのだとか。確かに、現代のようにインクや朱肉を使用するのであれば、円筒だと手が汚れてしまいますしねww でも、ホントにこれは素晴らしい芸術品だと思いました。

この猫はエジプトの女神だそうです。多産の象徴である猫が、女神として崇拝されていたそう。犬の神様は知っていたけれど(アヌビス神ね)やっぱり猫もいるんですね。でも、雄猫でも女神になるの?ww ラテン系の言語には男性名詞と女性名詞があり、基本猫は男性名詞。イタリア語を勉強していた時、「でも、その猫がメスと分かっていたら?」と質問をしたら、「その時は女性名詞に変換してOK」と言われてフレキシブル?いや、むしろ複雑で面倒!とため息をついたっけwww

カエルも多産の象徴なので女神になるそうで、護符(お守り)として、ミイラの来世での復活・再生を願って包帯の中で胸部、のど、鼠蹊部、上腕部などに置かれて包まれたそう。ものすごく小さくて、とても可愛い!今のお財布の中に忍ばせる小さなカエルのお守りや根付けのルーツっぽいです。

とまあ、ビルの中のワンフロアに突然展開された古代オリエントの世界を堪能しました。小学生を対象にしたような、子供向けの分かり易い解説が充実していたので、ここへ来て古代オリエントに興味を持った子供が、将来考古学に進むかもしれないですね。大人としては、大人向けの解説がもっとあっても良いのにな、と思いましたが、興味を持った円筒印章の解説は20円でパンフレットが販売されていたので、20円で買いましたww

コロナになる前からISISの台頭などで、怖くてなかなか行けなかった中近東地域。エジプトには20年くらい前に行っていたから良かったけれど、大エジプト博物館がオープンしたらまた行きたいし、いつか、生きている間に、中近東に古代オリエントの遺跡を観光しに行く旅が出来るのだろうか?そうなることを切に願いながらも、当分は博物館で我慢するしかありませんね。

 

そんな週の一本は、久々のアニメ作品『ウルフ・ウォーカー』です。 制作した長編アニメは全てがアカデミー賞にノミネートされるという、アイルランドのジブリ(?)こと、カートゥーン・サルーンの作品です。私は初めてだったけれど、予告編を観て、やたら惹かれたんです。内容は…期待通りでした!

シアター内は、かなり大人でいっぱい。吹き替えではなく字幕版を選んだせいもあったでしょうが、皆さん、カートゥーン・サルーンをよくご存知なんですね。

舞台は中世アイルランドのキルケニー。それだけでもワクワクです。そこにイングランドから狼退治でやって来た父についてきた娘は、地元の子供達から「イングランドっ子」と虐められ…自分も父のように強くなりたくて、父のように狼退治をしたいと家から抜け出して…。 このイングランドの女の子は金髪に青い目。そして、仲良くなった森に住むアイルランドの女の子(ウルフウォーカーだった)は赤毛にグリーンの目。日本人から見れば一見同じ白人同士に見えますが、これは人種差別問題を取り上げている面もあるのです。ポール・マッカートニーの古い曲『アイルランドに平和を』を思い出しました。

そして、中世アイルランドにある『ウルフ・ウォーカー』の伝説。人が寝ている間だけ魂が抜けて狼になる…というもの。これがまた、眠っている間だけ自由になれるという、暗黒の中世の抑圧された人々の願望でもあったかもしれないし、狼は実は人間の魂の姿だという、動物や自然世界の礼賛かもしれず、凄く良いです。私もウルフ・ウォーカーになりたい!!w

ストーリーは予想通りでもあり、ハラハラもしつつ、ラストはとても素晴らしい。前述したように人種問題から、親子愛、友情、動物愛、自然保護など、多くの大切なテーマを含み、本当に良い作品でした。

ポスターにあるキャッチフレーズ『Be fierce, Be wild, Be free』(激しく、ワイルドに、自由に!)が、そのままアイルランドの人々の信条だったのかな、と思いました。メル・ギブソンの『ブレイブハート』はスコットランドだけどw あの「フリーダ〜ム!」と叫んで死んでいくラストを思い出し、それらの上での現在のUK(グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国)だと思うと、有史以来、一度も他国に本土を侵略されたことのない日本人には理解出来ないほどの、自由を求める気概が英国にはあって、それがブレグジット(英国の欧州連合離脱)にも繋がってしまったのかな?とも思いました。もう一度、良い作品でした!

 

さて、三連休となった週末は、コロナ第三波の真っ盛り(涙)。お出掛けを予定していてキャンセルした方もいたのでは?幸い私の周辺では未だ罹患者がいないのでどこか実感が湧かないのですが、用心には気が抜けません。この秋から突然山好きになったけれどw、人の多い高尾山には当分足を向けられず。写真や映像を見ただけで恐ろしや〜!

京都渡月橋の大混雑ぶりもニュースで見ました。もう驚くばかり。皆さ〜ん!来年も紅葉はありますよ〜!(^^;