Amy's This Week

2020.11

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2020.11.30

11/23-29, 2020 眠り展、皇居と、『ザ・ハント』

仕事ではなく観客として武道館へ行く時は、混雑を回避して、終演後はよく竹橋方面まで歩いて出て東京駅に出たりしていました。そんな時、いつも前を通っていたのが、この東京国立近代美術館だったのに…中には一度も入ったことがありませんでした!

美術館へ行く前に飯田橋にいたので、高校時代を思い出し、飯田橋から歩いて武道館経由で行ってきました。私は高校が市ヶ谷にあったので、学校帰りに武道館ライヴがある時はいつも飯田橋から歩いていたんです。懐かしい道!…と、いろいろ思い出しながらの、初・東京国立近代美術館でした。

入館してすぐ、ポスターにもなっているのは、上野の国立西洋美術館所蔵、ルーベンスの『眠る二人の子供』。素敵な作品ですよね!ルーベンスといえば、大きな祭壇画が思い浮かぶので、この二人の子供も、羽が生えた天使たちのように見えてしまいます。

…と、馴染めたのはここまで。その後が…国立『近代』美術館の真骨頂なのでしょうね。私には展開が読めず、それがまたとても楽しめました。乳白色が広がるフジタ作品の前に出た時は「おおっ!」って感じw 藤田嗣治の『横たわる裸婦(夢)』でした。国立国際美術館所蔵って、どこ?って思ったら大阪なんですね。そのうち行ってみたいです! このオランピア風のフジタの『横たわる裸婦』は、他の同じモチーフ作品同様、ベッドの上に猫がいます。しかも、超ご機嫌な時にやる首をひねった仕草で、とても幸せそうです。しかも、フジタの裸婦とともに描かれる猫たちは、どれもそれぞれ違っていたりするんですよね。白猫、キジトラ、黒、黒ブチ…いかにフジタが猫好きで、猫をいろいろ描きたいと思っていたかが伝わるような気がします。

近代美術館ならではの映像作品などもあり、なかなか興味深かったです。また何よりタイトルの文字デザインが面白くて、タイトルが出るたびに見入ってしまいました。こういうのがグラフィックデザインというのかな。面白いですね〜。

そしてせっかく初めて来たのだから、コレクション展(常設展)も観て来ました。もちろん、眠り展のチケットで入れます。国指定重要文化財の宝庫なんですね!申し訳ないけれど、眠り展よりずっと感動してしまいました。いえ、眠り展がなければ来なかったと思うので、眠り展に大感謝です!

その作品の大きさから、そしてモチーフに圧倒され、卍な額縁にも感動してしまったのが、原田直次郎の『騎龍観音』でした。これはもう、マジ卍ww 『ネバーエンディングストーリー』のファルコンを思い出しました。ん?原田直次郎はドイツに留学して、ヨーロッパの宗教がや油絵を学んだとか。もしかしてその時に、ミヒャエル・エンデにも影響受けていないかな?ww

見つけて大喜びの藤田嗣治の『猫』。これはここにあったんですね。 一匹ずつよく見ると、どの子も楽しくて仕方がないといった表情w 皆生後1年くらいでしょうか。こんなに沢山遊び盛りがいたら、家の中は野生の王国。全て破壊されそうですww

ポール・セザンヌの『大きな花束』は、「国立西洋美術館ではなく、こちらにあるのはなぜだろう?」と、ふと考えてしまいました。が、そんな疑問を見越したような解説がありました。『西洋の近現代美術のみならず、洋画、日本画を超えて日本の作家にも幅広い影響を与え続けているセザンヌ』…なるほど。だからこちらで所蔵しているんですね。

いつものセザンヌの花柄の壁紙の前に本物の花が飾られ、壁紙と実際の花との違いがごちゃごちゃになった上半分に、下は柄のテーブルクロスでまたごちゃごちゃとさせ、なのに花瓶に生けられた花束が浮き立つという…、凡人には絶対出来ないワザがあります。

その並びにあった向井潤吉の『ダリア』は、あまりに瑞々しく、美しく輝いていました。ぜひ画像をアップにして観てみて下さい。ゴッホにも通じる、これぞ油絵の醍醐味な感じ。敷いているクロスを盛り上げて、わざと重心を少し上に持って来ているのも、ダリアが迫ってくるように見える要因な気がします。

これは岸田劉生の「自画像』です。あの『麗子像』の人。少し細めの梅沢富美男?www この次の作品に大感動したので、並びにあった自画像も載せてみました。

大感動した岸田劉生の『壺の上に林檎が載って在る』です。ゴッホの影響から脱却して、細密描写に移行した頃の作品だそう。細密描写といえば、私にとってファン・エイク。ファン・エイクといえば反射…なんて思って眺めていたら、見えました!この壺の反射の中に、窓辺に立つ男性の姿が!おお〜!と、壺に見入ってしまいました。壺がツボだった…なんちゃってwww (^^;

最後に、これも大きさに圧倒されつつ、その内容が…いやあ日本ならではの平和の象徴ではないですか。荒井寛方のその名も『観音摩利耶』。マリアを漢字にし、それも釈迦の母『摩耶』の文字の真ん中にご利益の『利』を挟むなんて。これはすごいな〜。ノーベル平和賞並み!なんて言ったら大げさかしら?w

というわけで、生まれて初めて行った東京国立近代美術館。なんで今まで行かなかったんだろう?と思うほど、楽しみました。お仕事帰りにライヴの時は、丸の内の方からタクシーで武道館に行く人も多いのではないでしょうか?その時に前を通り過ぎていたこの美術館。眠り展はまだ始まったばかりで2月までやっているので、機会があればぜひどうぞ。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/sleeping/

充実した時間を過ごせると、足取りも軽くなります。お天気も良かったので、皇居に沿って歩き出しました。

やがて平川門の前に来ると、ん?江戸城天守復元模型公開中?では、お散歩がてら行ってみましょう。写真を撮ったら反射で自分がくっきり写ってしまったのはご愛嬌www

過去、皇居に入ったのは大手門から三の丸尚蔵館へ行っただけだったので、平川門から入るのも、皇居東御苑内に入るのも初めてでした。小学校の社会科見学でも、皇居は無かったしなw

いや〜中は広いんですね!この東御苑は一般公開されているそうで、芝生でお弁当を広げている人たちもいました。気持ち良さそう!ニューヨークのセントラル・パークというか、ロンドンのハイド・パークというか…日本は皇居東御苑があったんですね。

同心番所って、近衛兵詰所みたいな感じ?上の方に徳川の葵の御紋がありました。

で、辿り着いた模型です。凄い立派!江戸城は、あの姫路城よりさらにもっとずっと大きかったんですね。燃えてしまったなんて。でも、その江戸の大火で失った江戸城の天守を再建するよりも、江戸の町の再建や、大火の被害者の支援にお金を使った江戸幕府の姿勢は素晴らしいし、その精神を忘れずにいることが、江戸=東京の使命な気がしました。

 

というわけで、この日は結局飯田橋駅から東京駅まで歩いてしまったという、楽しいお散歩日和だったのでした。そんな週の一本は、『ザ・ハント』です。

もう、嫌になる程B級そのものなポスターですねぇwww でもまあ、それは潔いし、何といってもブラムハウスなので、いそいそと観に行ってしまったのでしたw

グロいシーンが多いという評判もあるようですが、そう言ってる人たちは『アス』とか観ていないのかな?w 『アス』に比べれば、ず〜っとスッキリ爽快w それも主人公のベティ・ギルピン演じるクリステルがカッコ良いからです。昔なら『エイリアン』のシガニー・ウィーバー、今なら『ザ・ハント』のベティ…とはならないかww この人、フォーダム大学卒業って、小室圭さんのセンパイ?

そして悪の親分がヒラリー・スワンクですからねww よほどギャラが良かったのでしょうか?w ヒラリー、こんな作品に出てたのね。ブラムハウスもヒットの連続で、制作予算が大きくなってきたということかもしれません。とにかく、理不尽で、残酷で、激しく戦う大団円が女二人…というのが、時代を感じさせてくれました。

『エスケープ・ルーム』と同じテーマで、あちらはインドア、こちらはアウトドア。アウトドアならではの面白さもありますが、結局この手の作品は、いかに面白く人々を殺すかしかありません。テンポは良いし、90分程度というのも良い。同じブラムハウスの『ハッピー・デス・デイ』が好きなら、大丈夫。楽しめます。

 

ということで、第3波真っ只中で11月も終わりです。昨年一緒にモロッコ旅を楽しんだ友人が急逝してしまいました。人生、何が起こるか分からないものです。だからこそ、このコロナ禍で健康でいることに感謝しつつ、亡くなった友人たちの分まで、楽しんで過ごそうと思いを新たにしました。落ち込んだら、この週報を見て、こんなご時世でものほほんと過ごしている者がいると、誰かの慰めになるといいなww

あ、あと、4週間前に書いたKING & QUEEN展で、「アフリカ西部」のくだりがどうしても引っ掛かった件、同展広報部にメールしていたら、お返事を頂きました。現地とも話して、「アフリカ西部」を、ただの「アフリカ」と表記を変更したそうです!きっと、他にも指摘した人がいたのでしょうね。スッキリ!