Amy's This Week

2025.06

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2025.06.11

5/26-6/1, 2025 エマーユ展と、『サブスタンス』

5月最後の週は…歯医者さんに行ったくらいでしたよorz なんだかホントずっとバタバタしています。ようやく決算が終わったと言うのに。「決算が終わったら…」と溜っていたことに追われている感じかも。そこで前週に二度目の『どこ見る』展に行った時同時に観たエマーユ展という美の世界について。

エマーユ展は、どこ見る展がメイン展だとすればこちらはサブ展的な存在です。一度目のどこ見る展時も開催されていましたが…、とにかく美術展って疲れませんか?ずっと歩き続けるよりもマメに立ち止まりながらのスロー歩きって、例えばディズニーで並ぶ時と同じで、とても肉体的に疲労します。その時は夢中になっているので気付かないんですけどね。終わって物販を出るともうどっと疲れてしまいます。なので一度目はエマーユ展をパスしました。

以来ずっと気にはなっていたんですよね。何せ宝石には弱いのでw 『色彩の宝石』ってどれほど綺麗な物なのかしら?それで二度目のどこ見る展の時には絶対観ようと思っていました。当日であればどこ見る展のチケットで入れます。

入場してすぐあったタンス。絵画のように見えるところは嵌め込まれたエマーユで、エマーユとは日本で言う七宝焼きとのことでした。こうした貴族のタンスって、よく鍵穴がありますよね。私はそこを開けてみたくなります。鍵はどこ?w

その後小さなコインくらいの大きさのエマーユの展示が続きました。一つ一つ食い入るように覗き込み、その細かな細工、色彩の美しさに感嘆。実際に宝石が嵌め込まれているのもあれば、焼き付けられたものもあります。全体的に人の顔立ちがシャセリオーの描くエキゾチックな人物たちに似ていると思いました。エマーユだとそうなってしまうのかな?

これは緑色のところにはペリドットでしょうか。色石が嵌め込まれていました。ペリドット大好き!この人のブロンドヘアがとても自然で絵画のようですね。

この人の髪飾り?ティアラ?にはダイヤモンドが嵌め込まれていました。細かい!!髪型も興味深いです。後からリボンを通したのかな?今でも応用出来そうかもしれませんね。可愛い。

これはパンフレットから。このベールの透明感ったら!またルビーとエメラルドが嵌め込まれており、ルビーの底には金箔、エメラルドの底には銀箔が敷かれているそうです。宝石の輝きを増すためですね。凄い!

これは見事なエマーユ絵画です。オリジナル絵画はラファエロの『小椅子の聖母』で、フィレンツェのパラティーナ美術館にあります。バチカンのラファエロの間と並んで、この『小椅子の聖母』はラファエロ絶頂期の最高傑作。大好きです。で、このエマーユ作品の方が、色彩が鮮やかですね。絵画は何度も観ていましたがマリアのストールがこんな柄だったことには気付いていなかったので新鮮です!

こちらがオリジナル絵画。んーキリストとヨハネはオリジナルの方が可愛いかなw

…とエマーユ展を楽しみました。他にもとても多くの作品が展示されていましたが、さすがに疲れてこの辺にしておきましたw そんなエマーユ展会場へ行く途中で観た常設展で好きな作品を少し。ルノワールの『木かげ』。知らなければモネかと思いませんか?同じ印象派なので手法は似ているわけですが、そもそも人物のいないルノワールの風景画とは。なんだか貴重な物な気がしました。

なんて思っていたら、今度こそモネです。『しゃくやくの花園』。モネにしては色彩が濃いw 形でというより色で花の種類を表していますね。これぞ印象派かな。上部の横に長い線は何なのでしょうか?屋根というか、藤棚のような横板があるのかなぁ。きっと野外で写生したのだと思うので、実際のその場を見てみたいです。

シャセリオーを見つけました!常設展は何度も観ていますが、シャセリオーがあるのは知らなかったので静かに興奮ww 『アクタイオンに驚くディアナ』です。一瞬奥に見える人(?)にはツノがあるので悪魔?と思ったけれど、手前の女性の頭の上に月が乗っているので、この人がディアナだと分かります。となると神話なので悪魔は登場しないw で解説を見たら…水浴をしていたディアナやニンフたちに偶然出くわせてしまった猟師アクタイオンだとか。たまたまながらディアナに「この変態!!」(とは言っていないと思いますがw)とばかりに、鹿の姿に変身させられてしまうのです。かわいそうなアクタイオン。そこに自分が連れていた猟犬が獲物とばかりに襲いかかってきて…なシーンですね。その後アクタイオンは猟犬に噛み殺されてしまうそうです。ホント可哀想。

そんな神話自体とても興味深いですが、このニンフたち、シャセリオーだと思って見るからかもしれませんが、どこかエキゾチックに見えます。37歳で早逝したシャセリオー。19世紀のラファエロですね。

最後は私の大好きなヒュースリーで『グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ』です。この作品はものすごーく大きくて、フロアから天井まであるほどの大作です(287 x 317cm)。ここ(国立西洋美術館)に来る前はノーフォークのホートン・ホールにあった…とのことで、ホートンホールを調べてみました。すると、https://www.houghtonhall.com/see-do/hall-%26-state-rooms
そりゃあ巨大な絵画も飾れますねw

この絵の意味は、左端にいるのがテオドーレで、失恋してトボトボ歩いているところに同じく失恋したために自殺をしたグイド・カヴァルカンティの亡霊が現れ、その亡霊は自分をふった女性を裸にして獣に襲わせていた…というもの。男の嫉妬、逆恨みは怖いです!まあ亡霊ということですが、要するにテオドーレの妄想ですよね。

ヒュースリー作品で一番好きなのは『夢魔』で、これはデトロイト美術館にあります。デトロイトもやりますねw なかなか素晴らしい美術館で、私が初めて行ったのはたまたま航空会社のストライキでデトロイトに予定外の2泊が追加された時でした。母親を連れてナイアガラの滝に行った時です。親ってナイアガラの滝とかハワイとか、めっちゃベタなところに行きたがるw それで暇な日に行ってみたら想定外に素晴らし過ぎてぶっ飛んでw(私が予想以上にあまりに良く感動でぶっ飛んだ美術館はデトロイトとベルリンです)その後再訪しました。2回とも『夢魔』が観れて良かったです。で、この女性の上に乗っているのは金縛りw 女性を懲らしめたいんですね。ヒュースリーって絵の才能が無ければ完全にストーカーになっていた危ないヤツかもしれませんw

いずれも振られた男性の未練から、振った女性への歪んだ欲望が表されていて、これを面白いと言っても良いのかな^^; 確実に言えるのは、馬の表情が面白いですww 『夢魔』はデトロイトですが前述の作品(タイトルが長過ぎるw)は上野にあるのでぜひ直接観に行ってみて下さい。獣に襲われている女性はどんな体制をしているのか?獣の正体は?まあ夢オチなので、何でもありなんですけどねw

というわけで、二度目のどこ見る展ではエマーユ展と常設展を楽しんできました。日頃美術館に行くのは特別展の時で、特別展だけで十分充実していて疲れてしまうので、なかなか常設展には行けなかったりします。でも国立西洋美術館は本当に常設展も素晴らしい!なのでこの時は久しぶりに行けて良かったです。

 

そんな週の一本は、ついに観た!『サブスタンス』です。

最高でした!!!期待通りか?と訊かれれば全然。それ以上過ぎましたw 今でこそ最高、最高と明るく騒げますが、鑑賞直後はあまりのショックで座席から動けず。このホラー好きの私がですよ。怖いというより不気味というか、一体何が起きたのか理解が追いつかないというか。とにかく強いショックを受けました。

そんな映画は久しぶり。A24でもブラムハウスでもなくユニバーサルというのも意外。いや結局大作は大手なのかな。『サブスタンス』を大作と呼んで良いのかはビミョーですがまあアカデミー賞を獲りましたからね。メイクアップ&ヘアスタイリング賞。当然です。

アカデミー賞授賞式に出席していたデミ・ムーアを見た時驚いたのが、また整形をアプデしていていい加減やり過ぎで表情が引き攣っていたことです。デミやり過ぎよ。だから『サブスタンス』が全然他人事ではないところに、ミッキー・ロークの『レスラー』(2008)と重なりました。あの時は泣いたわー。そんなふうにあまりにピッタリなキャスティングって、映画会社は面白いのでしょうが、俳優はよく受けますよね。自嘲作品とでも呼べるでしょうか。私だったら無理だなーって思います。まあそもそも私は俳優にはなれませんがw

いろいろいちいちショックな作品でしたが、デニス・クエイドが酷い役でこれまたショックでした。強くて優しい男のイメージを完全に払拭。役者って本当に根性が据わっていますね。このデニスの役は元々レイ・リオッタ(これまた大好き!)だったそうで、レイならイメージが崩れることもなくw 適役だったでしょうが、レイが急逝してしまったためのデニスだったそうです。デニスはこれで今後悪役も出来そうですね。

まあとにかくあまりにショックだったので、同じようにショックを引きずった過去作品を思い出してみたら2本ありました。まずは当然な『セブン』(1995)です。この時も朝イチで観て、その日曜日は夜まで心の震えが止まらなかったっけ。衝撃過ぎ。

もう一本は若干地味ながら、『アイデンティティ』(2003)です。

地味と言ってもジョン・キューザックだし、大好きなレイ・リオッタなので私にとってはメジャー級。この作品も初見時は鑑賞中から震え出したのを覚えています。面白かったなー。

これらの衝撃作品って、怖いというより本当に酷いです。何がって何もかもw だからショックを受けるんですが、それがまた中毒性があってw 何度観ても最後には「酷い…」って思う。さすがに受ける衝撃はだんだん薄れてはいきますが、それでも飽きずにまた観たいw 実は『サブスタンス』もすでに2回行っちゃったんですよねw 時間が取れれば3回目だって行きたいところなんですが、これを書いている今は『国宝』ももう一度観たいし、あー!時間がありません!!!ww

 

日曜日には夏鳥が訪れることで有名という山梨の三窪高原へ行きました。私は目が悪いのでその可愛い鳴き声だけをたっぷり楽しみましたが、友人は青い羽のコルリが見れた!と喜んでいました。その後ランチで頂いたお蕎麦が…肉蕎麦ですが、なんとゴマたっぷり。そこにラー油をかけて、とのこと。初めてラー油でお蕎麦を食べました。するとこれが最高!本当に美味しかったので、今度家でもやってみようと思いました。