8/5-11, 2019 円山応挙展と、『アルキメデスの大戦』

もうホントに毎日暑いですね!外でお仕事されている方々には特に、過酷な日々だと思います。くれぐれも無理をなさらないように〜!

そんな中、随分前から予定していた、日本美術に詳しい友人と上野の応挙展へ行ってきました。クーラーがめちゃくちゃ効いていて、気持ちの良い大学美術館でした❤️

18世紀に写生画で一世を風靡し、円山派という一連の流れが出来、さらに派生した四条派など、日本美術の大きな流れを形作ったのが円山応挙だそうです。ん?18世紀ということは、西洋で写生をしようと外に出た印象派より100年も先じゃないですか!最近覚えて好きになった長沢芦雪も、応挙に学んだ人だったそう。なんか凄そうです!

印象に残ったいくつかを挙げると、やはり私は動物が好きなので 長沢芦雪のわんこが相変わらず可愛かったです❤️
長沢芦雪『薔薇蝶狗子図』。会期前半のみの展示ということで、ラッキー!

上目遣いのこの子も可愛い!竹内栖鳳『春暖』。前期のみ。

そして今回覚えた岸竹堂の『猛虎図』。カッコ良い!岸竹堂は、珍しく本物の虎を見る機会があり、それ以降虎の魅力にハマったとか。確かに若冲の虎より断然リアルです。これも前期のみ。

 

応挙は美人画でも改革を起こしたそう。これは応挙の『江口君図』。江口くんじゃなく、江口のきみww 江口にいた遊女が菩薩になり、象に乗って西方浄土へ去っていくという話だそうで、まるでマグダラのマリアではないですか。当時は中国絵画への憧れがあったそうですが、中国は無論、さらに西へ向いたエキゾチックな美しさがありますね。

 

さて、今回私が最も感動した作品はこちらの屏風八曲一双。普通屏風は六曲(六面のこと)が多いところ八曲と横に長く、まるでパノラマ写真のようです。虎が素晴らしかった岸竹堂の『大津唐崎図』。琵琶湖の絵で、右隻が夜明け、左隻が夕暮れ。なんとも、夜明けは朝焼けのオレンジが見えるし、夕暮れは見事に夕焼けの色が見えます!かなりの大きさなので迫力もあり、もうなんて素晴らしいんでしょう!しばらく中央のソファに座わり、じっくりと左右を眺めました。

この作品は、フィラデルフィア万国博覧会に出品もされたとか。そうか、すでに世界に対峙していた時代の作品ですね。観た瞬間、あ、ターナーみたい!と思ったのですが、もしかして岸竹堂はターナーのことも知っていたのでしょうか?ターナーの死後20数年経った頃の作品です。日本画と油絵、使用する色も墨と絵の具と異なる中で、応挙が中国美術にインスパイアされたように、その弟子がさらに遠く西欧からインスパイアされていたとしたら…?こうして黒田や藤田に繋がっていったのであったら? ああ、美術って本当に魅力的。

『戦艦テメレール号』by ターナー。

…とここで気づいたことは、今回私が気に入ったと取り上げた作品は全て、会期前半のみ展示の作品だったことです。いやあ、本当に早めに行って良かったです!会期は9/29までですが、前期は9/1まで。9/3からは後期となります。はて、後期のみの展示にも良いのがあるのかな?ん、普通後の方が良かったりして?ww でも、美術展は大体後半が混むので、前半から盛り上がるように前半により良い作品をまとめたのかも?美しい琵琶湖の大作を楽しむためには、ぜひ8月中にどうぞ!

https://okyokindai2019.exhibit.jp

 

そんな週の一本は、『アルキメデスの大戦』です。

菅田将暉くん大好き!w だし、戦争モノも好きなので、久々邦画を観ました。原作の漫画は全然知らなかった。なので、新鮮な目で観た感じですが、なかなか面白かったです。面白いというより、「え〜!そうだったの?!」と、妙に、かなりの納得をしてしまいました。

何に対してかと言えば、第二次世界大戦下の当時の日本の軍人たちがどう考えていたか、ということです。もちろん何人もいるので、それぞれの考えがあったわけですが…。この作品の中で最初は舘ひろし(この配役がまたズルいw 絶対舘ひろしなら良い人、正しい人って思ってしまうでしょww)演じる山本五十六の言うことが正しいと思うわけです。確かに、巨大戦艦を造るよりは、これからは空中戦になるのだから、空母を造るべきという考えは、私も「うんうん」と頷きながら観ていました。

が、我々は結局巨大戦艦は造られ、戦争には負ける…という結論を知っています。そこで、その結論に向かってどうなるのか?と見守るわけで、この過程がめちゃくちゃ面白かったです。菅田くん演じる数学の天才はフィクションですが、その他はほぼ実在の人々で、山本五十六と大和建造を巡って争う平山忠道造船中将は悪者かと思っていたら、え?そこまで考えてる?そうか!だから大和は建造されたのか。だからこの戦艦の名前は『大和』となったのか!と、もう唸ってしまう展開に。

菅田将暉、柄本祐といった実力派若手から、舘ひろし、小日向文世、國村隼、橋爪功、笑福亭鶴瓶、小林克也(!)と、有名俳優の中で、一番地味な(失礼!)田中泯(平山忠道役)が最後にはもうカッコ良く、彼の態度から考え方まで、いかにも軍人でいかにも日本人。まさにこういう人に対して「シャッポを脱ぐ」と言うんでしょうね〜。

戦争や戦艦大和の存在、登場する軍人たちは実在でも、実際の大和建造の意味は違ったかもしれません。それでも、建造費を低く発表したことは事実だったそうだし、多くの税(建造費)と共に、多くの兵(約3000名)が大和と共に失われることが分かっていても「その後」の日本のためには必要…と考えたというのは、かなりもっともらしいと納得してしまいました。クゥ〜!

オープニングの迫力ある戦艦大和の実戦シーンは、迫真の戦闘シーンもさることながら、巨大戦艦が沈没していく様まで描かれていて、その迫力は『タイタニック』を思い出しました。その後映画を最後まで観て、唸って、納得した後、もう一度このオープニングを観たくなります。切ないのだけど、これも日本の為なのか???

長くなりましたが、毎年この時期になると戦争について考えると思います。そんな時期に、戦艦大和は暴走した日本軍の象徴ではなかったのかも、と新たな発想を得るのも一考だし、単に菅田くん映画を楽しむのも、夏休みにはオススメです。

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