Amy's This Week
2024.02
2/5-11, 2024 Thank you Mr. Udoと、『カラー・パープル』
関東でも雪が降った月曜日、六本木のホテルでMr. Udoのお別れ会がありました。私はエアロスミス、イル・ディーヴォその他多くのアーティストの日本公演を担当されたワードローブのMさんと一緒に六本木ヒルズでランチをしたのち伺いました。
13:00から受付開始とのことで到着したのは13:10頃。すでに多くの方が集まっていらっしゃいました。
クロークに上着を預け中へ入ると、それはゴージャスなお花に囲まれたMr.Udoのお写真が飾られていました。
私がなぜMr.Udoとお呼びするかというと、かつてはいつもウドー社長とお呼びしていたからです。その後敬称が『会長』となられ『ファウンダー』となられ…なかなかウドーファウンダーとお呼びするのに慣れずに、楽な呼び方に流れてしまいましたw でもこれだと世界中で通じるしw
そんなどうでも良いことは置いといて…もちろん私も一音楽ファンとして10代の頃からウドー音楽事務所さんにはお世話になっていました。その後仕事でもお世話になるわけですが、Mr. Udoの思い出といえば1998年の東京ドームでのこと。他でもないエアロスミスの来日公演で、当時の上司(アメリカ人)の後ろについてドームのバックステージを歩いていた時、前からMr.Udoが歩いていらっしゃいました。上司に小声で「Mr. Udoですよ」と言うと元上司はにこやかに「こんにちは」とMr. Udoにご挨拶。するとMr.Udoもにこやかに「こんにちは。ところで、ここは禁煙ですよ」とおっしゃったのでした。ひえ〜!焦りました!元上司はアメリカ人なので「Uh-oh!」とテヘペロな感じ。私はもう真っ青になっていたのを覚えていますw そう、当時はドームのバックステージは喫煙している人が多くいました。でも、元上司は歩きタバコしていたのですからアウトですよね。
なんて事を思い出しながらMさんと着席すると、湯川れいこさんがお別れのスピーチをされました。
さすが湯川さん。ウドー音楽事務所が設立される前のエピソードを語って下さいました。キョードー東京創業者の永島達司さんのお話から、同社主催1971年後楽園でのグランド・ファンク・レイルロードの嵐のライヴについて。これはロックファンなら伝説の一つとして聞いたことのある逸話でしたが、実際に暴動に近い騒ぎが起きていたとは知りませんでした。
そして、キョードー東京の永島さんが「もうこんな騒ぎになるロックは嫌だ」とおっしゃったので「じゃあ僕が‥」と、同社にいらしたウドー氏が独立してロック専門のプロモーターとしてウドー音楽事務所を設立されたそうです。なるほど、そんなことがあったのか〜とその経緯を知らなかった私は合点がいった次第です。私がライヴのチケットを取ろうと思った時すでにウドー音楽事務所はありましたが、ポピュラー音楽はキョードー東京で、ロックがウドーさんだったからです。何十年後の納得でしょうw
続いて、ごめんなさい!お名前は失念してしまいましたが、元TBS関連会社で赤坂ブリッツ立ち上げに携わった方のお話を伺えました。赤坂にライヴハウスを作るにあたり、ツテを辿ってMr.Udoにお会いした時のエピソードです。当該氏が「赤坂に若者は行かないと周囲に言われ困っています」と言うとウドーさんが「その通りですね。でも、来ないなら呼べば良いんです」とおっしゃったとか。なんてカッコ良い!まさに呼び屋!
「ただ、問題はウチで呼ぶアーティストはそのサイズの箱ではなかなか…」とおっしゃったそう。確かに、ウドーさんが呼ぶアーティストには最大2,000人の会場は小さいかも?当該氏が困っていたところ「少し待って下さい」とおっしゃったウドーさん。やがて数週間後に、1996年のMR.BIG公演が赤坂ブリッツの柿落としとして決まったそうです。いろいろカッコ良い!
続いてアーティスト達からのビデオが上映されました。もちろん最初はクラプトンです。その悲痛な表情。それだけで込み上げるものがありました。親しい大切な友を失った感情が共感出来たからです。
続いてジョン・ボン・ジョヴィ。アーティストに「OUR promoter」と言わせるMr. Udo。それだけでもジョンとMr.Udoの信頼関係が窺われました。
このあと参加した我々1人ずつ赤いカーネーションを献花台に手向けました。とても素敵な演出でした。この日16:00からは一般のファンの方々もお別れの会にいらっしゃるとか。献花台は赤いお花で溢れるのでしょうね。
献花後はお隣の部屋で思い出の品などを拝見しました。壁際にはスタンド花が並んでいて、一際聳え立つようだったのがジョンからのお花。これほど大きなスタンド花を見たのは初めて!きっとこの後もないでしょうねw
これは凄いw Mr.Udoならではのスリーショットです。
そりゃあ私はこれを撮らなきゃねw これは1998年の9L来日時かなぁ。
これはそれより前のGAGツアー来日時ですね。1994年。ST二つもサインしてるし、「Who Loves you Mr. Udo」がMr.Udoを指していて、それは俺だよ〜的なサインがお茶目w みんな若いな。
他にもいろいろ興味深い展示を拝見し、以前有楽町で開催されたウドー音楽事務所50周年記念のイベントを思い出しました。あれは2019年。あっという間に60周年を迎えそうですよね。Mr. Udoのスピリッツを継承して、これからもアーティストの熱意とファンの想いを繋いで下さい。
この日は多くの知人友人との再会の場でもありました。お世話になった元上司(日本人)や直接の上司ではなくても大切な事を教えて頂いたほぼ上司のような方々wもいらして、雪でなければきっと二次会、三次会もあったはずw なんてMさんと言いながら、残念だけれど早々に帰宅の途につくことにしたのでした。
外に出たら六本木は本格的に雪が降り始めていました。後になれば、お別れの会がこの翌日ではなくて良かったです。
お土産(?)に頂いたパス。先に頂いていたら、これを付けていたかったな。
裏側。まさに、シルエットだけでMr.Udoと判る存在感。ザ・レジェンドですね。
そんな週の一本は、『カラー・パープル』です。
この作品に初めて接したのは80年代の小説でした。忘れもしない、山手線の中で読んでいたらめちゃ泣きそうになって、必死で泣くのを堪えた記憶があります。一体それがどのシーンだったかは覚えていないのですが…w 印象に残っているのは、主人公が初めて海を見た印象を妹への手紙に書くところ。「物凄くたくさんの水が集まっているの」と形容していて、そうか、意味を見たことが無かったのか、と思ったのでした。
その後スピルバーグが映画化し、確かウーピー・ゴールドバーグの映画デビュー作になったんじゃなかったかな。もちろん観ました。当然小説をかなり端折らなくては映画化は無理なのでそこは文句は言えませんが、やはり繊細な機微などが一切無く、お話を猛スピードで駆け抜けた感があったのは残念でした。最低でも全20話くらいのドラマにしてくれないかな、って思ったものです。
そして今回。これはミュージカルなのでまた全然変わってきますが…冒頭からめちゃパワフルで感動しました!元々はアフリカ系アメリカ人の哀しみや切なさ、特に虐げられる女性達の絶望から、それでも生き抜く諦めや生き続けることの大切さなど、静かな深い感動に溢れた作品でしたが、21世紀にミュージカルになるとこれほどパワフルになるのかと思ったのです。
もちろん、かつての映画以上に原作からはかけ離れたような仕上がりです。あまりにも大雑把。ただそれでも、こうした小説の存在を知らなかった人たちに知られるきっかけになるのは良いことだと思うし、かつて小説『カラー・パープル』で涙した私自身もこれでまた『カラー・パープル』を思い出して良かったです。
あとあのH.E.R.が出演しています。いつも濃いサングラスをしてギターをかき鳴らすクールなイメージがあったので、あまりに可愛らしくて最初はH.E.R.だとは分かりませんでしたw
とにかく、出来たら多くの人に原作を読んで欲しいです。恐ろしいほどの暴力に溢れた作品ですが、それが事実だったわけで、それが彼らの歴史なのです。こうしたおぞましい過去があっての今なので、かつてはウーピーが、今はH.E.R.など俳優が本職ではない人たちが「出たい」と思う作品なのでしょう。アジア人の私には他人事ではありますが、時代が変われば日本でも変わらず女性の立場は似たようなものだったかもしれません。今で良かった、と思うと同時に、パワフルにアップデートされた『カラー・パープル』が出来た意義が分かった気がしました。
日曜日は、東京国際フォーラムで初めてのラ・ラ・ランド・シネマ・コンサートに行ってきました。以前『ゴッドファーザー』でシネマ・コンサートに行ったことがあったので前回ラ・ラ・ランドでシネマ・コンサートがあると知った時に行きたかったのに都合がつきませんでした。なのでついに行けた!もちろんとても良かったです!特にこの場合、ナマでジャズのライヴを観れたようなものですしね。残念だったのは、会場ほぼ中央くらいの席でもピアノやドラムスなどプレイしているところが見えなかったこと。次回あれば絶対2階席を取ろうと決意して帰ってきましたw
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