Amy's This Week
2025.01
1/6-12, 2025 HAPPYな日本美術展と、『ビーキーパー』
あっという間にお正月は明けましたがもう少しお正月気分を味わいたい…そんな時にぴったりな美術展に行ってきました。久しぶりの山種美術館です。大好きな若冲作品がある!(会場内は撮影禁止。作品の画像は全てサイトからです)
HAPPYな日本美術ということで、おめでたい作品を集めたそうです。日本人ならまずはやはり富士山ですね〜。なぜだろう?見れたらおめでたい初夢を『一富士二鷹三茄子』というから?そうかもしれないしそうじゃないかもしれません。でもとにかく日本人なら理屈抜きで富士山なのです。
これは例えば「オレゴン州人ならマウントフッド」とかにはならないと思うけれど、オーストラリアのアボリジニにとってのウルルみたいな感じ。そう、古来から崇めてきた神秘的で霊験あらたかな崇拝対象であるから。あ、もしかしてマウントフッドも現地のネイティヴ・アメリカン達にとっては崇拝対象かもしれないです。各国で、現地のネイティヴピーポーがその地に聳える山を崇拝する文化がある…ということは、我々日本人は誰もがネイティヴ?…なんですね。つまり、ネイティヴではない日本在住の外国人にとっては富士山はただの高い山でしかないのでしょう。横山大観の富士山、タイトルは『心神』です。ブラボー。
2025は巳年なので蛇作品も並びました。そしておめでたの定番、松竹梅。そういえば毎年『徹子の部屋』でお正月に松岡昌宏、大竹まこと、梅沢富美男の3人組特集がありましたが今年もあったのでしょうか。あったなら残念ながら今年は見逃してしまったな。
さてとにかく伊藤若冲ですよ。私の目玉は。一見地味な作品ばかりのようでしたがやはり若冲は別格。『鶴図』は私が一番好きなフルカラーの白鶴図とデフォルメされた墨絵の鶴図との中間的な作品でした。手前の鶴の尾羽はフルカラー鶴の漆黒の厚みを感じさせながらも、後ろの鶴はデフォルメされた丸い体が半分見えています。よくメイクの上手な人は引き算テクがあると言われます。何を塗るかではなく、何を塗らないか。どこを削るか。この作品も、若冲の引き算テクを魅せてくれました。
こちらは『叭々鳥図』です。叭々鳥(ははちょう)とはムクドリの一種で烏のような黒い体ですが翼に斑点があり、良い声で鳴き中国では飼い鳥として親しまれておりおめでたい鳥だそう。この作品は初めて観ましたがこの顔、見覚えがありますね。
それはこちら『月に叭々鳥図』が有名だから。これ可愛いですよね。おめでたい鳥が満月の下真っ逆さまに飛ぶというより落ちていく図。でも目はカッと開いているので地につく寸前でグイーンと飛行機でいうところのゴーアラウンドをしそうです。ちなみにこの作品はHAPPYな日本美術展には出品されていません。
あ、ひょっとして展示されていた叭々鳥は、ゴーアラウンドの瞬間を捉えた図でしょうか?これから上を向くところ。おめでたい鳥がよりおめでたい構図になっていたのかもしれません。(あくまでも個人の感想ですよw)
こちらは若冲お得意の鶏図。一見地味な墨絵ですがこの羽の描き方の区別が堪りません!輪郭は無いまま筆使いを変えてふんわりとした鶏の胴体の柔らかさや温かさを描いていて、その上に漆黒の尾を一気に描いて全体を引き締めています。このバランス感。素晴らし過ぎます。
さて最後の若冲はなんともユニークな『伏見人形図』です。伏見稲荷の土産物として売られているそうで、若冲はこの人形図をいくつも残しているようです。私は初めて見ました。若冲の幅広さが、懐の深さが感じられます。七福神勢揃いはこれぞおめでたさの象徴…と思ったら、これは七福神ではなくその中の布袋様の人形だけを七体描いているそうで、「なんだよく見たら七福神じゃないんだ」と思わせる若冲のイタズラ心も感じられます。いずれにしても布袋様x7っておめでたいw 可愛い作品でした。
ここ山種美術館の顔はなんといってもこの子『斑猫』です。うちの子にも似ているサバ白ちゃんにはこの日も会えました。
さてラストにピックアップするのは若冲ではありませんが妙に惹かれて足が止まった作品です。山口華楊の『生』。そのタイトルから、生まれたばかりの赤ちゃん牛なのでしょうか。とても可愛らしく温かみのある作品でした。『HAPPYな日本美術』という趣旨にぴったり。無事に生まれて良かったね。おめでとう。この美術展は2/24まで開催中です。渋谷からバスで行くと早いです。
そんな週の一本は、爽快アクションの『ビーキーパー』です。
これよこれ!これぞお正月映画!ジェイソン・ステイサムがスッキリ、ガッツリ、悪い奴らを文字通りw木っ端微塵。勧善懲悪アクション映画はこうでなくちゃ。めっちゃ気持ち良い。爽快感痛快感ハンパないです。
相手は特殊詐欺集団で、さらにそれを操る悪に辿り着いて根源からぶっ潰すジェイソン。終始怒りっぱなしです。それもそのはず。優しい善良なお年寄りを騙すなんて絶対に許されないのだ。その特殊詐欺の手段は巧妙で、私も気をつけなきゃと思わず我に返って思ってしまったほど。いかにも現実にありそうで、この映画が流行れば少しは社会に貢献するかもしれませんw
とにかく気持ちが良い。もともと私はジェイソン・ステイサムの声がとにかく好きだったのですが、ジェイソン作品の中でもトップ3に入る気持ち良い作品でした。完全にネタバレした今でももう一度観たいです!そして、乞う続編!!!
週末は初めての筑波山神社でお参りコンプしてきました。三連休初日ながらそれほど混んでいなくて良かった。楽しい1日でした。
LATEST ARTICLE
-
1/6-12, 2025 HAPPYな日本美術展と、『ビーキーパー』
-
12/30, 2024-1/5, 2025 お礼参りと紅白歌合戦、そして『ライオン・キング:ムファサ』
-
12/16-29, 2024 TP後半シアトル編と、『スピーク・ノー・イーヴル』
-
12/9-15, 2024 『光る君へ』最終回と、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
-
11/18-12/8, 2024 TP前半ポートランド編と、『動物界』
-
11/11-17, 2024 昇仙峡遠足と、『シン・デレラ』
-
11/4-10, 2024 相国寺展で若冲三昧と、『トラップ』
-
10/28-11/3, 2024 Bウィークに『光る君へ』道長様の涙と、『2度目のはなればなれ』
-
10/21-27, 2024 暴風雨の赤城山と、プレ・バースデー