Amy's This Week
2016.02
16
2016.02.16
2/8-14, 2016 マドンナとゾンダーコマンド
2013年のエアロスミス・ジャパンツアーは約2週間あり、その間共に旅をしたクルーたちとはとても仲良くなりました。同じ釜の飯友…ですね。ですがツアークルーというのはツアーの仕事が専門なので、そのツアーが終わるとまた他のアーティストのツアーの仕事に就きます。その為、なかなか再会するのが難しくなってしまうのですが、そのうちの一人が今回、マドンナのレベル・ハート・ツアーで日本に来ることになりました。
3年ぶりだったので是非会おう!ということで、早速Yakitori Dinnerに行き再会を祝して乾杯!3年間のお互いにあったことを交換しました。そしてその後マドンナ・ツアーの話を聞くと、とにかくマドンナが開演時間に出て来てくれないので大変だとのこと。でも「日本はみんな電車だから、終電までに帰らせる為にも早めに出て来るかな!」と期待いっぱいに話していました。その結果…土曜日にいらした皆様は大変でしたよね…。よもやの大幅開演遅延。思わず、もしも日本のプロモーターが主催していたら違ったのでは?などと考えてしまいました。マドンナ様の前にはそういうことは関係無いのでしょうか…。 さて、私は日曜日に行ってきました。ありがたいことに、件の友人であるクルーがバックステージ・ツアーをしてくれるということで、友人と二人嬉々としてクルーの後をついて行くと…もう本当にびっくり!マドンナの場合は、バックステージと言っても実際はアンダー・ザ・ステージです!ステージの下がもう迷路のようにいくつもの通路や小部屋があり、交差点もありました。確かにあまりに多くのダンサーがいて、彼らもマドンナ同様皆何度も着替えるので、こういった場所をステージの下に作らないと場所が確保出来ないし、これが一番便利なのでしょう。
通路が沢山あるので迷子にならないように…『マドンナ様の入り口はこちら』って感じ。実際、しっかりと後をついて行かないと迷子になりそうでしたw 本当にスゴイ規模なのですね。
これは衣装部屋ならぬ、ステージ下の衣装コーナーです。ここの左側はスポーツ選手のロッカールームのようになっていて、各ダンサーが次に着る衣装が着る順番に用意されています。ダンサーは常に出番が終わったら自分のコーナーに戻って、そこに用意された次の衣装に着替えるわけですね。そしてそのダンサーがまたステージに戻ると、この衣装コーナーから次に着替える衣装が選ばれて、再びそのダンサーのコーナーに用意されるというわけです。ダンサー達が何回着替えたかはもう数え切れません!華やかなステージの下では公演中ずっと、使用済みの衣装を片付け、次の衣装を探して運ぶ人が行ったり来たり動き回っているんですね。大変だ〜! そしていよいよショウが始まりました。私はマドンナのショウを観たのが初めてで、ただただびっくり。もうサーカスというか、シルクドソレイユというか…いえいえ、マドンナ様だぁ!w でも、意外にもなんかマドンナ可愛いの❤︎ そして天命を知ったのちのあの動き!なんて体力あるんでしょう!しかもヒールで!!本当に素晴らしい。輝ける中年女性の星ですね。私も運動しなくちゃ〜と、妙に反省してしまったのでした。 そんなゴージャスなライヴを楽しんだ週末から少し遡って…今週はかなり暗い映画を観ました。『サウルの息子』です。
今からもう15年前になりますが、ポーランドに行きました。そこでアウシュビッツやビルケナウといった強制収容所へも行き、『シンドラーのリスト』で観た通りのものをいくつか実際に目の当たりにして、衝撃を覚えたものでした。この『サウルの息子』は、ゾンダーコマンドとされたユダヤ系ハンガリー人サウルの、最後の二日間を描いた作品です。 ゾンダーコマンドとは、同じユダヤ人で最終的には殺される運命にあるのですが、体力がありそうだと選ばれて、特別労務班として働く人々のこと。特別労務とはいわゆる遺体処理で、同胞を欺いてガス室に誘導し、その後彼らが残した衣服や所持品を選別して、遺体を運んで焼却処分にする…とても正気では出来ない酷い仕事です。 そんな映画を観ながら、私はQueenのフレディーの遺作ともいえる『イニュエドゥ』を思い出していました。後になって分かったことですが、フレディーは自分の死が近いことを悟りながらこのアルバムを作っていたのです。収録曲に『I’m Going Slightly Mad』(邦題『狂気への序曲』)というのがあります。死ぬことが避けられないと悟り、正気を失いそうな自分と戦いながら、それでも『Show Must Go On』(同じく同アルバム収録曲)と歌ったフレディーの気持ちはどれほどのものだったか…。このアルバムを聴くたびにそう考えてしまい、涙が溢れてくるのです。
『サウルの息子』を観ていて、サウルもフレディーと同じように自らの死期が遠くないことを覚悟した時から、少しずつ正気を失っていったのだと思いました。なので、映画を観ながら後半はずっとQueenの『I’m Going Slightly Mad』が頭の中でBGMとして流れていた次第です。 様々な歴史の積み重ねで今日があり、多くの人々の無念の上に今の我々の生活があります。未だ元気に生きている者の義務として、頑張って前向きに進んでいかなきゃいけないな〜と思っていたところに、マドンナ姐さんの素晴らしいショウを観て、いやいやもう目からウロコ。まだまだあと100倍は頑張らなくちゃいけませんね!w 以前はあれほどジム好きだったのに、すっかり足が遠のいていた自分を反省しました。今年はジムに復帰します1!!
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