Amy's This Week
2019.11
10/28-11/3, 2019 カラヴァッジョ展と、『フッド・ザ・ビギニング』
私の大好きな画家トップ5に入るカラヴァッジョ展が、札幌から始まると知ったのが夏頃。で、東京はいつ?と思いきや、え〜??ないのぉ〜?主催が北海道新聞社というので札幌開催からスタートは理解出来ますが、まさかの東京飛ばしとは。会場が取れなかったのかしら?とにかく、それならば名古屋へ行くしかない!と決意していたのでした。
ちょうどシンディ・ツアーが終わった頃で、グッドタイミング。なるべく空いている会期前半、しかも火・水あたり…と考えたら、あら、It’s my birthday笑 そういえば昨年はデフレパ名古屋公演の日で、この日名古屋会ランチをしていました。よもやの今年も名古屋バースデー❤️ 運命なのかな。カラヴァッジョ行くわよ!
まずはVIPクラブ名古屋会の皆様とランチをして、その後名古屋会のわっふるさんと一緒に初めての名古屋市美術館へいきました。素敵な建物。
いや〜ん❤️ もう本当に行って良かった平日夕方名古屋。東京では考えられないほどのガラガラ状態で、もう涙が出るほど嬉しかったです。観たい絵の前で好きなだけ観て、自由にふと戻ってみたりして。グッズ売り場もめちゃくちゃ空いてて、ああ、ホントに来て良かったよ〜❤️
私がカラヴァッジオ(カラヴァッジョ、カラヴァッジオとカタカナ表記はどちらでも良いと思いますが、私は-ジオが好き)の名前を覚えたのは、1989年国立西洋美術館でのバチカン展。目の前に飛び出す墓石の角。キリストの下半身を支えるニコモデの突き出た肘。力強く踏ん張りこちらに向く左足…。衝撃を受けた迫力の『キリストの埋葬』の前で、私は動くことが出来ませんでした。その後3回バチカンで再会。考えてみれば、私がイタリア大好きになったのも全て、カラヴァッジオがきっかけだったかもしれません。コレ。
やはり一番好きな作品なので最初に挙げましたが、今回この作品は来ていませんw では今回の目玉(私にとっての)は…というと、日本初上陸で、そもそも個人蔵なのでこうした企画展以外では観ることが出来ないコチラ、『リュート弾き』。
あ〜、これこれ。いつものカラヴァッジオの好みの顔ですね〜w で、ニューヨークとロシアにも同じコンセプトの作品があるので、比べてみました。
エルミタージュ美術館にある『リュート弾き』。ビミョーにお花が違うし、花瓶の反射が弱い感じ。来日した個人蔵の方が、お花への光の当たり方が極端になって、よりカラヴァッジオのドラマチックさが出ているように思えます。
こちらはメトロポリタン美術館にある『リュート弾き』。花瓶がありません。楽譜も違うかも?ね、こうして比べてみるととても面白いでしょう?
結果、一連の『リュート弾き』の中で、今回来日した作品が一番素敵かも!全体的に柔らかな作品でも、やはり光の使い方がカラヴァッジオ!良い作品を観ることが出来ました。
そしてもう一つの目玉は、名古屋展のみ限定公開&初来日という『ゴリアテの首を持つダヴィデ』です。またいかにもカラヴァッジオな遠近法で突き出された左手と、その下の血を滴らせた首…。
これはローマのボルゲーゼ美術館から。ということは、私は1回だけ観たことあったんだな。ボルゲーゼ美術館は、バチカン、ウフィツィに並ぶほどの素晴らしい美術館ですが、何といっても広い公園の奥の奥にあるので、とにかく公園内を歩いて疲れた記憶が。なので一度しか行ったことがないんですw
ゴリアテは野蛮な巨人で、ゴリアテの属するペリシテ軍とダヴィデが属するイスラエル軍の戦いにおいて、ダヴィデが投げた石がゴリアテの額に命中し、倒れたところを首を切り落としたんですね。で、このゴリアテの顔が、カラヴァッジオの自画像です。
ちょうど彼はナポリで喧嘩をした時におでこに傷を負っていたので、ぴったりだと思ったのかもしれません。そして、ダヴィデの表情を、「敵を討ち取ったり!」のドヤ顔ではなく、まるで「なんて馬鹿なことを…」と憐れみをたたえているかのように描いています。自分をゴリアテに重ねて野蛮な自分の行いを反省しているようで、少し自己憐憫的な自分勝手さも見える、いかにもカラヴァッジオな作品ですw
これを、殺人の罪をお咎めなしにしてくれそうな美術愛好家で権力者のボルゲーゼ枢機卿へ贈るつもりで描いたそうで、でも結局その恩赦を受けるためにローマへ向かう途中、病に倒れあっけなく亡くなってしまったのでした。カラヴァッジオ本人は無念そのものでしょうが、その作品が自らの希望通りボルゲーゼ家のコレクションとなり、死後400年余りを経て今もボルゲーゼ美術館にあるのは嬉しいのではないでしょうか。それとも、「死んだ後のことはどうでもいい!」とでも言い放つかも?w
ともあれ、カラヴァッジオの魅力はその圧倒的な迫力ある構図や光の使い方で、そこには激しいドラマチックさを感じ取ることが出来ます。それはとりもなおさず、彼自身の性格の激しさから来るものであり、もしもカラヴァッジオが誰にも好かれる穏やかな性格の人であったら、こんな素晴らしい作品群は残せなかったでしょう。人として素晴らしいか、芸術家として素晴らしいか。両立しないところが残念ですが、片方だけでも完全に極めたのですからあっぱれです。
そんなカラヴァッジオの人生に思いを馳せながらゆっくりと作品を愛でることが出来る名古屋カラヴァッジョ展は、12/15まで。
その後は来年2月まで、大阪で開催されます。東京の混み混みな美術展に慣れた者には、新幹線に乗って行く価値が十分ある平日夕方名古屋展でした❤️
そんな週の一本は、『フッド・ザ・ビギニング』です。
タロン・エジャートンは『キングスマン』『ロケットマン』と観ましたが、今回が一番カッコ良いです❤️
お話の舞台は中世(十二世紀)なので、飛び道具は弓です。それを徹底的に練習したんですね。連射もするし、ラグビーのオフロードパスならぬ、オフロード放ち!(敵に倒されながら、転がりながら矢を放つ)ノールックパスならぬ、ノールック放ち!とにかくカッコ良いです。
ジェイミー・フォックスも良かったです。この人って、ハリウッドゴシップでやたら女好きと言われていたので「なんだかな〜」と思っていたのですが(苦笑)、やはり俳優として才能あるのは否めません。ここはカラヴァッジオと同じで、どうせ個人的な知り合いではないのだから、仕事での才能だけ愛でれば良いですねww
これひと昔前なら、モーガン・フリーマンだったよな〜。なんて思っていたら、1991年のケヴィン・コスナー『ロビン・フッド』ではそうでしたね!しかも、ノッティンガム代官がアラン・リックマンに似てる!と思っていたら、やはりケヴィン・フッドではアラン・リックマンが演じていましたw もちろん観ていたけれど、そこまで記憶にはなかった私。なんとなく制作側に共通のイメージがあるんでしょうねw
ということで、名作中の名作ケヴィン・コスナーの『ロビン・フッド』のシーズン0(ゼロ)的なタロン・フッド。これを観てから、ケヴィン・フッドをもう一度観たらお話は繋がるし、とてもスムーズに移行出来ると思いました。面白かった❤️
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