Amy's This Week

2023.10

30
2023.10.30

10/9-15, 2023 『永遠の都ローマ展』と、『コカイン・ベア』

この週は、めちゃ久しぶりに美術展に行きました。誘ってくれた友人に感謝です。私の愛する古代ローマ!ありがとうトビカン!

美術館へ入館する前に見上げる窓ではロムルスとレムスがお出迎え。この双子が古代ローマの起源です。なんて語る時の楽しさったらw ホント好きなのね、自分w

今回はローマにあるカピトリーノ美術館からのコレクションなので、まずはカピトリーノのヴィーナスにご対面。世界三代ヴィーナスがあるんですって。ルーヴルのミロのヴィーナス、ウフィツィのメディチのヴィーナス、そしてこのカピトリーノのヴィーナス。基本門外不出のヴィーナスで、今回は奇跡の初来日なんだそう。トビカンのキュレーターさん、頑張ってくれたんですね。館内は一部を除いて撮影禁止なので、展示作品の写真は全て公式サイトからです。

恥ずかしそうにしているカピトリーノのヴィーナスを360度からたっぷり鑑賞して、先に進みます。やっぱり大理石って美しいな〜。

さて改めての牝狼とロムルスとレムスの像です。これはカピトリーノ美術館のお隣?のローマ市庁舎にある複製だそうですが、この像はローマに行くと本当にあちこちにありますよね。軍神マルスと巫女の間に生まれたロムルスとレムスの双子の兄弟は、彼らの祖父を殺して王位を奪った祖父の弟から復讐を企てられるかもと恐れられてテヴェレ川に捨てられたところ、狼によって育てられたという伝説です。

私が嬉しくなってしまうのはこの台座にある『S.P.Q.R.』の文字。古代ローマファンならご存知、これもローマの街のあちこちにある『ローマの元老院と市民』という意味で、ひいては古代ローマ国家、共和政ローマ、ローマ帝国を表します。

今年話題になったサッカーチームASローマのユニフォームに大きくありました。もともとこのチームのエンブレムは牝狼とロムルス&レムスで、前面には大きくスポンサー名が入っていたのですが、何か事情があってスポンサーが降りてしまったのかもしれません。スポンサー名の代わりに「じゃあ入れるならSPQRしかないだろう」となったのかな。チームローマの誇りを胸に戦ったんですね。素敵。

古代ローマを知れば知るほどイタリア人が誇りに思うのは当然ですね。古代ローマを滅ぼしその後のヨーロッパの衰退を招いたゲルマン人やキリスト教よ、どうしてくれる!と言いたくなるのは私だけかなww そんなSPQRの文字は我が家の冷蔵庫にもありますよw

続けて古代ローマの英雄たちの彫像コーナーです。初代皇帝のアウグストゥスは、2000年前で75歳まで生きた人なんですが、彫像として残す際は常に若い頃の面影を彫るように指示していたとか。写真の無い当時、どうやって若い頃の自分を彫刻家に示したのか?と考えたこともありましたが、まあ、若い頃彫らせた作品を真似させたんでしょうねw

アウグストゥスは冷酷とも言われますが、大叔父のカエサルLoveな私としては、もちろんカエサルが後を託したアウグストゥスも好き。右腕として軍事面(理系)のアグリッパと外交面(文系)のマエケナスを巧みに器用したところが凄かったと思います。そのアグリッパとマエケナスをあてがったのもカエサルという説もありますが。アグリッパも大好きだし、でも対立するアントニウスも大好き!そのあたりかなりHBOドラマ『ローマ』の影響があるかなww

この足!めちゃ大きいです。この大きさであらゆる部位があるので、きっと当時は超巨大な石像があったのでしょうね。この大きさの足も市内でいくつか見たと思います。

すごく有名なのはこの写真。誰が撮ったんでしょうか。絵ハガキにもなっていて、初めてローマに行った時に買った記憶があります。にゃんが乗っているのでことさら足の大きさが分かりますね。

さて、このパラティーナ美術館の前にある広場を設計したのが有名なミケランジェロです。私がルネッサンスで一番好きな人!

ミケランジェロは暗いんですよww まあ会ったことはないので記録によると…ですが、この時代は記録が多いので暗いという評価は正しいと思います。社交下手でもあり、ひたすら彫刻をしていたかったのに、才能があるので絵画や広場の設計とかも依頼されてしまうんですねw カピトリーノ広場も見事な出来映えですが、ミケランジェロはぶつくさ文句を言いながら仕事していたんだろうな〜w こちら『カンピドリオ広場の眺め』出来たばかりの頃のエッチングです。

終盤には絵画館のコレクションがありました。この光の効果でカラヴァッジョ来た〜!!と大興奮したら、作者はカラヴァッジョ派の画家、と無名でした。『メロンを持つ若者(嗅覚の寓意)』です。え?これがメロン?17世紀イタリアではメロンってこんなだったの?それとも寓意というくらいなので、これは空想の果実?といろいろ追及してみたかったけれど、とにかく『派』となると資料もないだろうな〜。

さて最後にようやく撮影OKがありました。

トラヤヌス帝の記念柱は、トラヤヌス帝が対ダキア戦の勝利を記念して作らせた大きな石柱で、下からグルッと螺旋状にダキア戦の進み具合が表されています。文字で読まなくてもこの柱を見れば戦いの全容が分かる素晴らしい物ですが、実際は柱が大きすぎて全然見えませんww だからこうして切り取って見せてくれると助かるんですよねw でこちらは『エモシアの艦隊』。艦隊といっても古代ローマの時代ですから、船も人力で興味深いです。

こちらは『デケバルスの自殺』。だいぶ柱の上の方でしょうね。ほぼ現在のルーマニアにあたる当時のダキアは、めちゃくちゃローマ軍を翻弄した好敵手でした。そこでトラヤヌスが皇帝になるとすぐにダキア問題に着手。でもダキアは本当にしぶとく、しまいには騙し討ち的なことまでしたので怒ったローマが徹底的に叩いてダキア(この彫刻にあるデケバルスがダキア王。捉えられるのを拒んで自殺した)を殲滅したのでした。

本来古代ローマの素晴らしいところは、各地を支配下に置いてもその地の習慣、宗教、その他全てそのまま受け入れた『寛容』さにありました。が、ダキアには本当に頭にきたようで当時ダキアの地にいた人々を全て追放してローマ人を入植させたのでした。だから国名がルーマニア(ローマの国という意味)になったのです。古代ローマの地図を見ても、上の方でぴょこっと飛び出ているのが当時のダキア、現在のルーマニアに当たります。

そんな経緯がかつてあった国ルーマニアですが、実際に行った時に興味深いな〜と思ったことが、ダキア(現地ではダシアと発音)という名前の国産車メーカーがあったんです。小型車が多かったですが、ダキアと名前が付いた車が多くて現地では人気のようでした。そうか、国名はローマの国をそのまま使用していても、古代自分たちは『ダキア』であったのだという、地元の人々のプライドのようなものがあるのかな。古代ローマが滅びた後に、ローマ帝国から締め出されたダキア人たちが自分たちの土地に舞い戻って来ていたのかもしれないですね。その末裔が作った車メーカーかな?なんかヨーロッパ大陸における平家落人村的な感じがしました。

…ということで、ああ、ごめんなさい。愛する古代ローマのことになるとつい語ってしまいますww とにかくシンプルに彫刻を愛でても良いし、ヨーロッパ史、いえ世界史の礎であるローマを、少しだけ感じに上野にいらして下さい。全ての道はローマに続くのですから…。

 

そんな週の一本は、『コカイン・ベア』です。

ポスターからしてめちゃくちゃB級感出ていますねww その通り、B級作品ですw が!なんとこれがレイ・リオッタの遺作となってしまったのです。私の愛するレイ・リオッタ。美しいブルー(グリーン?)の瞳をしたレイは怪演も多いですが、でも真面目なブロードウェイの舞台などにも出ていたりで、実際はかなりのインテリ俳優だと思います。まだ67歳でした。見た目だけでちょっと高血圧っぽそうでしたよね。でも早過ぎる!

若い頃の面影だけを残そうとしたアウグゥトゥスにインスパイアされ…若い頃の美しいレイ・リオッタを載せますね。tcm.comから。

彼を知ったのは御多聞に洩れずマーティン・スコセッシ監督の『グッド・フェローズ』です。これは名作中の名作!私の人生における好きな映画10本、いや5本に入るかな。エンディングのクラプトンも良かったわ。マーティン・スコセッシ監督ロック好きなんだな、って思いました。デ・ニーロもクレイジーなジョー・ペシも良かった!

この作品の主人公ヘンリーを演じたレイ・リオッタが、仲間と集まった時に大笑いするシーンが有名です。もし、軽い気持ちで出演した(たぶん)『コカイン・ベア』なんていうB級作品が自分の遺作になると知ったら…彼はきっとこの時のヘンリーのようにバカ笑いをしたかも…なんて思いました。レイ、安らかにお眠り下さい。

作品自体は、はい、もちろんB級具合は『キラー・カブトガニ』と良い勝負かなw でもラストでレイの脳みそ(『ハンニバル』ねw)ならぬ◯◯がぶちまけられるのでこっちが勝ちw まあ、日常に疲れた時にはこういう作品を観るのが良いんですw B級の割には贅沢なキャステイングですからね。

 

この週末に大阪に入りました。日曜日に行われるスティーヴ・ヴァイのプロダクション・ミーティングに参加する為です。今回はかなりギリで私の起用が決まったので私自身も十分に内容を把握しておらず、このミーティングでしっかり確認しようと思っていました。ミーティングではツアマネ氏とお会いして、諸々伺うことが出来たので安心していました。ところが…t.b.c…ですw