Amy's This Week
2024.12
12/9-15, 2024 『光る君へ』最終回と、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
今回は前週の続き、TP後半のシアトルについて書くつもりでした。それなのに…12/15(日)にNHK大河『光る君へ』が最終回を迎え、あまりに魂が揺さぶられたためにとてもTPを振り返ることが出来なくなってしまいました。そこで、TPレポ前編・後編の間に『光る君へ』最終回について、書くことにしちゃいました。
とはいえ、実際にはしばらくは放心状態。脳内が真っ白になったまま日常をこなし、1日を終えて夜になれば録画を観る一週間。衝撃的というほどの強烈な驚きのようなものとは異なるのですが、でも単に「エモかった」というよりはずっとずっと重く、息苦しくなるほど胸が締め付けられ、泣きながらも大きく感動し、先に魂が揺さぶられたと書きましたがまさにその通り。英語ならこれこそが「Overwhelmed」ということだと思いました。
明子の兄源俊賢もいますが、道長、公任、斉信、行成のF4。幼馴染で10代から60代まで共に働き、遊び、悩み、励まし合い、支え合い…まるで現代のバンドのよう。このF4が揃うシーンはいずれも楽しさが伝わり、眩しさがありました。本当にキラキラw 最終回にそんなキラキラしたシーン、たぶん彼らにとって人生最後のF4揃い踏みシーンが観れたのは本当に良かった。恵みでした。
道長様と同じ日に行成も倒れ亡くなったという史実は決してF4がドラマ上の設定ではなかったということ。実際に驚愕の絆があったのです。道長のために生きたと言っても過言ではない行成。愛しの行成。彼の死に限っては、「良かったね」と声掛けしたいエモさがありました。
そして残された2人。公任演じる町田啓太は元々大好きな俳優さんですが、こうした歴史モノがとても似合っていて公任とても良かったです。
そして斉信(ただのぶ)ですよね。はんにゃの金田。超エリート貴族のボンボン役がとても似合っていました。時に憎らしいこともあれど「まあ高貴な人だしね」と思える憎みきれない軽さがあり、F4の中で一番華のある役だったと思います。今回『光る君へ』の中で光ったお笑い芸人3人衆の1人。道長と行成を偲んたこの時の彼の涙は、彼の役者としての人生が始まったなと思わせてくれました。
残された2人の献杯。月に向かい哀しみをグッと堪えた静かなシーンは、非常に切なく美しかったです。
そして…死の床にある道長様。このやつれた姿、柄本佑さんは2日間水分を絶って仕上げたそうです。凄い役者根性!さらに驚いたのはこの時の声です。「さきに、いくぞ…」。か細くかすれた声は死気が迫った人特有のものでゾクッとしました。凄い人です。
まひろが流した涙が鼻から落ちているのに拭わないのは、両手で道長様の差し出した手を握っているからです。このシーン、もう泣けて泣けて堪りませんでした。
そして道長様の見えない目からも涙が。晴明に寿命を10年やってしまったことを今更ながら悔いました。あの時は都の民を旱魃(かんばつ)から救うため、晴明に雨乞いをしてもらうために自分の寿命を10年捧げてしまったのです。道長様がもっと自分勝手な人であったなら…。
道長様からご褒美に貰ったまひろと三郎の出逢いの想い出が描かれている扇です。これを見ながら、道長様に新しい物語を聞かせるまひろ。
ミュージカルのようなバックハグを、まさかこんなシーンで見ることになるとは。あまりにも物哀しく、美しいシーンでした。
2人の最後の笑顔。まひろの新たな物語は2人の人生をなぞり、その中の一つ一つをハッピーな方向付けしたものでした。三郎は貧しい家の者で2人に身分の差は無く、散楽の者たちは誰も殺されることなく都を出て、逃げた鳥は戻ってくる…。このまま物語が進めば、間違いなく物語の中のまひろと道長は一緒になれたでしょう。道長様、まひろのおかげで幸せな気持ちに満たされた最期だったと思います。ああ、涙、涙…。
翌朝、冷たくなった道長様の手が出ていました。まひろに伸ばした手です。先に行ってしまいました。
その朝、まひろが何かを書こうとした時に、道長様の若く溌剌とした声で「まひろ!」と呼ぶ声が聞こえました。ああ、道長様が天に召されて魂が飛んできたのです。このシーンも泣けました。道長様、亡くなってしまったのですね…。
お笑い芸人3人衆の2人目はロバート秋山さんです。彼の藤原実資はとても素晴らしかったです。日記魔だった実資はなんでも日記に書くのですが、道長と行成が亡くなったことを書くこのシーン。ロバート秋山さんが実際に自ら書いているそうで、見事としか言いようがありませんよね。素晴らし過ぎる!
そしてこの大粒の涙。一言もセリフの無い、素晴らしいシーンでした。今後彼は例えばドリフの長さんやコント55号の坂上二郎さんのような良い役者さんになりそうです。
こうして多くのエモーショナルなシーンの数々ののち、まだ元気なまひろは旅に出ます。死ぬ覚悟での、ある意味死にに行く旅ですよね。歳だから旅は無理と言ったのにどうしてもついてくると言った乙丸。カラテカの矢部さんが良い味を出していました。このドラマのお笑い三人衆最後の1人はこの人。乙丸もまひろと共に、旅先で命を終える覚悟なのでしょう。いつどこかでのたれ死んでも満足な2人の旅立ちでした。
途中再会した双寿丸が関東で戦があると言います。こうして平安から鎌倉へと時代が繋がっていくのですね。
そして「(道長様)嵐が来るわ」のサラ・コナー式エンディング。プツッと終わってしまい一瞬テレビが壊れたかと思ったので、私は米連続ドラマ『ザ・ソプラノス』のエンディングを思い出しました。えっ?ここで終わり?…という物足りなさと虚しさで呆然としてしまう最後は、まさに道長様を失ったまひろの気持ちそのものでしょう。それでも人生は戻らず。呆然としながら虚しさの中を進んで行くしかないし、いつ終わっても良いと思っているのでもはや怖いものはありません。そんな諦めからくる意気込みに満ちた最後の表情でした。お見事。まひろから、1000年の昔から紡がれている人の生き方を教わりました。
…と、とにかく終わってしまった『光る君へ』。最終回はすでに5回は観たし、なんならすでに1話から5話まで見直しています。このお正月は『光る君へ』を最低2回は全話観たいと思っています。それぞれの役者の演技の素晴らしさから(狂った三浦翔平サンと死の床の柄本佑サンがダブル優勝かなぁ)衣装や大道具・小道具の素晴らしさ、音楽の見事さなど、あらゆる面にフォーカスして何度でも観たいです。まさかここまで平安時代に魅せられるとは。今年はついに石山寺にも行けたし、悔いの無い『光る君へ』イヤーでした。
今年を締めくくる最後のお楽しみは以下の通りです。ご覧になっていなかった方もこの機会にぜひ❤️
12/29(土)12:15『光る君へ』総集編 一の巻
12/29(土)13:05『光る君へ』総集編 二の巻
12/29(土)13:48『光る君へ』総集編 三の巻
12/29(土)14:31『光る君へ』総集編 四の巻
12/29(土)15:20『光る君へ』総集編 終の巻
12/29(土)16:03『光る君へ』グランドフィナーレ 〜まひろと道長からありがとう〜
そんな週の一本は、まさかの24年ぶりの続編『グラディエーター II 英雄を呼ぶ声』です。
巨匠リドリー・スコット監督健在。でもそれは壮大なスケールでの古代ローマの再現という部分です。もちろんそこが見ものだし、確かに素晴らしい。さすが巨匠、予算が豊富に集まるんですねw
ただストーリーで考えると、やはり『グラディエーター I』の方が数段上な気がします。ラッセル・クロウもホアキン・フェニックスも特に好きではないけれどその存在感は認めざるを得ません。ポール・メスカル頑張りは認めるけど存在感では弱過ぎです。
皇帝の2人もメイクとか安っぽ過ぎてあまりに軽い。その辺りデンゼル・ワシントンが1人で背負っていたけど(闇落ちデンゼルはサイコー!)1人じゃ到底『I』には対抗出来ないですね。
ルッシラ役のコニー・ニールセンが前作と同じ役を演じていて、劇中の19年後がリアルで良かったです。一昔前までは女優はいくつになっても変わらず美しいまま…という不自然さがまかり通っていたので、最近のハリウッドは男女平等さが少しずつ見えてきた気がします。
巨匠サー・リドリー・スコットは御歳87ですって。クリント・イーストウッド然り、素晴らしく元気なおじいちゃんですね。それでも多くの作品を観た中で、鬼気迫る最高な作品だったと思えるのは『グラディエーター』(2000)、『ブラック・ホーク・ダウン』(2001)、『ハンニバル』(2001)、『キングダム・オブ・ヘブン』(2005)…あたりです。何度でも観たい(とはいえ実際のソマリア紛争を描いた『ブラック・ホーク・ダウン』はあまりに強いストレスになるのでもう無理w)作品が多い中、この『II』はそのうち地上波テレビで放映されるならまた観ても良いかな、くらいでした。
この週末は、2ヶ月遅れのお誕生日祝いランチを友人にご馳走になりました。コロナ禍以降初の瀬里奈!サイコーでした〜❤️
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