Amy's This Week

2025.03

12
2025.03.12

2/24-3/2, 2025 MR.BIG VIP at 武道館と、『ノー・アザー・ランド』

さて、ついに最後の最後となるMR.BIGショウとなりました。At 武道館。場所に不足なし。最高の会場での最高のショウ。そしてその前の、最高のVIPとなるようにと願って挑みました。

私たちVIPスタッフはお昼過ぎに会場入りして、場所の下見や流れの確認をします。この頃にはステージ・プロダクションは完全に出来上がっています。関係者はめっちゃ朝早くから働いてくれているんですよね。だいたいVIPスタッフって一番最後に入り、一番最初に帰るというなんだかとても申し訳ない立場にありますw それぞれの仕事なので仕方ないことなんですけどね。

あっという間に受付が終了し、東京M&G VIPは全員遅れることなくいらして頂きました(実は大阪は申し込んでいたのにVIPにいらっしゃらない方がいらして心配していました。何も連絡なかったんですよね。諦めが良過ぎます…)。そして流れの説明などを経て、サウンドチェック・パーティーのためにアリーナに入場しました。この日はバンドはステージ上にいなかったので、皆様落ち着いて着席出来ましたねw

バンドが登場する前に、皆様のサインを拝見して撮らせて頂きました。おお〜Welcome back!も良いし、Thank you for being MR.BIGも良いですねー!

なんだか力作がありますね!あれはサインというよりは何でしょう。記念フラッグ?この後バンドにプレゼントしたのかな?縦長も珍しくて目立ちますね。お席が通路側と分かってから作ったのでしょうか?素晴らしい!あと…MR.BIGのスタジャンを着ていらっしゃる方が目立ちますね!なかなかの金額なのにさすがVIPの皆様です。

こちらはVIP Clubメンバーのたかこさん。前回の武道館公演が南スタンドの1列目だったので作ったものだそうです。が、手すりに掛けたら警備員さんに注意されてしまい出すことが出来なかったとか。涙 以下たかこさん談。
「最後のチャンスと思い、サウンドチェック時は自分で掲げ、ライヴ時は…同じブロックの1列目の男性に頼み込み、最前の柵に掛けさせていただきました。メンバーの目に一瞬でも映っていたら幸せです!」
とのこと。もちろん、バンド全員の目に映りましたよ。良かったですね。

そしてバンド登場。サウンドチェック1曲目は『Up On You』でした。

この日はサウンドチェックで1曲演奏したらQ&Aという流れが良いとのこと。そこで最初の質問は…この週末に15歳になるという方から、「皆さんは15歳の時にどんな音楽を聴いていましたか?」というもの。まずはエリックで、VIPファンの皆様はすでにご存知な事だったのかもしれませんが私にはとても意外な答えで「モータウン・ミュージックを聴いていた」と言っていましたね。シュープリームスとかフォートップスとか…あともう一つ何て言っていましたっけ。何となく時々MR.BIGのサウンドにファンキーな雰囲気を感じていたのはその影響なのかな?と妙に納得してしまいました。

同じ質問を振られた(エリックにw)ポールはめちゃめちゃ困っていましたねww 「とにかく昔過ぎる…」とのことw まあそうですよねw それでも何やら一生懸命考えてくれていたのが微笑ましかったです。そう、大阪でもそうでしたが、とにかく私が質問を言うと、あとはそれを引き継いでエリックが全員に訊いてくれていましたw ホントこちらは助かりますww 実際にステージ上にいると、マイクで話す声はオーディエンスの方に向いたPAから音が出るので自分にはよく聞こえないんです。これは本当に困ります。だからそばにいて直接の声が聞こえれば良いのですが、離れてマイクを通しての声のみの場合本当によく聞こえません。

それが分かっているからエリックは私のそばまで来て質問は何?と直接私の自声から確認をして、それぞれのメンバーのところまで行って訊いてくれるのです。ホント有り難いです。逆に答えてもらった内容なのですが…実は一番私から離れていたビリーだけ、よく聞こえない時がありました。聞き直したりしてどうにかなっていましたが、聞き逃して通訳し損ねたこともあったかもしれないです。ホント申し訳ありません!ただこの時の質問では「ヤードバーズやクリーム…」と言っていたのは聞こえたので、ビリーは王道なロック少年だったんですね。


あと他にも質問したと思うのですが、ああ忘れてしまいました!ただ最後にした質問は覚えています。「ポールへ。20年ほど前にHRCで虎の全身タイツを着てライヴを楽しんだクレイジーなファンです。そのことを雑誌のコラムに書いてくれてありがとうございます。今までで一番クレイジーだなと思ったファンを教えて下さい」というもの。このコラムに書いたことを、ポールは「もちろん覚えている」と言っていましたね。そして一番クレイジーなファンは…一瞬考えたけれどすぐ「ここのみんなだよ!」と最高の答えで場を盛り上げてくれました。Yay!

そして2曲目は『Undertow』でした。これでサウンドチェック・パーティーは終了予定だったので、この間に私は裏からステージを降りてステージ下左側で待機。演奏が終わり次第ミート&グリートへVIPの皆様をご案内するスタンバイをしていました。

そしてMR.BIG最後のミート&グリートです。この日がミーグリ初めて、という方もいらしたと思いますが、皆様思い残すことなく挑めたでしょうか。コロナ禍の影響が残っていた前回とは異なり、今回は「ノータッチ」など一切の制約が無かったので本当に良かったです。

脇から見守っている私も、皆さんの楽しそうな様子を見ていると本当に幸せな気持ちになれます。

VIP Clubメンバーのまゆさん。

VIP ClubメンバーのGoma BJさん。

VIP Clubメンバーのあっきーさん。もう長年に渡るMR.BIG VIPでの常連さんたちと一堂に会すことはないのかと思うと本当に淋しいです。

こうして無事にミーグリも終了し、あとはライヴを楽しむだけ!な緊張から解放された皆様❤️

日の丸フラッグに熱いメッセージ。小さな文字もとても良いことが書かれてあるので、ステージから読めるように大きな文字のサインボードにすればもっと良かったかも!

私はステージの斜め後ろに当たる1階スタンドからライヴを拝見していました。ファンの皆様の盛り上がりもよく見えて私にとってのベスポジでした。

もうネタバレとか関係無いので。セットリストです。

最後の最後はステージから降りてくるバンドを拍手でお出迎えしようとステージ下に移動したところでついにライヴ終了!

そしてその前に。最終日こそ!と思い、ビリーのスピーチを録りました!いつもその場では感動するのですが、すぐに内容を忘れてしまうから。どうしても録画してビリーの言葉を残そうと思ったんです。

ビリー談。「日本をツアーした長い年月、アメリカから来た我々にとって、この真に素晴らしい文化、寛大で優しくて親切な人々、驚異的に美味しい食事は非常に大きな意味があり、皆本当に良くしてくれ、我々の人生を完全に変えました。我々の人生は日本での経験によってより素晴らしいものになったのです。とりわけウドー・アーティストに感謝します。初めてこの地に降り立った時から今日に至るまでの全ての経験を実現させてくれて、心の底から感謝します。他にも多くの人々にお世話になりました。メディア関係者、マサ・イトー、Burrn!マガジン、我々サイドの人々も、本当にありがとう。皆共に働きながら、最後には熱い友情で結ばれました。もちろん皆さん全員ともです。私は皆さんをファンとは呼びたくない。皆さんは友人です。道で出会えば話もするし、サインでも、どんなことでも求められれば時間が許す限りします。皆は常に親切でした。ギフトなんて、もう我々の家で山のように保管されています。そう、何年も何年もずっととっといてあります。皆本当に素晴らしい」

「数年前にMR.BIGを終えることとなり、ついに今日という最後の日を迎えました。MR.BIGとして再びプレイすることはもうありませんが、我々一人一人これから何年も活動は続けますので、いつか、どこかで、何らかの形で必ず皆さんと再びお会いします。そう思えば我々の心は温かいまま。Forever In Our Heartsという曲が、皆さんが常に、永遠に我々の心にいるのだと思わせてくれて心に響きます」

「それじゃあ…もう皆素晴らしいよ。じゃあギターは…私の親友の一人、知っている限りで最も素晴らしい人の一人、最高の人物ミスター・ポール・ギルバート!」

「我々はニック・ディヴァージリオを迎えることが出来て本当に幸運でした。MR.BIGの心であり魂であったパット・トーピーを失うという不幸に見舞われ、その時はもうどうしたら良いのか分からなかった。彼は本当に素晴らしい人間でしたから。でもニックがMR.BIGに加入してくれ、MR.BIGの活動を継続させてくれ、素晴らしい演奏とコーラスをつけてくれたことにとても感謝しています。ニック、兄弟、ありがとう。ミスター・ニック・ディヴァージリオ!」

「何年も前、マイク・バーニー(訳注:シュラプネル・レコーズの社長)と電話でリード・シンガーを探していると話していました。素晴らしいギタリストはいる。ポール・ギルバートだ。最高のドラマーもいる。パット・トーピーさ。あとはリード・シンガーなんだと言ったら、うーん、良さそうな奴はいるよと言う。どんな奴だ?と訊くとわりと良いよと言う。ちょっと待て。だからどんな奴だよと突っ込んだら「歌う奴だよ」と言う。もう頼むよと言うと、OKエリックに話してみるよと。そしてエリックは腰を持ち上げたんだ」

「エリックが歌う最初の2曲を聴いただけで、そして彼の作曲力、何よりもその存在感で…我々はついにMR.BIGになったと気付いたのです。彼の才能、彼の声、我々にもたらしてくれた彼のTo Be With You、多くのツアー、世界中を回って歌って才能を知らしめてくれた。この若い男について他に何を言えば良いのか。とにかくエリック!君は素晴らしい才能がありこのバンドに貢献してくれて感謝している。君の最高な声を世界に広めることが出来て本当に良かった。なぜなら世界は心底君の声を愛したからね!」

「そしてマネージャーのティム・ハイニー!全てを実現させてくれた人だ。他の誰かなら出来なかった。ありがとうティム。あなたがいなければ何も出来なかった。あなたがしてくれたこと全てに感謝します。素晴らしい人物だ。そしてクレイグ、クレイグ・ベッドフォード。彼も最高。それからクルー。俺たちのクルーは皆最高だ。彼らがいたから今までやってこれた。そして日本のスタッフのみんな。特にイシ、感謝します。それにサウンドボードのニシ。最高の友達だ。ニシ、ありがとう。君は最高だ。本当にありがとう」

ここでポールに代わり…「ここで拍手をもう一度よろしく!エレクトリック・ベース・ギターは…驚異的な…ビリー・シーハーン!」

再度ビリー。「では、そろそろこの夜を終わらせましょう。心の底から、ありがとうございます。長年我々と共に歩んでくれて。我々は心よりみんなを愛しています。皆友人です。必ずまた会いましょう。どこになるか、いつになるかはまだ分かりませんが…ARIGATO!」

このあと会場中の観客と共に記念撮影をしました。

こうしてついにMR.BIGは最後のステージから降りました。左端に後ろ姿が見えるのがマネージャーのティムです。

ここからは客席から見えないところですが、多くの関係者がステージから降りてくるバンドを熱い拍手で迎えました。そんな人々の間を縫って、それぞれのメンバーはドレッシングルームへと消えて行きました。お疲れ様です。本当にありがとうございました…。

さて、私はここまでです。これでMR.BIGは本当に終わってしまいました。が、翌日、驚くことにポールから電話があったのです!え?ウドーさんのツアマネ氏が私の電話番号を知っているからでしょう。実はポールが関係者にピックをあげていた時に私も欲しい!と言ったらその時はもう無くて、「じゃあ後でね」ということになっていたのです。でも忙しいし、仕方ないなと思っていたらそれを覚えていてくれたようです。「ツアマネ氏に渡しておくから後で必ず受け取ってくれ。本当によくやってくれた。感謝してるよ」‥と。ポール!こちらこそ、本当にありがとうございました!

 

そんなMR.BIGロスとなった週の一本は、『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』です。

パレスチナとイスラエルの紛争についてはニュースで知っているつもりでした。が、実際にパレスチナ人の村をイスラエル軍のブルドーザーが破壊する様を映像で見ると、あまりにも無慈悲で酷い!としか思えませんでした。喧嘩両成敗ではないですが、敵対する両国それぞれに理由があるはずなので、第三者の自分がとやかく言うべきではないと思います。が、これはあまりにも一方的で酷いと思いました。

移住を迫るなら、例えば過去アメリカでネイティヴ・アメリカンを居留地に追いやったように、仮にたとえそこが酷い地であっても代替地を用意して追いやるならまだ理解は及びます。が…この作品にあるように一方的に家を、学校を、井戸を破壊していくのは、そこに居住する人々にどうしろというのでしょうか。


それを世界に訴えるために、故郷を追われるパレスチナの青年と、イスラエル人ながら自国の方策に疑問を抱く青年が共にこのドキュメンタリー作品を撮り、ついにはアカデミーで長編ドキュメンタリー作品賞を獲りました。これは世界が、いえせめてのハリウッドが共感したということです。ユダヤ人が多いと言われるアメリカのエンタメ界。果たしてだからどうなるのか。あまりに重いテーマで、何も理解していない私が決して軽はずみなことは言えないのですが、これから事態が好転することを願って止みません。

せめて代替地の提供を…と前述しましたが、もしかしたらすでにそれはあって、でも人々が「ノー・アザー・ランド」と言って動かないから強制執行となったのかもしれません。だったらどうしたら良いのか。もう少し、もう少し、穏やかにお互いの落とし所を見つけることは出来ないのでしょうか。

MR.BIGロスで頭の中はまだいっぱいだったので、完全に異なる世界を見て驚愕するしか出来ませんでした。そして改めて日本人やアメリカ人であること、音楽を楽しめる環境にあることに感謝の念を抱きました。グローバルに見たら私たちはなんてラッキーなんでしょう。ロスで哀しむことすら幸運な状況だと感謝しなくては、と思ったのでした。

 

この週は、MR.BIGロスを引きずりつつも念願の米津玄師ライヴがありました。チケットが取れたのは幸運以外の何物でもない!と思っていたので実際に観れて、書きたいことがたくさんあるのでそれは次週にします。取り敢えず最近一番感動したのがこちら。紅茶にチョコレートを入れて飲むという発想が無かっただけに、驚きの美味しさでした❤️