Amy's This Week

2023.03

07
2023.03.07

2/27-3/5, 2023 佐伯祐三展と、『ボーンズ・アンド・オール』

まず月曜日はメガデスの武道館公演をWOWOWで楽しみましたよ!やっぱり知っている曲は半分も無かったかな〜orz 大好きだった『She-Wolf』は演らなかったしね。でもマーティーさんが登場し共演した3曲は私も満員御礼の武道館にいらした皆さんと一緒に盛り上がれました。堪りませんでしたね!

この週は久しぶりに東京駅のステーション・ギャラリーに行ってきました。佐伯祐三展です。中は撮影禁止だったので、画像は公式サイトからと自分で購入した絵葉書からです。

日本人画家はあまり詳しくない私でも知っている佐伯祐三。写真で見る限りなかなかのハンサム・ガイです。

そしてこの自画像。全然顔ははっきりと描かれていないのに、あまりにそっくりじゃないですか?ヒョロっとしていて、少し暗そうでw さすが自分自身の特徴をしっかり捉えていますね。『立てる自画像』(1924)

大阪出身の彼は、短い生涯で二回パリに長期滞在する途中、東京にも滞在していました。それが杉並区の下落合です。『下落合風景』(1926)当時の下落合の風景をたくさん描いていました。私は下落合には縁がないけれど、この電柱の雰囲気が昭和の東京っぽい気がしました。(1926年は大正15年/昭和元年)

なぜ東京(日本)に戻ってきたかというと、1回目のパリで体調を崩したので家族から帰ってくるようにとの要請があったからだそうです。結核だったんですね。それで下落合で療養しながら描いていたのでしょう。

が、結局またパリに渡ります。最終的にはパリで亡くなるので、この時は病気が治癒したからではなく「どうせ亡くなるならパリで」的な覚悟だったのかもしれません。作風を見ると、佐伯はどうしても石の壁を描きたかったのかな?と思ったりしました。それほど単なる壁を嬉々として描いている様子が目に浮かびました。

『コルドヌリ(靴屋)』(1925)

また、彼の作品には文字が多く登場します。フランス語(ローマ字)を描くのが好きだったのでしょうか。その文字が醸し出す雰囲気が好きだったのかもしれません。洋楽ファンとしてちょっと分かる気がするんですよね。私たちは日本人ですが、好きなアーティストのTシャツに日本語がプリントされているとちょっとダサく感じてしまうんですwww やっぱり洋楽ファンとしては英語にして欲しいんですよねw だからきっと、洋画を学びパリに憧れた佐伯祐三もフランス語の文字を入れると画面がカッコ良くなると思っていたのかもしれませんw

ちょっと珍しい画風の『人形』(1925)私はこの色合いが好きです。

雑然と貼られたポスターが並ぶ壁。一体どうやって描いたんでしょうか。物凄い集中力が感じられます。『ガス灯と広告』(1927)

『レストラン(オテル・デュ・マルシェ)』(1927) こちらも壁いっぱいに、さらには床にも文字がびっしり描かれています。読めたらもっと楽しかったのにな〜。ところでタイトルはレストランですが、かっこの中にオテル・デュ・マルシェとあるので、ここは安宿の1階(フランスや欧州では1階がレストラン、二階が安宿というのがよくあります)にあるレストランで、隣が市場という庶民的なところだと分かります。なのに文字のおかげで小洒落て見えるのは、私の目もフランス・コンプレックスなのかもしれませんw

『煉瓦焼』(1928) この頃はすでに佐伯本人がはっきりと死期を悟っていたと思って良いでしょう。ゴッホもそうなんですが、短い人生の晩年、最も体が弱っていた時期のはずが最も力強い作品を残しているところに、芸術家の意地というかプライドを感じてしまいます。切ない!

そして有名な「郵便配達夫』です。(1928)ゴッホの郵便配達夫を思わせるひげ面ですね。のちの未亡人のインタビューによると、この郵便配達夫がやって来たのは後にも先にもこの時だけだったそうです。そのため夫人は「あの人はきっと神様だったのかも」とおっしゃったそう。良い話というか…不思議な話ですよね。でも佐伯の人生最後に作品の題材としてこうした姿になって来てくれた…と考えた夫人の気持ち、とてもよく分かる気がしました。

上の「郵便配達夫』と並んで1928年3月に描いた遺作と言える『黄色いレストラン』(1928)です。この筆の勢いは、まるで死に急ぐ自らの肉体とタイム・トライアルしているようです。そして最後には愛した石の壁に文字を入れたかったのでしょうか。このドアを開けたら、向こうは天国なのかもしれません。この作品を仕上げた時、佐伯はきっと深く満足したでしょう。

これらの作品を残した3月末に喀血した佐伯は、そのままキャンバスの前に戻ることなく病に伏し、8月には亡くなってしまったのでした。ゴッホよりも短い、ちょうど30歳。なんと。この人が60歳まで、70歳まで生きた時にどんな作品を残したかを本当に見たかったです。が、むしろ短い人生だったからこそ、これらの作品を残せたとも思えます。人の人生はいずれも唯一無二であり、まして芸術家の人生はとても稀有なものです。長く生きたからこその北斎やルノアール、短かったからこそのゴッホや佐伯。確かに言えるのは、それぞれの人々がそれぞれの運命の中で精一杯生きたということでしょう。そんなことを感じ取れた佐伯祐三展でした。

東京駅丸の内北口改札を出たところです。4月2日まで。良かったです。

 

そんな週の一本は、『ボーンズ・アンド・オール』です。

ティモシー・シャラメならなんでも観ますww とはいえ人肉喰いですって。『インタビュー・オブ・ヴァンパイア』でトム・クルーズがそうであったように、美しい男性が口から血を滴らせる姿はなんともファンタジー…と思う私は倒錯しているのかなw

まあストーリーは意味が分からないし、少し理屈っぽいこじつけも感じました。そもそも食人族ってなんなん?タイトルは文字通り「骨まで食べる」ってことなんだけど、ポーク・リブじゃあるまいし、人間の骨ってかじって食べれるものなのかしら?

それに人間の肉を食べると言っても別にナマでかじることないんじゃないの?お刺身を好きな人だって、お魚にかぶりついたりしないですよね。私だってビーフステーキ大好きだけど、牧場にいる牛の足をかじったりはしないよwww 人間だってそれこそ佐川くんのように、肉の部分をカットしてちゃんと焼いて食べるならまだ分かるけど(分かるんかい?wwww)、皮が付いたままのナマにかぶり付いて骨までってあまりにあり得ないと思うんですよね。人間の顎力的にw

ま、そんな真剣に食べ方を考えちゃいけないのかなww あくまでもファンタジーなんですね。取り敢えずシャラメくんの相変わらずのファッション・センスが良かったです。めちゃくちゃダメージなデニムは膝が出るどころかほとんど脛まで出ていて、もうデニムはちぎれる寸前的なw そんな姿を見ているだけで良かったです。深く考えちゃダメな作品でした。

 

さて、MR.BIGの来日&VIPも発表され、Deep Purple VIPの最終受付も重なり、関係者の皆様大変そうです(他人事w)。MR. BIGは最後だというのにわずか3公演は寂しいけれど、東名阪!燃えましょう!!!他の都市の方々、出て来てね!!!