3/20-26, 2017 シャセリオー展と『たかが世界の終わり』

この週は大してイベントがあるわけでもないのに、なぜかバタバタしているうちに終わってしまった感。確かに3月が弊社の年度末であるため毎年春は忙しいのですが、それにしても外での仕事が無いのになんで?って、やっぱり年齢的に効率が落ちているんだな〜orz  20代、30代の頃って、もっとずっと中身濃い仕事ぶりだったもの自分…。とグチっていたら、「それが人間の自然」と友人に言われ、軽く安心した今日この頃です(^^;   そんなわけで、今週書くのはちょっと前に行った国立西洋美術館のシャセリオー展です。 シャセリオーという名、皆様ご存知でした? かなりの作品がルーブルにあるので、ルーブルに行ったことがあれば必ず観たことがあったはずなのです。私も一体何回シャセリオー作品の前を通っていたことか。でも皮肉なことに、所蔵作品の多い美術館ほど見学は散漫になるもの。そんな人のためにも(?)、こうしてシャセリオーという画家一人にスポットを当てて作品を見せてくれるのは大変有り難いことです。そういえば私はラ・トゥールという画家も、ルーブルで観たはずなのに認識しておらず、ここ国立西洋美術館の作品展でしっかりと覚えたのでした。まさに西洋の美術を日本に知らしめる役割を果たしている、素晴らしい国立西洋美術館です。   わずか11歳にして、あの新古典派アングルに弟子入りし、アングルにして「この子は美術界のナポレオンになる!」と言わしめたそう。そんなシャセリオーの早熟ぶりは、15歳の時に描いた自画像に見てとれます。Wow!!  ピカソが14歳で描いた『初聖体拝領』を観た時以来の衝撃です。 『自画像』 by シャセリオー   『初聖体拝領』by ピカソ   しかしそんな早熟少年はやがて師アングルに決別して、ロマン派に傾向していきます。神話、文学、詩などに着想を得た作品を次々と描く10代後半〜20歳の頃。絵画で物語を伝える手法が、楽しくて仕方なかったように見えます。のちにギュスターヴ・モローに多大なる影響を与えたということですが、この絵なんてまさに、ギュスターヴ・モロー好みだろうな〜❤️と思いますよね。 『アポロンとダフネ』by シャセリオー   興味深いのは、父が外交官だったためにそもそも生まれがカリブ海にある旧フランス植民地イスパニョーラ島(現ジャマイカ)だったことや、自身フランス人の父とクレオールの母との間の子であり、誕生後も父はあちこちの植民地に赴任していたという家庭環境が、彼のエキゾチックな海外への思いを膨らませたようです。   子供とは、父を通じて社会を見るものだと思います。父に憧れて同じような道を進もうとする場合、もしくは父とは真逆を行こうとする場合、多々あるでしょうが、私自身はやはり海外を飛び回っていた父に影響を受けました。同じ海外でもなぜ私がアジアや南米にはさほど興味を持たなかったかと言えば、父がその方面にはあまり行かなかったからと気づいたのは、ずいぶん大人になってからです。が、それほど子供は無意識に父親の影響を受けるのかもしれません。   画家たるもの、やはりイタリアに行くのは自然の成り行きでしょう。シャセリオーも20歳でイタリア旅行をしています。そして多くの前述した神話や戯曲、詩などに着想を得た作品を書き上げていきますが、25歳の時、父が職務上の失敗を苦にしたのか赴任先のプエルトリコで自殺をします。画家として天才だったとはいえ、やはりまだ20代半ばは人として未成熟な部分もあったはず。そんな身に、父の自殺とはどれほどショックだったことか。   そして翌年、シャセリオーはアルジェリアへ旅します。エキゾチックな異人種の国へ旅立ったことは、父への思慕を通じて自らの精神的なルーツ探しの旅であったのではないでしょうか。ここで彼のエキゾチックな画風が開花していったのです。   今回上野で見ることが出来る作品中、私が一番気に入ったのがコレ。 『コンスタンティーヌのユダヤの娘』by シャセリオー   強い光の中で、鮮やかな衣装と力強い眼差し。衣服を描く筆使いが素早く、この娘の様子を早く絵画に収めたいという強い欲求から、気が急いているかのような雰囲気が伝わります。なにもかも「これぞ、シャセリオー」だと思った作品です。   こうして若くして成功したシャセリオーは、多くの公共建築物の装飾を依頼されるようになるのですが、この画家の不幸なことは、生涯一の大作となった会計検査院の壁画が、その後のパリ・コミューンで破壊されてしまったこと。そして、37歳というまだまだこれからという時に早世してしまったことです。本当に可哀想…。   しかし、ギュスターヴ・モローやシャヴァンヌなどに強い影響を与え、この展覧会ではそんなシャセリオーから影響を受けた作品も展示されていたのが非常に興味深かったです。私はもともとドミニク・アングルもギュスターヴ・モローも好きだったので、シャセリオーを知り、流れが繋がった気がします。また、シャセリオーを知った今見れば、『グランドオダリスク』も「師匠!エキゾチックが足りません!」って気がしますww  『グランド・アダリスク』by ドミニク・アングル   僭越ながら、そこそこ西洋美術好きな私もよく知らなかったシャセリオー。2月から国立西洋美術館で始まっているシャセリオー展は、あまり「観たい!!」という人が多くないのか久しぶりに空いていますw  せっかくゆったり見ることが出来るので、時間にゆとりをもって行き、シャセリオー展のチケットで入場出来る常設展もついでに楽しむことをオススメします。たぶん10年以上ぶりだった常設展は、改めて同美術館の素晴らしい収蔵品に感動しました。ロセッティもあるのよ❤️ シャセリオー展 - 19世紀フランス・ロマン主義の異才。5月28日まで。 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2017chasseriau.html     そんな週の一本は、フランスつながりで『たかが世界の終わり』。 もうこのタイトルだけで、フランスっぽいw  どうやら原題そのまま直訳らしいです。無表情は誰よりも美しく、微笑むとその表情が歪んでしまう悲しい運命の美少年(もう少年じゃないけどw)俳優ギャスパー・ウリエルが、哀し過ぎて「もうどうでもいいや」的な役を上手く演じています。   そんな「どうでもいいや」的にさせてしまう、情けなくどうしようもない男を、出ました!ヴァンサン・カッセル!が中年になっても相変わらずの好演いえ怪演で魅せてくれます。これがアメリカ人だったら、取りつく島もないバカらしさを感じてしまうところ、フランス人だとどこか胸に詰まる切なさやアンニョイさがあるように見えるのは、これも一種の人種的偏見かしら?w     『マリアンヌ』の底深い恐ろしさとは打って変わって、マリオン・コティヤール演じる底の浅いオロオロ女も、フランス人だとバカというよりは単に気の弱い繊細な女になる。イミフなまでに明るい母も、要は自分中心なんだけど…。全く良い意味でステレオタイプ的にフランス映画として観ると、なかなか楽しめる作品でした。   とはいえ、主人公は30そこそこでガンで余命いくばくもない状況。これは想像を絶する絶対的絶望感と、「絶」x3の状況です。でも自分はどうであれ、世界は回っていくし、人々の生活は何も変わらない。そう思えばまさに、「たかが」世界の終わりなのです。完全に死期を知った者が至る境地なのかもしれないし、もう100%逃れられない運命であるのなら、私もこう考えられたら楽だろうと思いました。   アメリカ映画と比較してはダメです。「フランスらしさを楽しもう」いえ、楽しめないかもしれないのでw、「フランスらしさを味わおう」と思って見たら、たっぷりと納得出来るでしょう。私は嫌いじゃない作品でした。   ということで迎えた週末は、おめでとうございます!スティ−ヴン・タイラー様のお誕生日❤️ 日本人にしか通じないけど、ついにロックの歳となりましたね〜!ww  来年は古稀か。そう思うと恐ろしいパワーですw  先週Y&Tのところに書きましたが、Y&Tのメンバー3人はそれぞれ57歳、61歳、63歳で亡くなりました。今週はボストンの初代ドラマー、シブ・ハシアンが67歳で亡くなり、昨年逝ったプリンスやジョージ・マイケルは50代でした。   ちょうど今週ジョー・ペリーがインタビューで言っていましたが、とにかくエアロスミスはラッキーの一言ですね。受験などでは「運も実力のうち」なんて言われますが、こと命に関わることについては、決してそんなことを言ってはいけません。でも、ラッキーを得た者の運命(さだめ)として、運の無かった人たちの分も頑張らないとね。スティーヴンも、ファンも。あなたも、私も。   この週、ナッシュヴィルで行われたスティーヴン・ソロのプライベート・ショウの様子です。めちゃくちゃ元気だったようで、ちゃっかり日本へのリハも兼ねていたかもしれないですねww  私はもともと、スティーヴンのカントリー志向は老後を見据えてのことでは?と言っていましたが、気付ば来年70ってもうすっかりいわゆる老後に突入していますw  ひんしゅく覚悟で言えば、スティーヴンはカントリーで、ジョーはブルースで、どちらもソロなら80になって椅子に座ってでもステージを続けられると思うので、とにかく行けるところまで行って欲しいと思いますww  ということで、今週はここまで。Again, happy birthday Steven!!  エアロヘッズの皆様、今夜は乾杯しましょうね〜❤️  

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