Amy's This Week

2021.05

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2021.05.03

4/26-5/2, 2021 絵画のドレス/ドレスの絵画展と、『クリシャ』

世間はゴールデン・ウィークに突入しました。でも私はカレンダーに関係の無い日々だし、混んでいる所には行きたくないのであまり変わりのない毎日です。なので、緊急事態宣言に入る直前に行った東京富士美術館のことを書きますね。

八王子からバスという少し辺鄙な場所にある東京富士美術館は、それでもたっぷり行く価値のあるとても良い美術館です。また、ここはお誕生日当日は入場無料にしてくれます。素敵なお誕生日プレゼント!そこで、4月後半にお誕生日を迎えた友人と、久しぶりに行って来ました。友人は初めて。気に入ってくれるといいな。

ちょうど開催されていた『絵画のドレス/ドレスの絵画』展。ファッションを見るのはどの時代のものでも楽しいです。気持ちよく「お誕生日おめでとうございます!」と迎えられて、さ、私はチケット買わなくちゃと思って券売機に向かうと、「お誕生日当日無料は2021年末で終了」との表示が。え〜、今年で最後なのね。残念。

実際のドレス展示の合間に、豪華なドレスを着用した肖像画が並んでいました。ここでは一切の写真撮影禁止でしたが、同美術展のサイトでは自由に画像をダウンロードさせてくれるので、そちらから綺麗な画像を。気に入った作品を挙げますね。

エリアス・ニコラス・ピケノイの『婦人像』。どこのご婦人かは不明ですが、高価そうな衣装から高貴な人だというのが分かります。17世紀の作品、よくエリザベス一世の絵や映画で見る襟が見事です。刺繍も素敵。ドレスを見せる美術展にぴったりな肖像画ですね。

こちらはイアサント・リゴーの『婦人像』。 こちらもただの『婦人像』で、誰かは不明ですが、この豪奢なドレスでかなりの貴婦人であることが分かります。よく見るとドレスには宝石も縫い付けられているんですね。失礼ながら、前作に続きこちらもご婦人自身は若くも美人でもありませんが、だからこそ逆にドレスの豪華さが際立ち、そのドレスによってご婦人の気品さが引き出されています。お見事。

こちらはジャン・マルク・ナティエの『ファルテ・アンボー侯爵夫人』です。時代は18世紀。ロココです。 モデルはこの当時25歳だそうで、若さと美貌が揃えば、多くの宝石も刺繍もいらない…という感じですw またドレスの大きなたっぷりした布の動きや軽妙な色彩が、う〜ん、まさにロココですねぇ。フランス革命までの、時代を謳歌した貴族の優美さが表れています。

となれば、やはりこの人。エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの『フランス王妃マリー・アントワネットの肖像』の模写です。模写というのは、ヴィジェ・ルブランの描いた作品を、夫の姪が模写したそうです。つまり、姪が叔母さんの作品を真似してみた…ってことですねw 数あるマリー・アントワネットの肖像の中で、このドレスは地味な方ではないでしょうかw それでも溢れんばかりの気品。さすがですね。さすがというのは、生まれ持っての王族であるマリー・アントワネットの気品であり、それを見事に描き出し、女性であるということで稀有な存在だった画家エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの才能です。模写した姪にとって、さぞや自慢で憧れの叔母さんだったでしょうね。

さて、見事なドレスの絵画作品の合間には実際のドレスの展示があり、そこにはそのドレスを引き立てるように当時の家具や小物が展示されていました。それらも全て、この美術館の収蔵品だったんですね!びっくり。とても素敵な品がたくさんあって、まるで今は美術館になっているヨーロッパの宮殿に足を運んだようでした。これらの小物だけでも美術展を開いて欲しいくらい!

これは『青銅製怪獣人物文様掛時計』。まあ、そのまんまな作品名ですww レジャンス様式ということで、マリー・アントワネットの時代のフランスの物でしょうか。が、一番上を飾る人の頭とその周りの光輪のような装飾は、ドイツのポツダムにあるサンスーシ宮殿を思い出しました。あちこちに、この飾りがあったからです。サンスーシ宮殿もロココなので、ロココの典型的な装飾なのかもしれないですね。

こちらはルイ16世様式の『木製蝶人物文様装飾箪笥』。ベルサイユ宮殿に飾られていたのかも?しれないですよね!なんか感動してしまいます。ところで、この箪笥、漆塗りだそうです。ん?当時のフランスで漆塗りの技術があったんですか?それとも、日本からの輸入?こんなロココなデザインを当時の日本が作ったのでしょうか?時は元禄?だとすると一番文化の花開いた時代ですね…。あ〜気になる!ドレスが主人公の美術展なので、あくまでも小物扱いなのかもしれませんが、もう少し詳しく教えて欲しいです!

これはニーダーヴィラー製の『羊頭薔薇装飾壺形置時計』です。 えっ?時計?どこが?と思ってよく見ると、上部の帯のように見えるところにローマ数字が見えます。あ、ローマ数字は下で、上にはアラビア数字で50とか?もしや、これらが回転して、下のローマ数字が短針、上のアラビア数字が長針として時間を表すのでしょうか?それって凄くないですか?!これもルイ16世の時代とのことで、当時のニーダーヴィラー製の壺というだけでも凄いのに、時計になっているなんて。東京富士美術館、スゴ過ぎます!

これはクロード・ガレとリュシアン・フランソワ・フシェールの『ウーディノ元帥所有の置き時計:ホラティウス兄弟の誓い』です。

これはルーブル美術館にあるダヴィッドの『ホラティウス兄弟の誓い』にインスパイアされた作品だそうです。おお〜そうなんだ。元の絵画はこちら。ルーブルにあるダヴィッド作品は大作だらけで、これも約3メートルx4メートル以上です。

フランス革命の5年前、ルイ16世に依頼されたこの作品でダヴィッドは名声を得ます。フランスの愛国心を盛り立てるために、古代ローマにおける愛国心を表す作品を描いたんですね。ルイ16世によって名声を得たのに、その後革命派になり、やがて失脚し、その後ナポレオンに気に入られ…と時代に翻弄されたダヴィッド。この作品を気に入っていたナポレオンが、それを模した時計を注文したんですね。

この置き時計は世界に4個あるそうで、1個がここ東京富士美術館。あとはスウェーデンと英国の王室、ミュンヘンのレジデンツ博物館。重ね重ね、この美術館スゴっ!!大理石の台の下の足がまた、可愛いです❤️

そして、これだけ特別なシャッターが閉まるような小部屋にあった『皇后ジョセフィーヌのティアラ』です。 えっ?本物?なぜここに?!…って、もちろん購入したからでしょうが…ww ダイヤモンド1040個、合計260カラットですって。美しいというよりもはや恐ろしいw

とまあ、本当に素晴らしい品々を拝見させて頂いた美術展でした。さらに、常設展も楽しみましたよ。ホント、この美術館は良い作品がたくさんあります。常設展といっても頻繁に入れ替えられているので、毎回初めて観る作品があり、また一度も観れていない作品もあるため、時々行かないと、と思いますw この時はこの二日後に緊急事態宣言で休館となったようなので、タイミング良く行けて良かったです。

この日は美術館の後、八王子駅でランチにしました。初めて頂いた焼きそば。表面を割ると、中から具が出てくる仕様で初体験!美味しかったです。

 

そんな週の一本は、『クリシャ』です。 こっ、こわい!!!いや〜もう緊急事態宣言で軒並みシアターが休館してしまい、探してみたら単館系だけ営業していたので、急遽初めてのミニシアターへ行ってみましたww

経緯は説明がないから分からないままに、主人公のクリシャはアル中のヤク中。それでもたぶん本人は更生したつもりで?サンクスギビングの一族の集まりに参加します。しなきゃ良いのにねw これをきっかけに社会復帰というか、親族とのお付き合いを復活させたかったのでしょうか。

のわりには、ドラッグ持ってるし(爆)結局お酒も飲んじゃうし。依存症の人って切ないですね。ってことを親族も皆分かっているのに、家族だから付き合わなきゃいけないと思っている妹さん、偉いというか、凄いというか、哀しいというか…。

ポスターはホラーっぽいけれど、中身は現実的過ぎ。『事実は小説より奇なり』ならぬ、『家族ドラマはホラーよりホラー』ってところですww ま、こうした作品が単館系の醍醐味かもしれませんw しかし、緊急事態宣言が明けてくれないと、単館系が続くのはツラいな(^^;

 

さて、この週には一人でサクッと秩父の宝登山へ行きました。長瀞アルプスの山道は空いていて、気持ち良かったです。嬉しい遭遇は可愛いベイビーベア!これを言ったら友人知人ほとんどの人が「近くに親がいるかも!危ない!」と心配してくれましたが、私は子熊ちゃんに逢えた嬉しさのみw 望遠MAXで撮れた写真は良い思い出です❤️