Amy's This Week
2025.05
4/28-5/4, 2025 『エミリア・ペレス』、『プロフェッショナル』& 『異端者の家』
ついに今年もGWを迎え、このGWという二文字を書くと今でも1994年を思い出します。当時エアロスミス・ファンクラブの会報を発送する作業をしていて、封入し封貼りまで終えあとは郵送だけ!のところで来日のニュースが入りました。インターネットなど無い時代。でも絶対にこのニュースは伝えたい!と思い、結局その会報の入った封筒の裏に『来日はGW!』と1通ずつ手書きしたのでしたw いやー必死だったんですよw
以来ファンクラブからVIPへと仕事は変わり、ニュースもネットで見れるし配信も出来、個別連絡ならメールなどが利用出来る今はなんて便利かつスピーディーになったことか。それでも私のGWは相変わらず特にどこにも行かないのは変わりません。ここでしかお休みを取れない人々が交通その他全て優先ですよね。
それでもせっかく決算が落ち着いたので…1日で映画3本ハシゴするというGW満喫プランを実行しましたw 今年のアカデミー賞が発表された時から私が最も観たかったのが『ウィキッド』『サブスタンス』(5月後半日本公開)そしてこの『エミリア・ペレス』です。ついに2本目観れたわ❤️
世間の評価は賛否両論で、4月に来日したロサンゼルスの友人も「『エミリア・ペレス』私は好きじゃない」と言っていたので、とても気になっていました。でも私は面白かったな。以下、ネタバレあります⚠️
観ていてすぐに思ったのは『ゴッドファーザー』のトム・ヘイゲンw 彼は確か養子にもなったので少し事情は異なりますが、元々は依頼者が悪人と分かっていてもお金のために仕事を引き受けたリタが、段々主人公が心から女性になりたいという気持ちを抱いていることに同情したのか、一生懸命彼(=彼女)のために尽くすようになり、しまいには共同経営者のようなパートナーになっていく。その心理の変化がよく伝わり面白かったです。結果的にリタ役のゾーイ・サルダナはアカデミー賞助演女優賞を獲ったしね。
でもとにかく、そもそもメキシコの麻薬王というめちゃくちゃマッチョな人が全てを投げ出しても女になりたかった…という設定が大胆で面白かったです。だってこんな怖い風貌だったのに…
幾度かの手術、多くの痛みに耐えてついに女性になってみたら、ホント面影は残しながらもかなり美女になりました。素直に驚愕。
でも人間の欲望にキリはありませんね。得れば得るほどより欲しくなるもの。まして元々莫大な財産を築いていた麻薬王なのですから、今もお金はあるのでどうしても周囲を自分の思い通りにしたくなる…。そこでやめておけば良いのに!と観ているこちらは思うんですけどね。当事者になれば私も同じになるのかな。
それより私はセレーナ・ゴメスをただの可愛いアイドル歌手的に思っていたので(以前ティモシー・シャラメとの『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(2020)にも出演していましたが、その時はわりとセレーナそのものっぽい役でした)、これほど演技派とはびっくり。成長したんですね。この作品はミュージカルなので本職である彼女の歌はとても良かったし、とにかくセレーナ良かったです。
エミリア・ペレス役で実際のトランスジェンダー俳優カルラ・ソフィア・ガスコンは、過去のXポストが人種差別的として炎上したために、その影響でアカデミー賞に13部門でノミネートされながら結果的に2部門(助演女優賞、歌曲賞)のみで終わってしまったことは残念だったとしか言えません。今や本当にネットの影響力恐るべし。が、そのおかげで多くの賞を獲った『アノーラ』も私は良かったので結果オーライです。それでも、『エミリア・ペレス』はそのプロットから人々の心理の変化が面白く、それらがミュージカルであること、それもスペイン語で…と、いろいろ興味深く私はとても楽しみました。
2本目は安定のリーアム・ニーソンのアクション物『プロフェッショナル』です。
私が一番最初にリーアムを認識したのは『シンドラーのリスト』(1993)でしたが、たぶんリーアムが一番認知されたヒット作といえば『96時間』(2008)ですよね。私はその前でも『K-19』(2002)や『キングダム・オブ・ヘブン』(2005)なども大好きですが。
『96時間』は大人気だったようで『2』(2012)、『3』(2014)と公開されました。シリーズ物はつまらない、というジンクスに反して『2』はかなり面白かったし『3』もそこそこw とにかくもうすっかりリーアムはアクション・スターの仲間入りとなり、昨今は現役を退いた元軍人かCIAか…の男がひょんなことで事件に巻き込まれめっちゃアクション大活躍の末敵を始末する…という王道のストーリーを、立場や相手を取っ替え引っ替え…www 分かっていても毎回観ちゃいますw
そして今回は…殺し屋でしたw もうサイコー!でも何よりもこの『プロフェッショナル』の見どころはオール・アイルランドだということです。リーアム自身アイリッシュだし、敵も、味方も全員アイリッシュ。もちろん舞台もアイルランドで、その名もズバリなケネス・ブラナー監督自らの幼少時を描いた『ベルファスト』(2021)を観ていれば、この時代都会ベルファストではあんな感じ。田舎のグレンコルムキルではこんな感じ…と楽しめます。
拳銃ではなくライフルを持つところが渋い!これは一発で仕留めるという自信の証。単なる田舎の景色がここではまさに荒野と呼ぶに相応しいです。以下、ネタバレ注意です⚠️
引退後はゆっくり庭仕事をして、夜は近所のバーで仲間と飲む…という極上の夢を、2022年作品『メモリー』ではラスト亡くなってしまった元殺し屋が、ついに今回は叶えることが出来そうで感動しました。主人公は殺し屋なので勧善懲悪と言って良いのか?って感じですが、やはりリーアム・ニーソンは善い人が似合うんですよね。
私的に嬉しかったのはキャストでした。まず仲良しの警官役がキアラン・ハインズ。ドラマも大好きな私が過去イチ好きな『ローマ』(日本放送2007)でユリウス・カエサルを演じていた人です。
左がカエサル、右が主人公のヴォレヌス。もちろんDVD BOXを購入しています。もう何度観たことかw
そしてさらに嬉しかったのが、『プロフェッショナル』の悪役(と言っても主人公も殺し屋なんですがw)IRAの女性闘士役が『ローマ』で気が弱く母や弟(古代ローマ初代皇帝アウグストゥス)に翻弄されるオクタヴィアを演じたケリー・コンドンでした。
あんな可憐なオクタヴィアがめっちゃ怖いねーさんになっていました。やはり俳優さんって凄い。
原題は『In the Land of Saints and Sinners(聖者と罪人の土地で)』で、まさにその通り!なんで『プロフェッショナル』とか凡庸なタイトルにしちゃうのかな〜。聖者も罪人も、1人の人間の中にどちらも存在するのです。最近ワンパターン気味だったリーアム作品の中で突出した良さとなったのは、アイルランドの土地でアイルランドの役者たち(しかも良い役者!)を揃えた結果なのでしょうか。ラストでは泣けたし、実在するアイルランドのク◯田舎グレンコルムキルに、行ってみたくなりました〜❤️
3本目は出ましたA24!『異端者の家』です。
ヒュー・グラントといえば、顔をしわくちゃにしてにやーっと笑うラブコメしか思い浮かばなかったので、こんなにシリアスで怖い人も演じられるんだと酷く感心してしまいましたww ヒュー・グラントってラブコメの帝王と呼ばれていましたよね。いや役者をナメちゃいけませんね。失礼しましたw
これぞA24の真骨頂ではないでしょうか。怖いと言ってもただ怖いのではなく不気味なんです。英語ならScaryというよりめちゃCreepy!ヒューがキモいww こういう何を考えているか分からない人、ニヤニヤしながら追いかけてくるような人が一番怖いです。ある意味宗教オタクで、でも女性への異常愛もあり、とにかくヤバイ人でした。ブラボー!ww
2人のシスターが布教しているのは実在のモルモン教。その総本山があるソルト・レイク・シティに昨年&一昨年と続けて行ったので若干親近感がありましたw モルモン教徒が作ったと言われる都市で、アルコールドリンク禁止な宗教なのにブリュワリーが多く、お店の人に聞けば「みんな飲むよ」とのことでしたww
以下ネタバレです⚠️
私としては宗教ウンチクは置いといて(ヒュー・グラントはさすが長いセリフ覚えましたねw)、終盤まさかの脱出ゲーム的になったところに興奮してしまいました!その模型があったことから、込み入った造りの家は主人公が自ら造ったのね、と分かりますます彼の異常性が面白くなりましたw
そして、猛烈にブルーベリーパイが食べたくなり、アンナミラーズのオンラインショップを覗いてしまいましたよw (ブルーベリーパイは無かった涙)
香りだけで我慢でしょうかw アメリカには物凄い種類のキャンドルが売られていますよね。はっきり言ってブルーベリーパイとか、アップルパイとかのキャンドルは香りが甘すぎて長く嗅ぐと気持ち悪くなりますww
まあ映画ファンならA24というだけで観るに値するし、ヒュー・グラントのファンならラブコメではないキモいヒュー・グラントを観て彼の演技の幅広さに感嘆するのも良いと思います。ところで…A24ファンは私だけではないようで、A24作品のグッズ通販がありました。え?ブルーベリーパイTシャツが8,800円?!しかも完売!!いやー大人気なんですね。残念。私も欲しかったなww
というわけで、観たい作品が溜まっていたし、GWで気持ち弾けて一気に3本観てスッキリしました!次週からまた週イチにペースを戻しますw
スタバのICHIGOフラペチーノが飲みたいのにスタバが無い!!という時に見つけたICHIGOフラペチーノっぽい看板。どこかと思ったらサンマルクカフェでした。あまおうスムージー with アポロめちゃ美味しかった❤️ 期間限定なので早めにまた飲みたいです!
(後ろに写っていた人たちを消してみたら画像が歪みましたww)
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