Amy's This Week
2023.07
7/10-16, 2023 美術館の悪ものたち展と、『プー あくまのくまさん』
先週「トーハクの後では疲れ果ててどこにも寄れない』と書きました。そうなんですよ。ホントはこれに寄りたかったのに。なのでこの週、午前の病院予約が早めに終わり、午後の病院予約までの時間にゆとりが出来たので、サクッと上野に行ってきました。
国立西洋美術館の良いところは駅から近いところですね。この『美術館の悪ものたち』展はわりと地味な感じで入場料も500円。これならきっとサクッと観れるボリュームではないかと思ったので頑張りました。
だいたいこのポスターに惹かれない洋楽ファンっています?ww ドクロとかヴィランズとかってロックなんですよねw 日頃版画はあまり観ないのですが、かなり楽しみにしていました。
お〜いきなりのウィリアム・ブレイクです。『《ヨブ記への挿絵》より、サタンによるヨブの息子たちと娘たちの破滅』です。
いや〜ヨブってどうですか?旧約聖書だからユダヤ教?ユダヤ教の人なら、神への忠誠のために我が子たちを殺す気持ちが理解出来るのかな?ん、宗教を深掘りするのはやめなきゃね。とにかく、私がお〜!と思ったのはウィリアム・ブレイクです。
あの『羊たちの沈黙』(1991)シリーズ・ゼロとも言える『レッド・ドラゴン』(2002)にウィリアム・ブレイクの版画が登場するんですよね。お恥ずかしいことに、私はこの映画でウィリアム・ブレイクを知りました。もう一体どんな版画なのか見たくて見たくて堪りませんでしたよ!映画で登場する版画は『レッド・ドラゴン』でしたが、この『《ヨブ記…』以下省略でも分かるように、ウィリアム・ブレイクの作品は人を惹きつける恐ろしさというか不気味さがあって、映画『レッド・ドラゴン』で殺人鬼をインスパイアしてしまうツールになったのも頷けました。
またこの悪魔の顔ったら!わりと普通のその辺にいそうな人の顔っぽいところが、むしろ恐ろしいです。
『《黙示録》より、竜と戦う聖ミカエル』もまたキャ〜!と内心喜びました。だって作者はあのナルシシスト、アルブレヒト・デューラーだったからw 確かに下の方にサインがありますね。これを探すのが楽しみなんですw この作品中の悪ものとは、悪魔の化身の竜なのでしょうが…なんか小さくて、弱っちいww
こちらデューラーの自画像です。素晴らしい油彩。いや〜鑑賞しているこちらが恥ずかしくなってしまうような目線ですねww 私はあゆ(浜崎あゆみね)も芸術が好きで、デューラーのサインにインスパイアされて自分のサインを決めたのでは?と勝手に思っていますw
こちらポスターにもなっていました。『《死の舞踏》より(2)死の仮面』です。by アルフレート・クビーン。『死の舞踏』とは多くの版画、絵画があり、主に欧州のペストによるパンデミックを題材にしているんですよね。当時はパンデミックに対して成す術もなく、感染したら最後死ぬわけで、死はすぐそこにいる、という教えというか寓話的な作品が多かったのだと思います。そんな死の象徴がドクロです。ただここではヴィランズとしてのドクロであれば、ペスト菌を象徴していることになるのかな。ちょっと小洒落た雰囲気が憎たらしい。いえこの表情からして、かなり憎らしいですw
『虚栄と死』by モノグラミストM。って誰?w 作品はとても分かりやすいです。ヌードでポーズをとるのが『虚栄』。そしてそれをあざ笑うかのように『時』を象徴する砂時計を手にしたドクロ(死)が忍び寄る図。ちょっと笑えたのは、ドクロの側頭部に少し髪が残っているところw あと解説を読んで知ったのは、車輪と羽も「変わりやすい運命」の象徴だそうです。つまり「儚さ」のシンボルかな。え?じゃあNHLのデトロイト・レッドウィングスのロゴってまさに車輪と羽だけど「儚いチーム」ってことで良いのかな?ww
なんか凄いのがありました。ピーテル・ブリューゲル(父)の作品です。『《七つの美徳》より、剛毅』中央の円柱を手にした人が『剛毅』の擬人化で、周囲はその配下の者たちが七つの大罪を懲らしめている図だそうです。面白いのは七つの滞在の象徴が、傲慢→クジャク、憤怒→熊、大食→豚、怠惰→ロバ、嫉妬→七面鳥、貪欲→ヒキガエル、淫欲→雄鶏。なぜそうなのか、この時代(16世紀)の人たちの感覚で考えてみるのはとても面白そうです。また、思い切りヒエロニムス・ボッスの影響を受けてる様子が見て取れて、ボッスファンとしては嬉しい限りですw また、こうした作品はせっかくの実物を見ても細かくてよく分からないのですが、今はスマホで撮れば思い切り拡大して見ることが出来るのですから本当にありがたいです!
最後になりますが、この横長な作品。『スザンナ伝』という作品です。ここで説明を書くのは難し過ぎるので、解説も載せますね。
つまり、1枚の作品で左から順にお話になっていて、同じ登場人物が何回が登場してお話が進みます。水浴びを覗き見していたようなスケベな年寄り二人がスザンナに言い寄ったところ、当然相手にされません。それを逆恨みしてスザンナは不倫をしていると噂を立てるスケベジジイ二人。が、不倫はしていないという証拠を突きつけられて最後は処刑されるという、一種の痛快物語ですw てか、いつの時代も同じようなことがあるんですねw 覗き見、嘘つき、セクハラの三拍子ですが、さすがに現代は死刑にはなりませんねww
以上、面白いと思った作品をいくつか挙げてみました。このくらいのボリュームがちょうど良いかもしれませんw この夏いっぱいやっていますし、国立西洋美術館の常設展(500円)で観ることが出来るので、暑い中美術館で涼むのもオススメですよ。
そんな週の1本は、書こうとするだけで笑っちゃうww 『プー あくまのくまさん』です。
う〜ん、羽生結弦選手始め、ディズニーのプーさんを好きな人には辛いのかな。でも原作『クマのプーさん』の著作権が今年の1月に期限切れとなりパブリックドメインになったため、誰でもプーさんの名前は使いたい放題だそうです。
そんなわけでさすがのディズニーもクレーム出来なさそうですが、あちこちの小学校のPTAから「この夏子供に観せてはいけない映画リスト」に載せられそうですwww
もちろん、くだらないですよww 意味なんて無いです。『13日』のジェイソンや『エルム街』のフレディーなどと同じ、ナンセンスの極み的な連続殺人をただ観るだけですw でも『キラーカブトガニ』とは異なり、一応人(?)なので殺し方にバリエーションがあり、「次はどんな方法?」とワクワクしながら(?)観ることが出来ますwww
まあ夏はスリラー/ホラーの季節ですからね。高校生のカップルが一緒にシアターに行って、ポップコーンをこぼしながら「キャア!」という女子が男子の胸に顔を埋める…なんて、青春にはうってつけかもしれません!ww
さてこの週は渋谷タワレコで開催されたウィリアム・ヘイムス氏の作品展にお邪魔しました。前回のMR.BIG来日ツアーでは一緒に全国を回った楽しい思い出があります。
様々なアーティストを撮影しているウィリアムさん。写真のテイストを変えたがるアーティストが多い中最初から最後までずっと変わらず撮らせてくれたのがMR.BIGだったそうです。よほどMR.BIGに愛されたんですね。
なかなか興味深い展示ばかりで引き込まれました。またさすがタワレコ。その場で映し出される映像のサウンドがとても良かったのが嬉しかったです。
MR.BIG以外にも多くのアーティストとお仕事されたウィリアムさん。中央の写真を指して「これ誰だか分かる?」と訊かれたのはもちろんロッド・スチュワートですよねw むしろそのお隣に写る人が分かりませんでした〜(若き頃のウィリアムさん)と言ったらウケましたww
ちょうどかつての元上司もいらしていて、ウィリアムさんの写真展の場をお借りして懐かしい話に花が咲きました。最後には3人で記念写真をパチリ。気に入ったのでAIにアニメ加工してもらったのがコチラですwww AI優しいwww
タワレコの後はもちろんTGI Friday’s。友人と楽しく久しぶりのFriday’sを堪能してきましたよ。さあ!次週はMR.BIG来日です!
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