Amy's This Week

2021.08

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2021.08.17

8/9-15, 2021 三菱の至宝展と、『すべてが変わった日』

先週も最後に書きましたが、オリンピックが終わってみればコロナ第5波の真っ盛り!東京の新規感染者数はついに5,000人超えとなりました。そんな状況だったので、この週の私は予約のあった歯医者さんとその帰りに映画を観たくらい。そこで、先月行った三菱一号館美術館の『三菱の至宝展』について書きますね。

三菱創業150年記念だそうです。現在のNHK大河『青天を衝け』の後半あたりで、三菱創業者の岩崎弥太郎も登場してくるのでしょうか?岩崎弥太郎は、渋沢栄一とかなり対立したようですね。渋沢栄一は、個人が独占するような商売を好まなかったからです。が、良い悪いは置いといて、古今東西の歴史から見ても芸術・美術は往々にして、美術を愛する独裁者の庇護の元で花開くことが多いです。

この展覧会では、岩崎家が四代に渡って収集した美術品を鑑賞することが出来ます。国宝12点を含み、まさに『至宝』の数々。これは確かに、岩崎家が富を独占していたからこそ集めることが出来たと言えるでしょうし、今となれば『メセナ』の先駆けだったと言えるでしょう。

とにかく目玉は、日本美術に詳しい人々の間では有名らしい国宝『曜変天目茶碗』です。私は初めて観て、その美しさに目を見張りました。この小柄な器一つの為に一部屋。薄暗い部屋の中央でライトアップされた『曜変天目』の輝きはそれはもう感動的で、光の当たり具合により茶碗の内側の斑紋周辺に輝く鮮やかな玉虫色は確かに、茶碗の中の宇宙そのものでした。 大量に焼かれた窯の中で、偶然に出来上がる大小の斑紋とその周辺の輝く光彩…。世界でわずか3個しか存在しないという『曜変天目茶碗』は、茶碗の最高峰と言われるそうです。これぞまさにお宝ですね。日時指定で人数制限に厳しいせいかゆっくりじっくり鑑賞することが出来、私はもうなんだかこれだけで満足してしまいましたww

とはいえ、せっかくなので他にも「おお〜!」と思った物を挙げてみますね。これは『付藻茄子』(つくもなす)茶入れです。義満、信長、秀吉、家康らが所持したそう。そう聞いて、『麒麟がくる』で焼物好きと知った松永久秀は?と思ったら、その松永久秀から信長の手に渡ったそう。おお〜!ドラマでの松永久秀と信長のやり取りが蘇りました。確かにこの色合い。少し煮過ぎた茄子そのものですねw

これは『色絵法螺貝香炉』。法螺貝の形をした焼物の香炉です。なんて綺麗なんでしょう!よく見れば極彩色なのに品があり、法螺貝型とはいえまるでドレスの裾のような造形が美しいです。

これは『白地黒掻落し牡丹文枕』。文字通り白地の上に鉄絵具で黒く塗り、模様は黒色を彫ったもので、白地部分は黒絵具を掻き落とすという凝った造り。またそれほど凝って造られた陶器が枕だとは。造り方も、使い方も、驚きでした。寝心地は非常に悪そうですけどね〜ww

これは『色絵吉野山図茶壺』。吉野山の夜桜を壺に映し出したんですね。これも美しくて、じいっと見入ってしまいました。

さて、こちらは鎌倉時代の慶派『木造十二神将立像』です。私の大好きな十二神将。まさか、こんなモノまでここで観ることが出来るとは。こうした作品はトーハクで観る物だとばかり思っていましたw 何でも買っているなぁ、三菱ww 価格はさておき、まだ壺や茶道具、刀剣などを買うのは理解出来るのですが、慶派の十二神将まで買おうと思い、実際買ってしまうというのは、やはり庶民の感覚では理解の出来ない飛び抜けたお金持ちの岩崎家。そうした意味で凄いな〜と感嘆してしまいましたw

同じ意味で感嘆したのはこちら。マルコ・ポーロの『東方見聞録』です。はぁ?あの教科書に出てるヤツ?え?これ本物ですか?いやもう、『至宝』というからにはお宝なのは分かりますが、ケタが違うとはこういうことなのですね。さすが過ぎます。

…とまあ、一見地味ながら、実は本当にめちゃくちゃお宝だらけの三菱の至宝展。館内では1点を除いて撮影禁止なので、以上は購入した絵葉書やネットで見つけた画像です。で、その唯一撮影OKだった作品がこちら。ちょっと怖いw 巨大おたふくさんです。

ふむふむ。説明を読めば、現代のマックにある「スマイル 0円」的な感じでしょうかw でもこんな大きなおかめさんが壁にある銀行って…ww

私はとにかく今回初めて観た『曜変天目茶碗』に圧倒され、そうした品がこの世に存在すること、そしてその輝きを自分の目で観ることが出来たことで、十分『三菱の至宝』展に行った価値があったと思いました。もちろんそれ以外で何度も「おお〜っ!」と驚愕し、感動もしましたが。そして全てを鑑賞した後に、そこが国立博物館ではなかったことに改めて感動。いつもは入館料が高いと思う三菱一号館美術館も、トーハクが2000円以上となった今、むしろ安く感じましたww 9月12日までです。ぜひ、この機会にお茶碗の中の宇宙を覗いてみて下さい。
https://mimt.jp/kokuhou12/

 

そんな週の一本は、『すべてが変わった日』です。 お久しぶりのケヴィン・コスナーです。というのも、私が最後に観たケヴィンは『13デイズ』。2000年の作品なので、すでに21年前です!なので今回はさすがにシワが増えたように見えましたが、やはり『女を守る良い男』はいくつになっても変わりませんね。

対する妻役のダイアン・レインは、ハリウッドでは珍しく若い頃からず〜っとコンスタントに映画出演しているので、上手に歳を重ねた気がします。とはいえ、今回は実際よりもさらに老けメイクをしているようです。1963年のモンタナ州(超田舎w)の農場ですからね。これでも綺麗過ぎるかも(^^ そしてダイアンは、いくつになっても可愛いワガママ女が似合います。若い頃、ジョン・ボン・ジョビとお付き合いしていた人ですよw

とにかく怖かった!たとえ現代でも、アメリカのド田舎となれば価値観の違いからくる怖さがあるのに、60年代って、もう何が起こるか分からないですからね。いきなり殺されたとしても、360度建物が見えないエリアです。死体を裸にしておけば、埋めずとも放置するだけでOKでしょう。(…と、リーアム・ニーソンの『スノー・ロワイヤル』で学びましたw)

敵方一家のママがもう怖い怖い!いかにも60年代風な、大きなカーラーを巻いて作った髪のママ。でもこの時代は、もしかしたら日本も同様ですが、夫を亡くした妻が再婚せずに生きていくためには、違法行為も辞さないほど強くなる必要があったのかもしれません。

逆に言えば、普通の女性は夫を亡くしたら再婚しないと生きていけない時代。いやあ、現代に生きてて良かったですww

とにかく男が優し過ぎ、女がワガママ過ぎ…と、ケヴィンとダイアンの典型的な役割からくるお話ですが、時代を考えれば興味深く観れるのかな。ネイティヴ・アメリカン男性役のブーブー・スチュワートがカッコ良く、その切ない佇まいに思い切りキュンとしました。ジョニデの『ブレイヴ』しかり、ネイティヴ・アメリカン男性って本当に切ない美しさがありますね〜(私見ですw)

原題は『Let Him Go』で、もう絶対、100%、そのままの方が良かったです。『Let Him Go』なら、ケヴィン、息子、孫の3人の「Him』を指すことが出来、いえそれ以上にブーブーも、怖いママの息子や親族も皆「Him」。そんな彼らに対し誰にとっての「Go」なのかもあり、様々に取れる奥の深いタイトルです。が、『すべてが変わった日』って…。鑑賞後も、一体誰のどの日を指すのか分からず終いw それでも私は観て良かったです。ブーブー可愛いかったから❤️

 

さて、4週間前に渋沢平九郎について書きました。オリンピックのため中断されていたNHK大河『青天を衝け』が4週間ぶりに放映再開となり、この週末にはついに平九郎属する振武軍が埼玉県飯能(当時の武蔵国飯能)に入りました。

続いて傷ついている平九郎!ああ、ついに来週黒山での最期の時を迎えるのでしょうか(涙)。平九郎〜!!!!

…とドキドキしながら『青天を衝け』を観ていたら、終盤、民部公子役の 板垣李光人くんの「メルシー」と言うフランス語発音が、あまりに綺麗で超驚きましたww