Amy's This Week
2020.09
9/7-13, 2020 The Ukiyo-e 2020 と、『シチリアーノ』
9月も2週目となり、少しずつ暑さが和らいできたでしょうか。それでも暑さが苦手な私には、やはり少し歩けばまだまだ汗だくになります(^^; 早くもっと涼しくなれ〜!!ww
この週は特にイベントに出掛けられなかったので、少し前に行ったトビカンこと、東京都美術館のThe UKIYO-E 2020のことを書きます。
ここは地上から野外エスカレーターを降りて地下1階の入り口から入りますが、混む時はエスカレーターを挟んで地上までず〜っと列が出来たりしたんですよね。それが、コロナのおかげで完全日時指定制となり、すんなり入場出来るのはありがたいことです。コロナが収束した後も、美術館は日時指定制度が残ると良いんですけどね〜。
日本美術に疎かった私も最近は浮世絵を観る機会が増え、だいぶ自分の好みが分かってきました。特に浮世絵となると作品のサイズが小さいこともあって、美術展での作品数がとても多く、好みを絞って鑑賞した方が疲れないし、印象にも残る…ということを学びましたw で、私の場合、美人画や歌舞伎役者などの人物画より、動物や風景画が好きなようw あとは、浮世絵ならではの妖怪や事故物件的な国芳から芳年などの『芳』ファミリーねww だって浮世絵って江戸時代の偉大なるエンターテインメントだものww
…と好みが分かってきたところで、今回の私のお気に入りを紹介します。まずはとにかく可愛い、鈴木春信の『猫に蝶』。 猫も蝶も、どちらも好ましい…ということで、好ましいものの組み合わせ(吉祥=きっしょう)で吉祥画と言われるそうです。「人生はNot only sunshine and rainbows」と言ったのはロッキー・バルボア(最高!)ですが、人生決して好ましいこと=良いことばかりではないと、諌めにもなるかもしれないし、せめて絵の中では…と、慰めにもなるかもしれません。とにかく猫の表情が可愛いし、太めの柔らかそうな紐を首に巻いてもらっていて、とても大切にされているのが感じられます。
次はええ〜!!と驚愕した葛飾北斎の『諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし』です。 吊り橋大好き、なんならもっと揺らしたい!くらいな私でも、これはヤバいでしょww 江戸の旅人恐るべし!と思いました。現在の岐阜県と富山県の県境にかかる橋だそうですが…。なんか、あまりにも平然と渡っているし、そういえば下に雲がかかるくらいの高さなら、人物の姿が大き過ぎる…と不思議に思って調べてみると、どうやらこれは北斎のフェイクらしいですww なんだ、ちょっと安心しましたwww
北斎の風景画といえば一番有名なのが富嶽三十六景の富士山画シリーズです。その中でも特に有名と言える赤富士の展示もありました。これ、私のパスポートですww 赤い富士山の部分が透明になったパスポートケースをお友達に頂いたのでした。とても気に入っています。 これに限らずたくさんの富士山画(36景とありますが、実際には人気に応えて追加したので全部で46景だそうです)がありますが、全て実際の富士山よりずっとデフォルメしているんですよね。本物はもっとなだらかな傾斜だもの。そそり立つ富士山を表すのには、フェイクも辞さない北斎ですww また江戸から見える富士山が大き過ぎたり、駿河湾から見た富士山に宝永山が無かったりと、言ってみればかなりテキトーww とにかく富士山を立派に書きたかったのでしょう。話には日本一の山と聞いていても、実際には見に行けない人が多かった江戸時代、富士山の宣伝効果には抜群だったことでしょうね。そんな北斎の描き方は、いつの世も宣伝には誇張が付きもの…ということかもしれませんw
次は「おお〜!ゴッホだ!」と喜んでしまったこちら。歌川広重の『名所江戸百景 亀戸梅屋舗』です。
あ〜、これがオリジナルなのね〜と、感動してしまいましした。音楽だと、カバー作品を先に聴いて、後からオリジナルを聴くとがっかりしてしまうことが少なくありませんが(あくまで私見ながら『Pretty Woman』、『Walkin’ The Dog』、『Knockin’ on Heaven’s Door』など。ダントツカバーの方がカッコ良い!)、そんな中でガンズの『Live And Let Die』はかなりオリジナルに忠実で、オリジナルへの敬意を感じたものです。で、こちらのカバーとも言えるゴッホ作品がこれ。 ゴッホ『日本趣味 梅の花』です。めちゃくちゃ忠実ですよね。敬意たっぷり。両側に訳の分からない文字が追加されているのはご愛嬌ですねww ゴッホが亀戸の景色に思いを馳せたなんて、本当に彼は日本が好きだったんだなぁと感無量。この絵の忠実さ、そして右上の小さな四角の中『亀戸梅屋敷』の文字が真似したいのに出来ない可愛らしさ!ww ゴッホを愛おしく思う理由が、また一つ増えました。そして私にとって浮世絵の真骨頂、幽霊モノですw 北斎の『百物語 お岩さん』。 わりとお岩さんといえば、おでこに大きなケロイド(?)があり片目が潰れた表現が多い中、北斎の描くお岩さんの両目はしっかりと開いています。提灯に取り憑いた姿は、怖いというより少し可愛いらしいほどのユニークさ。
そしてこちらは『百物語 こはだ小平二』。 小平二は可哀想なことに、妻とその愛人に殺されてしまったとか。そりゃあ化けて出てきたくもなりますよね〜。にしては、こちらも怖いというよりやや可愛らしい風体ですw
もともと『百物語』というくらいですから、北斎は100作品描きたかったのかもしれません。が、実際には5作品しかないそうです。浮世絵は基本版画で、現在の雑誌みたいなものです。人気があればどんどん注文が来るので、富士山画ももともと36種のつもりが46種と増えたのでした。が、幽霊シリーズ(?)は100種描きたかったのに、5作品でもう注文が途絶えたのかもしれないし、注文が少なくて北斎自身が嫌になってしまったのかもしれませんね。
それはなぜか?と思って年代をチェックしてみたら…北斎の百物語が出版されたのが1831年頃で、北斎が71歳の頃です。その時はすでに国芳が33歳。北斎の、怖いというよりわりと愛嬌があるとも言えそうな幽霊に比べ、国芳の迫力ある骸骨や化け猫など奇抜な作品は人気を博していたでしょう。若いヤツが出てきて奇をてらったことをして人気に…と、71歳の巨匠としては面白くなくて嫌になったのかもしれません…ww まるで、ラファエロの台頭にますます頑なになっていったミケランジェロのようと言えなくもないかもw
お楽しみのギフトショップでは、こんなおつまみ買っちゃいました。ビールにぴったりw
とまあ、とても楽しかったThe UKIYO-E 2020展でした。7月からの同展もあと1週間あまり。まだの方は今度の連休にでもぜひ。事前予約制なので、連休でも混む心配はありませんよ。
https://ukiyoe2020.exhn.jp
そんな週の一本は、『シチリアーノ』です。 もうずっと楽しみにしていました。なんといっても私の生涯で最も愛する映画作品トップ3に入るのが『ゴッドファーザー』シリーズなのですからw 実話ベースのシチリア・マフィアもの。主人公であるパレルモ派のトンマーゾ・ブシェッタと、対抗するコルレオーネ派…って、コルレオーネこそ、ゴッドファーザーじゃないですか!それだけでもう大興奮でしたww
私がなぜマフィア作品が好きなのか。それは彼らのファミリー(血縁以外も含めて)愛と、掟を守る規律正しさが好きだからです。もちろん、殺人を犯しておいて規律正しいも何もないのは承知の上ですが、そこは映画なので許してw 基本、お金儲けのために殺人を始めあらゆる悪事を働きながら、同時にお金にならなくても復讐のためにも動くのは、彼らにとっての正義を貫くため。日本で言う仁義ですね。
原題は『Il Traditore』(伊語:裏切り者)で、主人公のトンマーゾが関係者を全て白状し、結果338人を有罪に持ち込みます。なのでもちろん彼こそが組織の裏切り者なわけですが、トンマーゾには自らが選んだ人生=マフィアが、麻薬ビジネスに没頭するあまり本来の掟を全く守らなくなったと言います。もともとマフィアには、家族には手を出さないという掟があったのに、彼は子供たちやマフィアとは無縁の兄弟まで殺されてしまったのでした。なので、トンマーゾにしてみれば、他の連中こそ『マフィア』というものに対する裏切り者なのでした。
実話ベースとはいえ、ん、だからこそ?中盤の長い法廷シーンなど、映画としては間伸び感が否めませんでしたが、舞台がイタリア、ブラジル、アメリカ…と移動するたびにイタリア語、ポルトガル語、英語…と使用言語が変わるのがリアルで良かったです。当たり前と思うかもしれませんが、いえいえ、結構映画って平気で全部英語で通すことが多いのでww
さて、7年ぶりの『半沢直樹2』が熱いです。 え?7年ぶり?の割にしっかりと『1』の内容を覚えているのは、録画を何度も見直したからw 『1』ではあれほど憎らしかった大和田常務が、『2』ではもう大好きになってしまいました!『1』で初めて歌舞伎役者だと知った愛之助さんも、だんだん愛があることが分かってきたし、もう出番が終わってしまった?『2』で初登場の伊佐山常務役の市川猿之助さんも、隠しきれないべらんめえ調がたまらなく良かったです!
そう言えば同じ枠の『陸王』でシューフィッター役だった市川右團次さんも、ドラマで初めて知ったのでした。歌舞伎役者ってホント最高!高校の課外授業で行ったきりの歌舞伎に、そのうちまた行ってみたくなりました。
二週前に渾身の7文字を口にした半沢に対して、今週「おねーしゃす!」と言った大和田常務ww その後の二人の瞬間握手もサイコーでしたwww 毎回毎回、可笑しいというより、感動で大ウケあっぱれ笑いが出てしまう『半沢直樹』。あと2回かぁ〜涙。あの恐ろしい蓑部にどう立ち向かっていくのか楽しみでなりません!
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