Amy's This Week
2012.02
2/6-12, 2012 週報
今週はちょっと暗い話題ですが、昨日知ったばかりの大きなニュースについて。ウィットニー・ヒューストンが亡くなってしまいました。享年48。あまりにも早いですが、彼女のそれまでを知っていれば諦めを持って受け止めるしかないかもしれません。
私はずっと、エアロスミスと平行して彼女の仕事もしていました。他の媒体で何度か書いたこともあるのですが、ウィットニー・ヒューストンほど、マスコミとファンとの対応に大きな差があるアーティストは珍しいと驚いたものでした。
ライヴ会場では必ずファンとのミート&グリートをするのですが、そこには多くの取材陣も集まってきます。そういった場合、大概のアーティストは取材を先に片付けます。"Business First”は常識ですよね。それがです。ウィットニーは違って、「ミート&グリートが先よ!!」と言ってマスコミを毎回長時間待たせていました。
ある日ミート&グリートの部屋に入る直前に、廊下で待っている沢山のマスコミから「なんで取材が後なんだ…」という声が聞こえた時がありました。その時です。キッとした顔つきで廊下を振り返り、多くのマスコミを前にウィットニーが大声で言ったのです。
「あんた達の中で、私のCDを自分でお金出して買った人はいる?!え?あんたは?あんたは?!」
一人ずつ端から指差して「You?! You?! You?!」と尋ねるウィットニーにマスコミはフリーズです。そして「でしょ??」と言ってミート&グリートに入った彼女。全て聞こえていた室内のファンや我々関係者はもう拍手喝采のウェルカムでした。なんて男前!いえ、なんてファン思いなんでしょう。まあ、だからマスコミには嫌われてしまっていたのですが。
元々ニュージャージー州の貧しいゲットー地区生まれ&育ちの彼女は、地元にもの凄い寄付をしています。彼女の名を冠した小学校もあります。アメリカではチケット全席1枚1000ドルで全売上(全利益ではなく)を寄付、なんてこともしていました。その時のケータリングはスタッフも本人も一緒にKFCのチキンのみ!ウィットニー自身は、本当に、本当に、良い人でした。
ウィットニーが所属するマネージメント事務所のマネージャー女史はウィットニーよりずっと年上でしたが、その人は若い頃、アメリカで初めてローリング・ストーンズのファン・クラブを始めた人でした。私のように始めから仕事としてではなく、本当にファンだったので最初はボランティアで始めたものを、アーティストに認められてその後本職として業界入りした人です。そういった人がマネージャーですから、マネージメントもとてもファン思いなわけです。私にもとても親切にしてくれ、本当に有り難い思いをしたものでした。
日本からもハワイ、西海岸、ワシントンDC、パリ…etc. いろいろな所にTPで行きました。その時のファンの人々、そしてほんの2年前のちょうど今頃、埼スパでのミーグリでお会いした多くのファンの人達は今頃どうしているでしょう。ウィットニー本人はもちろんですが、彼女の娘(今日病院に担ぎ込まれたとか…)、マネージャー女史、ファンの皆さん達を思うと、私も胸が締め付けられそうになります。
「ボビー・ブラウンとさえ出逢わなければ」誰もがそう思っています。ウィットニーの離婚は遅過ぎました。でもウィットニーは彼を愛してしまったんですよね…。一切の計算抜きで愛した人との人生を突っ走って、失敗して、星になってしまったウィットニー。本当に、心から彼女のご冥福をお祈りします。そして残されてしまったファンの皆さんが、落ち込み過ぎることがありませんように。And WE will always love you, Whitney…r.i.p.
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