Amy's This Week

2019.07

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2019.07.24

7/15-21,2019 西安旅と、『さらば愛しきアウトロー』

六本木ヒルズが出来る時に六本木店が立ち退きになって以来銀座店に行くようになったお気に入りのレストランなので、もう20年近く愛しているのが、その名も西安(シーアン)という西安料理のお店です。中華料理には各種あると言われるように、実際大きな国なので、地域ごとに随分と味が変わります。私は北京に行った時、食事が美味しく思えずとてもツライ思いをしました。上海も、期待していた割にはなんだかピンと来ず。そんなわけで、西安料理なら大好きだけど、これは日本だからかも…?

なんて思っていたある日、いつものように銀座の西安に行くと、店長さんが「研修で西安に行って来たんですよ」とのこと。「おお、いかがでしたか?」と尋ねると「いや、結構がっかりしちゃったんですよね」「え〜、なぜですか?」「いえ、うちで出しているものと同じものばかりでした」❤️!!以来、いつか絶対西安に行こう!と思っていたのでしたw そして、ついに実現!

ジャ〜ン!!!!!

まずは世界遺産の兵馬俑です。英語では、テラコッタ・ウォリアーズ! 2,200年もの間地中で眠っていた始皇帝の兵士たちです。まさに圧巻!とにかく西安市で一番の見どころなのは確かで、しかしそれは中国の人々にとっても同じ。しかもすでに中国では夏休み。この国の人口は侮れません!!!!いやあもう、めちゃくちゃに混んでいましたよ(爆)。酸欠になるかと思ったw

東京の人間は、確かに通勤電車は混み混みでも慣れています。けどあれは通勤時間帯の、電車のみのことです!あの状態が観光地で、建物内で再現されるなんて。消防法はどこいった?!いやきっと中国にも消防法はあるのかもしれませんが、日本と比べたらめちゃくちゃユルいのでしょうね。この憧れの兵馬俑も、実はもうほとんど観る気も薄れ、早く外へ出る事ばかり考えていました(^^;

そんなわけで、そのうち西安へ行って兵馬俑を観たいと思っている皆様、絶対に7-8月はハズす事をお薦め致しますw

この兵馬俑は、そもそも秦の始皇帝のお墓を守るために埋められたもので、1.5キロほど離れたところに始皇帝陵はあり、現在も発掘されておらず、小高い丘のように見えるだけです。記録によると、お墓の中には水銀の川が流れ海が作られた…とあるそうですが、単なる伝説だろうと思っていたら、近年の調査で実際に蒸発した水銀が確認されたとか。それは怖くて、今後も発掘出来ないかもですね〜。この大きな石が『秦始皇帝陵』と目印になっていて、この石の右奥に小高い丘の陵(お墓)が見えます。そう、単なる丘。その為ありがたいことに、こちらは空いていました〜ww ほっ。

さて、唐の時代の玄宗皇帝が政務を行なっていた宮殿(今でいう首相官邸?)が興慶宮といい、現在は公園になっています。その一角にあるのが、遣唐使だった阿倍仲麻呂の記念碑です。おお、知っている名前が出て来ましたw

西暦なら8世紀頃、19歳で西安に遣唐使としていわゆる留学をした阿倍仲麻呂は、とても成績が良く、多くの中国人に好かれ、現地で政府の要職に就きます。日本に帰国しようとした事もあったのですが、遭難し、現在のベトナムに流れ着いて、結局は西安へ戻り、そのまま西安で過ごし73歳で亡くなったのでした。そんな阿倍仲麻呂を愛した李白が、彼が遭難して亡くなってしまったと信じて嘆いた詩が、記念碑の脇に彫られていました。

もう一人の、現地の人々に愛された日本人が空海です。9世紀初頭の平安時代、空海が密教を学んだ青龍寺にある石碑がこれ。石碑の上にある五輪は全て違う形をしており、上から『空風火水地(くうふうかすいち)』だそう。一番上が『空』。その下に『風』が吹き、次に上に向かって尖る『火』があり、その下に水、そして一番下に安定感のある四角で地。凄くよく理解出来ました。

この青龍寺は、日本の四国八十八ヶ所の『ゼロ番』に当たるそうで、四国霊場巡礼をする人は、本来ならまずこの青龍寺に来るものだそうです。見事な達筆で頂いた『ゼロ番』の御朱印。このあと四国は行かないけどね…w

…とまあ、西安では随分日本人が好かれていて、古来から日中間で非常に良い関係があったのだと嬉しく思いました。しかし、何よりも嬉しく思ったのはもちろん、やはりお食事の美味しさです!あ〜、来て良かったよ〜www

まずは可愛い餃子シリーズ。

アヒル餃子。

金魚餃子。お金の魚で縁起が良いし、出目金は特に『目出たい』のだそうw

百合餃子。中身はなぜかチャーハン? ちょっとウツボカズラ風だけど…ww

火鍋。トウモロコシを入れるのは初めて知りました。お肉は牛。白く浮いている丸いのは魚のすり身。美味しかったです❤️

…と、ふとキリが無いことに気付いたので、この辺にしますw とにかく週末3泊の短い旅でしたが、とても楽しく、美味しく、絶対また行こうと思った西安でした。最後にオマケ画像を二つだけ。狛犬ならぬ狛猫さんと、始皇帝陵のサルスベリです。綺麗でした。

 

そんな週の一本は、『さらば愛しきアウトロー』。

御歳83のロバート・レッドフォード俳優引退作だそうです。どうりで顔がしわくちゃなんだけど、83歳とは、立派なものですね。

実在の銀行強盗フォレスト・タッカーは、16回の脱獄と90回以上の銀行強盗を繰り返し、しかし一度も人を傷つけなかったという伝説のアウトロー。まあ平たく言えば、どうしようもないこれも一種のサイコパスなのだけど、銃を持っていても一度も撃たなかったという彼の信念と、非常に言葉使いや物腰が丁寧で紳士的だった事で、なぜか魅力的に見えてしまうんですよね。確かに、ロバート・レッドフォードにぴったりかも。

てか、申し訳ないながら、ロバート・レッドフォードまだ生きていたんですね?って思ってしまいました。だって、ポール・ニューマンなんかと同世代でしょう?あ、調べたらちょっと下だったんですねw 『スティング』のDVD持っています。映画ファンとしては『明日に向かって撃て』も観なきゃいけないですね〜。

原題の『The Old Man & The Gun』から、The Gunとはどんないわく付きの銃なのかと思っていたら、「一度も使用されなかった銃」ということなんですね。邦題は、普段なら有り体な…と言うところなんですが、今回は、これって配給会社からロバート・レッドフォードに対する思いなんだろうな〜と思ったので、ちょっとウルっとくる良い邦題です。

作品の中で記憶に残ったセリフがありました。何回目かの逮捕の時に、結構知的・紳士的な主人公に対して、刑事が言った言葉。
「ヤツに一度こう言ったんだ。『お前なら、もっと簡単に生活していける手段があるだろう?(Surely there’s an easier way to make a living.)』とね。するとヤツは俺を見てこう返したのさ。『生活をしていく、っていう話じゃない。ただ生きていくっていう話なんだ(I’m not talking about making a living. I’m just talking about living.)』ってね」

そう、銀行強盗は生活の手段ではなく、生きることそのものだったんですね。根っからの盗人なのですw 最後も、せっかく晴れてゆったりと老後を過ごせるところだったのに、お〜い!もうヤメとけよぉ!と思ったけれど、やっぱり、銀行に吸い寄せられてしまう、もうど〜しょもないヤツなんだな〜www ちょっと種類は違うけれど、『ヒート』のデ・ニーロを思い出しました(涙)

ところでシシー・スペイク。若い頃は決して美人ではない女優さんだったのに、なんて綺麗な70歳になったんでしょう!若い頃つり目過ぎたから、歳取って目がタレてちょうど良くなったのかしら?w ともあれ同じ女としては、めちゃくちゃ羨ましい歳の重ね方をしていたのでした。他にも、ダニー・グローヴァー、トム・ウェイツ、ケイシー・アフレックと、さらっと良い俳優を贅沢に使った、たぶん犯罪映画では最も品のある作品になっていました。