Amy's This Week

2020.09

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2020.09.01

8/24-30, 2020 帰ってきた!どうぶつ大行進展と、『グッバイ・リチャード』

この週は、突然の安倍総理辞任に驚いた方が多かったのではないでしょうか。その理由が持病の悪化とは。さぞや無念なことと思います。お疲れ様でした。その無念さ、悔しさが、さらなるストレスにならないことを心からお祈り致します。

私は決して、安倍さんを応援していたわけではありません(^^; が持病持ちの一人として、ストレスに弱い体をした者の一人として、体調の都合で仕事を降りなくてはならない心痛を思うと、胸が痛みます。心無いツイートをした議員もいたようですが、逆に蓮舫さんにはおかしな言い方かもしれませんがあっぱれなスポーツマンシップを感じました。政治がスポーツかといえば異論を唱える方もいるでしょうが、戦う時は全力でぶつかりながら、終わればノーサイド。蓮舫さん、カッコ良いです。

そんな週は、週報のネタを求めてw 千葉まで行ってきました。動物好きなら行かなくちゃ!と思ったのでw

まずはタイトルに『帰ってきた!』が付いていて、どこから?なんて思っていたら、同じ美術館で8年前に『どうぶつ大行進』展を実施して、大好評だったとか。それで今回はさらにコレクションを追加し、内容をアップグレードして『帰ってきた!』のだそうです。そうなんだ。8年前は知らなかったな〜。今回視野を広げて行き着いた千葉市美術館。コロナ禍だったからこそのSunnysideでした。

どうぶつ大行進展では撮影禁止だったため、ネットからの画像で紹介します。が、私が特に気に入った2作品が、どうしても見つけられませんでした。あとでネットで見つけられないと分かっていたら、もっとじっくり長く見ていたのに!残念で堪りません。一応作家名とタイトルだけ。森一鳳の『日の出鶴鹿福禄寿図』と、伝宮本二天の『烏図』です。もし画像を見つけた方がいらしたら、ぜひ送ってくださ〜い!カラス、可愛かったな〜。

さて、ポスターにもなったこちら。まさに、麒麟が来る!?石井林響の『王者の瑞』(1918年)です。迫力満点! 右にいるのは聖帝(具体的な人ではなく、優れた天子)=世に平和をもたらす人で、その人が現れた時に『瑞』(めでたいしるし)として現れる麒麟です。本来の麒麟は聖獣で、いわゆる麒麟ビールの麒麟のような龍に似た架空の動物なのですが、この作者は本物のキリンを見たようで、作品の大きさ(四曲一隻中、麒麟の描かれた左2枚=第三扇と第四扇で234.8×220.6cm)も相まって、限りなく現実のキリンに近い姿がむしろその迫力を具体的に伝えてくれます。とはいえ、その特別な色や柄は神秘的。タイトルの『王者の瑞』から、王者は右側の聖帝であって、麒麟は瑞であるのが明白なのに、この麒麟自体が王者の風格を醸し出しています。かなりの迫力に、感動しました。

この作者、石井林響は千葉県の出身で、途中品川に引っ越した時もありましたが、後半はまた千葉に戻ったそうで、千葉の宝なんですね。千葉市美術館の所蔵作品だというので、麒麟に会いたくなったいつでも会えるのは嬉しい限り。プロフィールによると45歳で亡くなったとのことで、なんとも惜しい、残念なことでしたね…。

こちらも、本物を見ましたねw と納得の、山本梅逸『豹図』です。(1830年)前述の麒麟は大正時代に描かれた作品で、日本最古の動物園である上野動物園が1882年開園というので、上野で見たのかな?と思えましたが、この豹は上野動物園開園前。気になって調べてみました。 すると作者は名古屋(現在の中区大須)の人で、1830年(天保元年)当時、名古屋の藩主が朝鮮から取り寄せた豹を写生したのだとか。江戸時代、猫は最も愛されたペットだったので(当時、犬はもっぱら野良だったそう)、藩主は誰よりも大きな猫を欲しかったのかもしれませんね。珍しい生き物を求めた藩主に、夢中になってそれを写し描く画家。まるで皇帝ルドルフ二世とアルチンボルドの様ではないですか。その時の彼らの興奮が伝わってくるような作品です。

これは、作品の前に立った時、思わず微笑んでしまった、曽我蕭白の『獅子虎図屏風』です。この人は虎を見たことがなかったんですねw ん?獅子虎?ああ、これは二曲一双の屏風の、左隻のみらしいです。

そこで右隻の獅子をネットサーチしてみたらありました!おおw なんてブサかわな獅子www やっぱりライオンも実際に見たわけではありませんでしたねw で、このライオンは飛んできた蝶におののいているところみたいですww で、それを見た虎はバカにしているような表情でww むしろ本物を見たことがないからこその、豊かな表情です。

これは、大正時代まで長生きし、『最後の浮世絵師』と言われた小林清親の『猫と提灯』です。提灯の中に逃げ込んだネズミを追って、シッポを掴んだところですね。可愛い。 が、惹かれる魅力はそれだけではなく、この質感。厚みというか、深みというか。一体この表現は何なのでしょう?水彩?油絵?いや、油絵じゃあ浮世絵師とは呼ばれないですよね〜。で、調べてみたら、なんとやはり浮世絵師の真骨頂である木版でした!木版でこの深み?その秘密は、通常は版を7-8回重ねるところ、この『猫と提灯』は35回重ねられていたのでした!小林清親は洋画法(油絵)も少し学んだそうで、その厚み・深みを求めた結果編み出した方法でしょうか。見事な木版画ですね!

この初めて行った千葉市美術館。ものすごーく立派な建物でした。かつては千葉市中央区役所も入っていたと聞いて納得。エレベーターにも感動して思わずパチリ。

動物展を堪能したあとは、せっかく来たのですから常設展もチェック。ちょうど名品展が開催されていました。夏に浮世絵といえば、やはり妖怪たち!嬉しいことに、こちらは撮影もOKでした。

おどろおどろしい作品が多く大好きな月岡芳年!当然のようにありましたw これは『新形三十六怪撰 清姫日高川に蛇体と成る図』。有名な道成寺の安珍清姫のお話は、和歌山県にある伝説。まあ今でいえば、勝手にストーカー化した女に追われて最後は殺されてしまうという、恐ろしいお話ですね。逃げる途中日高川を前にして、船で渡って逃げる安珍。が、清姫には追う船が無い…というところで、蛇に化けて川を渡るという…魚ではなく蛇というのがもう、まさに怨念の塊で恐ろしい!で、この絵はその蛇に化ける瞬間で、着物の柄が蛇の鱗を表わしているのだとか。ああ、なんだか歌舞伎なんかも観たくなってしまいますw

こちらも月岡芳年で『一魁随筆 托塔天王晁葢』。晁葢とは、水滸伝に登場する英雄の名前。彼は、自分が住んでいる村に妖怪が増えた原因は、隣村が妖怪避けの仏塔を建てたことにある(だから妖怪がこちらへ逃げて来た)と知り、怒って隣村の仏塔を自分の村に運び、村人たちに妖怪退治をしたと喜ばれたとか。え?それ、酷くない?wwww で、この絵は、妖怪だらけの村に仏塔を運び込んだところで恐れおののいたり、「何してんの?」とまだ状況が分からず笑っている…とユニークな妖怪たちと、それを睨み返す晁葢w

浮世絵とは基本版画なので、量産されて販売されたものです。つまり、のちの雑誌などと同様(今ならネット画像は無料ですがw)庶民が見たいものを買ったわけで、当然、人気のある売れる題材が選ばれました。だから人気の歌舞伎役者や、今ならグラビア?な美人画が多く、さらには面白い話の一場面や、月岡芳年の妖怪や血みどろ絵などセンセーショナルな題材が多いんですねw

他にも常設展には驚きの草間彌生作品までありました!草間作品の凄いところは、失礼ながら一つ一つの作品に対して「まあ素敵」と感動するわけではなくても、今や「おお〜!草間彌生作品がある!」というだけで感動されるという…ww そのネームバリューというか、ブランド性なんですよね。小さな革のキーホルダーを見て「ふ〜ん」と思ったあと、それがエルメスだと聞いた途端「おお〜!」と感動するのと同じww いえ決してバカにしているのではありません。一人の人間が、一つの会社が、そこまでの存在感を世間に周知させるには、どれほどの努力があったことか。大概の人や会社には出来ないことですからね。

ということで、たっぷり楽しんで来た千葉市美術館でした。帰ってきた!どうぶつ大行進展は9月6日(日)までです。入場料は良心的な800円!ここは予約も必要ありませんよ。
https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/life-of-animals-life-with-animals/

 

そんな週の一本は、お久しぶりです!愛しのジョニデ❤️ 『グッバイ・リチャード』です。

ジョニー!!!!ww 映画好きとして、私は『ギルバート・グレイプ』(1993)からの大ファンです(^^; 彼の作品は片っ端から観て、DVDも買いました。その後彼がヴァンパイアになってくれたおかげで会う機会も得て(それも何度も!)、もう人生何が起きるか分かりませんね〜w

この『グッバイ・リチャード』は大学教授役なのですが、末期ガンで余命宣告をされ、やけになるというか、自分を取り戻すというか…とにかくその姿が、とてもジョニー・デップそのものな感じでした。結婚していても孤独で、でもとても良い友人がいて…ラストはもうファンタジーで、ロックで、美しく、哀しく、いかにもジョニデらしく…最高でした!T字路をまっすぐ進み、突き当たり、さあ、左か右か?…

割と低予算なインディペンデント作品だったので、コロナ禍でもすぐに観ることが出来て良かったし、本来のジョニデは、ディズニーの大作よりもこうした作品が似合います。余命180日と聞いて初めてマリファナを吸うのを観て、私も同じ余命宣告されたらタバコを吸おう、なんて思ったりしてwwww

以前友人が、「死ぬ時は心臓発作とかの突然死ではなく、ガンで余命宣告されて死にたい」と言っていました。理由は、「準備が出来るから」。それを聞いてなるほどと思い、私も同感。この作品がその参考になるかといえば、全く無理ですがw (そこは映画w)、まるで『ギルバート・グレイプ』のギルバートが大人(中年)になった姿を見るようで、久しぶりに昔からのジョニデ・ファンがイメージしていた通りのジョニデを観ることが出来る作品でした。良かった〜というか、嬉しかった〜。

 

ということで、9月になりましたね。やっと酷暑が過ぎたと思ったら台風か…orz しかもコロナと同時進行。あ、9月からマイナポイントが始まりますね。めちゃくちゃ魅力的!という程ではないにせよ、同じ買い物していればポイントが付くのですから無いよりはマシか。VIPで必要になるIDを持っていない人が、重い腰を上げてマイナンバーカードを作るきっかけになれば嬉しいです。これだけ長期に渡るコロナが収束し、VIPが復活した時に、受付で「IDがありません」なんて言う人は、もう人間失格だぁ!ww