Amy's This Week
2021.10
10/4-10, 2021 ゴッホ展と、『007 No Time to Die』
人生何回目のゴッホ展でしょうかww 今回は『響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』という副題付きです。トビカンにて。
ヘレーネとフィンセントって、知らない人なら夫婦か?って思ってしまいそうですが、ゴッホは独身でしたw ではどなた?と思ったら、ポスターにある英語を読んで納得。クレラー・ミュラー美術館のヘレーネ・クレラー・ミュラーがゴッホ作品を沢山収集した…ということなんですね。それをいうなら、ゴッホ作品を広める努力をしたテオの妻ヨハンナの功績もあるから、そのうち『ヨハンナとゴッホ展』も開催されるかもw
アムステルダム郊外のクレラー・ミュラー美術館はレンタカーで行きましたよ!森の奥にある綺麗な美術館でした。とても充実していて、漠然と良い美術館だった記憶があります。が、覚えている作品はといえば『夜のカフェテラス』くらい?ww こんな記憶力だからこそ、同じ美術館を何度でも楽しめるんですよねwww
ゴッホ美術館以外では、最も多くのゴッホ作品を収蔵するクレラー・ミュラー美術館は、そのコレクションを充実させたのがヘレーネトいう『女性』だったとは素晴らしいです。お金持ちの妻とはこうであって欲しいw もちろん、もしかしたら本人は服やバッグを買う以上に、単に絵画を買うのが好きだっただけかもしれませんw それでも、後世これほど多くの世界中の美術ファンを楽しませるものを残したのですから立派です。そんなヘレーネ・クレラー・ミュラーに敬意を表して、こちらフローリス・フェルステルによる肖像画。もちろん、この美術展で鑑賞出来ます。
かなり初期にゴッホの才能を見出して買い集め始めた…とあるので、どれほど早く?と思ったら、収集を始めたのが1907年から…とのことなので、ああ、やはりゴッホの死後だったんですねorz ゴッホが失意の底で亡くなった時、ヘレーネはまだ21歳か…。ヘレーネがあと10年早く生まれていたら…ゴッホは死なずに済んだかもしれないなんて考えてしまいます。
この美術館には多くのゴッホ作品があるので、この美術展もなかなかの充実度です。ゴッホ以外の作品も少なからず展示されていて興味深いですが、ここ週報ではゴッホ作品だけにしておきますね。それだけでも沢山あるのでw いつものように、展示作品の中から私が気に入ったものを挙げていきます。撮影NGなので、画像は公式サイトと自分で購入した絵ハガキからw
『麦わら帽子のある静物』(1881) 一見して初期作品と分かるタッチで新鮮でした。ゴッホ28歳の時か。まだオランダ時代で、全体的に暗くも初々しい感じです。
これは『レストランの内部』(1887)大きくタッチが変化していて、まるでスーラのような点描画です。パリ時代の作品で、様々な刺激を受けて描き方を工夫しているように見えます。よく見ると椅子にはその後のアルル黄色い家の寝室にある椅子の片鱗があり、また壁にある絵画は自らの作品だそうで、認められたい一心を感じ取ることが出来ます。
『石膏像のある静物』(1887) こんな印象的な作品も、私は観たのに忘れていたのでしょうか(^^; 2冊の小説らしき本があり、青い本はタイトルが読めました。多分モーパッサンの『ベラミ』。貧しくも美しい男が周囲のお金のある女性たちを利用してのし上がるお話で、『ベラミ 愛を弄ぶ男』という映画も出来ていました。まるで現代のKKだwww こんな小説をゴッホは読んでいたのでしょうか。もしそうなら、非社交的な自分には出来ないので一種の羨望があったのかも?
『レモンの籠と瓶』(1888) この頃は静物が多いですね。白と黄色の多用で、完全にゴッホが出来上がっています。
『青い花瓶の花』(1887) これもパリ時代で、色彩が鮮やか!影響を受けたのであろうルノワールを連想させます。タッチも点描と、筆を寝かせたり動かしたりして様々な使い方が入り混じり、観ていて飽きませんね〜。こうした作品は、本物を見ると絵の具の厚い部分が照明で光って見えて、そこがまた私は大好きです!
これは『サント=マリー=ド=ラ=メールの海景』(1888)です。わりとゴッホの海の絵は珍しいですよね。アルルから地中海に出掛けて、海辺で描いたそうです。その証拠に、なんとこの作品の絵の具には砂の粒が混じっているとか。なんか素敵!
『緑のぶどう園』(1888)アルルでゴーギャンが来る前に描かれた作品です。たわわに実ったぶどうがそこかしこに見え、女性がさす赤い日傘が鮮やかです。雲の様子は私の大好きなこってり絵の具w これとは別にこの2ヶ月後に描いた『赤いぶどう園』という作品があり、それがゴッホにとって唯一の生前売れた作品だったそう。今となれば、こちらだって売れてもおかしくないのに…ね。
『サン=レミの療養院の庭』(1889)さて、ゴーギャンがやってきて、あっという間に楽しい時は過ぎ、理解してもらえない苦悩、苦悶に絶望して自らを傷つける…。そんな肉体的な傷は癒えても、精神的な傷は一向に癒えず、アルルを去り、やってきたサン=レミでした。自ら希望して入った療養院の庭で、これほど鮮やかに木や花を描いたゴッホは、絵に集中している時が一番楽しかったでしょうね。
『草地の木の幹』(1890)これは地味な作品ながら、私はとても好きです。弟テオに書いた手紙には「ピンクと紫の木の幹を描いた」とあったそうです。この幹がピンクと紫?と思いますがw よく見ればそんな気もしてきますw そもそも、草地に生える木を描く時に、こんな下向きアングルで描く人っています?w 草地にウサギちゃんでもいれば別でしょうが。これぞこの時期の、最晩年のゴッホの視線のような気がします。
今回のゴッホ展には関係なくボストン美術館にあって、購入した絵ハガキを家で飾っている『渓谷』という作品があります。この『草地の木の幹』の前年に描かれました。
このうねりが晩年だし、そもそも私はこの渓谷の色に惹かれたんですよね。まさにピンクと紫の渓谷じゃないですか?今回『草地の木の幹』を観て、それを「ピンクと紫」と表現していたと知り、この『渓谷』を思い出しました。そういえば渓谷と木の幹、似ている気がします。
『悲しむ老人(永遠の門にて)』(1890)最近になって分析の結果ゴッホ初期のデッサンと認定されたゴッホ29歳時のスケッチ画を元にして、自ら油絵にした作品です。なぜそうしようと思ったかは謎のままですが、テオに送った書簡の中で、小さな老人が火の傍らで静かに腰掛けている時、その限りなく感動を呼ぶ表現の中に、神と永遠との存在の最も強力な証の一つと思えるものがある…と書いているそう。つまり、これは老人の絶望の図ではなく、副題(又は別名)の『永遠の門にて』というように、永遠の存在の入り口にある人を描いたのです。絶望が永遠の存在に昇華する?その考えから、この作品を描いたおよそ2ヶ月後に自ら命を絶ったのでしょうか?それは永遠の謎で、まさにゴッホ自身が永遠の存在になったと言えるのかもしれません。
…と、今回もたっぷり楽しめたゴッホ展でした。作品数の多いゴッホですから、今後も各美術館で工夫して、様々なゴッホ展を開催して欲しいと願っています。今回は、美術展公式グッズも充実していて、こんなタオルハンカチを買ってしまいました!椅子にひまわりに各種自画像に黄色い家に糸杉に…企画してくれた人、ありがとうございます!
そんなクレラー・ミュラー美術館作品を中心としたゴッホ展は12月までやっています。良かったです!!!
https://gogh-2021.jp/index.html
そんな週の一本は、ついにダニエル・クレイグ最後となった『007 No Time to Die』です。
待ってましたよ〜(泣)。本来は2020年4月公開予定だったんですから。三度の公開延期って、史上初じゃないですか?それでももちろん、待った 甲斐ありましたよ!もうすでに2回観ちゃったwww
ダニエル・クレイグの007就任時は賛否両論で、ブロンドの007なんてあり得ない!なんてかなり強烈に批判されたりもしていたんですが、ダニエル・ボンドは回を追うごとに評判が上がり、私にとっても一番好きなボンドになりました。何といっても、歴代で最も人間味があるじゃないですか!とか言っても、それまでのボンドってあまりちゃんと観ていなかったのが本音何ですがw それでも、ロジャー・ムーアやピアース・ブロスナン作品はいくつか観ていて、カッコ良いのは分かっていました。
でも、洒落てモテモテのイギリス男が派手に遊びながら仕事もして、アクション最高!キメて最後にウインク!的な、軽いイメージしかありませんでした。ダニエル以前は。それがダニエルはもう、私がキュンするど真ん中!!孤独で寡黙で真面目で、それでいてアクション最高!なんだから。007が単なるアクション作品ではなく、アクション&ヒューマンドラマとしたのがダニエルだと思います。
そうダニエルに思い入れがあるのは私だけではないようで、007制作側も今回の作品ではダニエルのラストを飾るべく、過去作品へのオマージュや、007ファンへのサービスが満載でした!これは堪りませんよ!それを探すのも楽し過ぎる!冒頭のロケ地イタリアのマテーラも最高!私も行ったけどわずか1日だったので、もっとゆっくり過ごしたくなりました!
007シリーズに登場するボンド・ガールも、今や21世紀で『ボンド・ウーマン』と呼ぶようになったそうで、今回はアナ・デ・アルマスが素晴らしかった!!本当に良かった!!!ボンド風に言えば「エクセレント!」w 今後の新たなボンドシリーズにも登場して欲しいです。アナの出番を観たくて2回目観に行ったようなところもあります!
いやもう、最高過ぎて、3回目観に行く日も近そうですww にしても、最後ってもう、本当に哀しいです(涙)。でもどこかのインタビューでダニエルが「俺ももう50過ぎたから、本当にキツいんだよ笑」と言っていました(^^; もっと続けて!という声に、ダニエルが「No, time to die!」と言ったのかもしれませんねwww
そのうちにダニエル・ボンドDVD5本Box Setが出たら絶対買いますww それまでは、過去作品をもう一度観ようかな。今までは『スカイフォール』が最高だと思っていたけれど、またエンディングは哀し過ぎるけど(それもうさぎちゃんのせいってところがダニエル・ボンドらしい!!←ネタバレだけど観ていなければ分からないよね?w)、全体的な007愛というか、007ファンへの愛がみなぎっているというところで、No Time to Dieがダニエル・ボンド最高作品認定です!!あ、冒頭のビリー・アイリッシュの歌も良かったです!
ところで…今回のゴッホ展でつくづく思ってしまったのですが、『サント=マリー=ド=ラ=メールの海景』と『サント・マリー・ド・ラ・メール』と書くのとどう違うのでしょうか?中には両方を使い分ける書き方もありますよね。で、調べてみたら…元々何も表記のない「スペース」を日本語では「・」で。「-」(ハイフン)でつながれたところは日本語では「=」(イコールではなくダブル・ハイフン)だそうです。スッキリ!!!
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