11/14-20, 2016 ラスコー展と『インフェルノ』

再び落ち着いた日常を取り戻し、誕生日を過ぎていた免許の更新手続きも終え、地元の友人と「小学校の社会科見学以来だね〜」と言いながら、上野の国立科学博物館へ『ラスコー展』を観に行ってきました。 元々私はケイヴが大好きなので、南フランスにあるラスコーもいつか行ってみたい所です。洞窟内で世紀の大発見がなされて以来、その壁画の保存のために現在は実際の洞窟には入れないようですが、それでもすぐそばに完全再現された人工洞窟があるそうで、これはいつかの夢、いえ目標です。バケットリストだな。   さてそのラスコー展。まずはケイヴ好きとしてはとても興味深いケイヴ全体像の模型があって、その後に実際にケイヴの中に入ったかのような大きな模型の中を歩きます。これだけでも楽しいのに、そこにこの約2万年前に描かれた壁画ですよ。2万年前の牛や馬の大群は迫力満点。鹿もバイソンも、不思議な鳥人間(?)も、とても生き生きとしていました。彼らの巻き上げる砂埃を感じ、それぞれが唸る騒々しい声が聞こえそうなのでした。 そしてさらに、これらの壁画の作者であるクロマニヨン人のこと。およそ2万年前のヒト。現代人と同じホモ・サピエンスです。体格も顔つきも、全く現代人と変わらず、衣装を変えればもう現代人との見分けがつきそうもありません。2万年前だなんて。『古代ローマ』と「古代」が付いていてもせいぜい2000年前。その当時ですら「古代に建てられた」と言われたピラミッドが約4500年前のもの。トルコのハトゥッシャに行った時に見て感動したヒッタイトの遺跡も3700年前くらい。もうそういった超古代と思っていた時代から、さらに5倍以上遡ってケタが違う。人類の歴史って、本当かなり長いです。 それで思ったんですよね。現代人とほぼ変わらない大きさの脳みそ持って、同じような体格で手足も動かせて、それでも人類は1万5000年以上、あまり進歩の無い生活をしていたわけです。今の自分が、ひいおじいちゃんと全く変わらない生活をしている…って、たぶんルネッサンス以降では考えられないのではないでしょうか。そう、それほど人類はず〜っと1万5000年も変わらなかったのに、5000年前頃からエジプトやメソポタミアで文明が起き、2000年前頃になると急に古代ローマ人が物凄い進歩を遂げた。まあ、その前のギリシャから続くのですが。その後またすごく大雑把ですが中世で進歩が止まり、そしてルネッサンス。そして最後の100年。いや、直近の20年でどれほど進歩したことか!ひいおじいちゃんどころか、おじいちゃんももちろん、現代は親とだってもう全く違う生活になっていますよね。今の小学生は既に生まれた時からスマホがあるのだから。   この人類の進化の仕方を考えるにつれ、ここ100年ほどの超加速を鑑みると今後に不安を覚えるのは私だけではないはず。一体人類はどうなっていくのでしょうか??まぁたぶん、私が生きている間はそれほど大それたことは起きないのではと楽観視していますが…とにかく人類の将来について、思い切り考えてしまった『ラスコー展』だったのでした。   そして…待ちに待ったダン・ブラウンの『インフェルノ』映画 化です! ダン・ブラウンの『ダビンチ・コード』『天使と悪魔』はどちらも大好きで、今回も本が出た瞬間に読みました。世界史と美術と旅という、私の愛する三要素を完璧に網羅したダン・ブラウン作品は、次はどこで、何をテーマにするのかと毎回楽しみで、今回は特に全デスティネーションが私の行った特に好きな所だったため、本当に映像で見るのを楽しみにしていました。   もちろん、映画の感想としてはやはり本を読む方をお勧めします。映画だけだと少しテンポが速すぎて「なぜ次はそこ?」と移動についていけない人もいるのではないかと心配します。そして大胆にも結果が違う!まあ、映画の結論はやはりハリウッド的と言うべきで、元々私は荒唐無稽なほどのハッピーエンドが嫌いではありません。映画とはそうであるべき…とさえ思います。その時の観る側の状態にもよると思うのですが、とても疲れている時にストレス発散として映画館に足を運んだのであれば、ハッピーエンドでスッキリしたいじゃないですか。「ああ、良かったね!」と。   とはいえ、デイヴィッド・フィンチャー、デイヴィッド・ソダーバーク、デイヴィッド・クローネンバーグ(うわっ!全員デイヴィッドだった!)とかのめちゃくちゃ後味の悪い映画を作る監督も大好きなんですよね。ってことは、その時の私は結構元気で平和ってことでしょうか。だからこういった作品を興味深く受け入れられるのかも。This is lifeとね。   で映画『インフェルノ』に戻ると、やはりめちゃくちゃフィレンツェを再訪したくなります。『天使と悪魔』を観てめちゃくちゃローマを再訪したくなり、やっと果たした時にフィレンツェにも行って、その時には以前行けなかったヴェッキオ宮殿の『秘密の通路ツアー』に参加しました。でも、その時通ったいくつかの隠し扉にアルメニアはありませんでした!やだ〜、一体秘密の通路はいくつあるの〜?生きているうちにヴェッキオ宮殿の秘密の通路全部通ってみたいです。バケットリストその2。 ところで、屋根の無い博物館と言われるローマに対して、フィレンツェは屋根の無い美術館と言われます。まさにその通りで、フィレンツェにある建造物はその物自体が巨大な美術品です。そんな多くの美術品に魅せられる人は世界中に数多くいるし、そういった人がダンテを愛するのも決して不思議なことではないし、そういった人が科学者であっても大富豪であっても統計学的に言って決して不思議ではありません。なので、今も世界のどこかにゾブリストのような人が現実にいるのではないか?なんて考えてしまうんですよね。   調べてみるともう10年も経っていましたが、2006年アル・ゴア元副大統領のドキュメンタリー映画『不都合な真実』には深く感銘を受け、傾向しました。今回、フィクションと分かりつつもダン・ブラウンの映画『インフェルノ』を観て、その時の焦燥感が蘇ってしまいました。 ゴア氏があれほど警告していた地球温暖化は、この10年間も着々と進んでいます。そこからの各地の大災害は、ゾブリストの言う地球からの警告なのかもしれないと思ったりします。中世のヨーロッパでペストが大流行し、人口が激減したのちにルネッサンスが生まれたというゾブリストの理屈は、とはいえ確かに歴史が証明しているわけですからね。ゾブリストは、地球消滅、いえ地球自体が消滅するわけではありません。地球上の人類を含めた生命体が消滅する時を『真夜中』と表現し、地球の、人類の歴史は現在23時59分だと、「A minute to midnight.」と警告します。   『ラスコー展』でクロマニヨン人を知り人類の進化に思いを馳せた結果、ここ100年、ここ20年の進化があまりにも過去数万年の中において異常スピードなのではないかと思った週に、大好きなダン・ブラウンの最新作映画を観てまたまた真夜中まであと1分!と危機感を覚え…さて、ゴア氏はこの『インフェルノ』を観るでしょうか。観たらどう思うでしょうか。 ゴア氏の著書『不都合な真実』から。その後私は冷蔵庫を最新の省エネ製品に買い替え、コンビニやスーパーでは極力レジ袋を断り、冷房も暖房も最低限にするよう心がけてきました。けれど、私一人がそんな努力したところで、地球温暖化は何も変わりません。   2000年の大統領選挙で、ゴアではなくブッシュを選んでしまったアメリカ合衆国の人々は、16年後今度はトランプを選びました。(決してゴアとヒラリーは一緒ではないので、今回は非常に難しい選択だったとは思うけれど)今後どうなる世界。せめて私たちに出来ることとして、ゴア氏の言う10の事以外にもう一つ。選挙があったらそれが国政だろうと都知事だろうと市町村だろうと、なるべく若い人を選ぶべきと思います。「どうせ俺は先に死んじゃうしね」とは考えない自分の将来も関わってくる若い人を…ということです。   地球温暖化では、むしろ冬はより寒くなります。今週、東京は11月だというのに雪が降るという予報が出ています。東京ですよ。雪なんて一冬に降っても2-3日程度だったのに。それも2月あたりに。映画『インフェルノ』を観て、その結末に、いずれにせよフィクションと分かっていても、絶対に原作の結末の方が良いのでは?と強く思ったのでした。世のため人のために。公私混同ならぬフィクションと現実の混濁ですね。今体調が悪いからでしょうか。急激な寒さの中、どうぞ皆様風邪やインフルエンザには気をつけて下さいね!    

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