Amy's This Week

2021.11

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2021.11.15

11/8-14, 2021 イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展と、『ほんとうのピノッキオ』

全国的に新型コロナ新規感染者数が低値安定の昨今。東京もかなり落ち着いてきたので、コロナ前までは毎月のように東京に遊びに来てくれていた静岡市の友人と久しぶりに会えました。彼女も大の美術ファンなので、一緒に三菱一号館美術館で開催中の『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展』に行って来ました。

私は有楽町駅から、彼女は東京駅からということで、直接美術館前での待ち合わせ。通り抜けた東京国際フォーラムは、すっかり秋色に染まっていました。

さて、私の周囲にはイスラエルに行ったことのある人はいません。私もいつかは行ってみたいけれど、なんとなく怖さもあって、どうなることやら。そんなあまり身近に感じられることのない国の博物館からやって来たという作品群。印象派の作品は見慣れたものが多い中、イスラエルからの作品には大きな期待がありました。

額ごとの作品は撮影OKの作品で、額無しは公式サイトからと、購入した絵ハガキからです。感動した作品を挙げていきますね。まずは『水の風景と反映』コーナーから、いきなり最近とても好きになったセザンヌです。『川のそばのカントリーハウス』。もちろん、プロヴァンス地方でしょうね。

両側にある木々が川の両側であるなら、中央のカントリーハウスはちょうど川がカーブしたところで正面に見えるのでしょうか。面白い構図を見つけたものです。木々はセザンヌらしい光を取り込んだ景色の描き方で、対するカントリーハウスはくっきりと描いていて、そのタッチの対照が奥行きを出しているように思えます。良い感じ。

次の『自然と人のいる風景』コーナーでもまずはセザンヌ。『陽光を浴びたエスタックの朝の眺め』。光を描く印象派らしく、全体が朝日を浴びて光っているよう。観ているこちらまで眩しくなりそうです。

こちらはシャルル=フランソワ・ドービニー『花咲くリンゴの木』です。ドービニー!名前は聞いたことがあっても、コレといった作品が浮かびません!ふむふむ、モネやゴッホも愛したバルビゾン派から印象派に橋渡しをした人とか。これはさすが馴染みの無いイスラエル博物館ならでは!リンゴの花(蕾)のほのかなピンク色が光と混ざり合って、木々からホワ〜とオーラが出ているようです。素敵!

そしてこれもおお〜!!っと思わず声が出そうになった初めて観るゴッホ。『麦畑とポピー』です。後方の麦畑と空のタッチを同じ方向にすることで風や注ぐ光を感じさせ、それを受け止めるポピーの花々。しばらく動けなくなりました。また数ある展示室の中で一部屋だけ撮影OKで、そこにゴッホが2点とは嬉しい限りです。撮影OKの作品をどうやって選んでいるのでしょうか。選んだりせず、全作品OKには出来ないのかな〜?

もう一つのゴッホ作品がこちら。『プロヴァンスの収穫期』です。空が上のポピーの咲く春と対照的に、すっかり秋になっていますね。どちらも制作時期は1888年ですが、こちらはわずか1日で仕上げてしまったようなスピード感が表れているようです。

そんな早描きゴッホに対して、どれほど時間をかけて描いたのだろう?と驚愕させる緻密な筆遣いのカミーユ・ピサロ『朝、陽光の効果、エラニー』です。近付いて一筆一筆を観て、離れてその見え方を確認し、再び近付いて筆の置き方を見て…と、何度でも前後しながら観ていたい作品です。そしてそんな緻密な描き方の集合体としての全体の光!なんかピサロって凄い!

もう一点ピサロ。『豊作』です。上の作品より6年前に描いた作品でした。そう知って観ると、この後緻密さに磨きをかけていった変遷が分かる気がしました。

さてこちらはレッサー・ユリィの『風景』です。レッサー・ユリィ、初めて知った名前でした。ポーランドに生まれ11歳で父を亡くしてベルリンへ。その後ずっとドイツで活躍したそうで、ああ、この人を知っただけでこの美術展に来て良かった!と思ったのでした。ドイツか〜。全体的に良い意味で柔らかくない北方を感じさせる風景に、妙に惹かれました。決して写実的な描き方ではないのに写真のようにも見えます。なんか素敵。

こちらもレッサー・ユリィ『赤い絨毯』です。レッサー・ユリィが日本で紹介されたのは、今回が初めてだそうです。さすがイスラエル博物館!三菱一号館美術館も、このコロナ禍でよくイスラエルから作品を借りてきてこんな美術展を開催してくれました。素晴らしい!この『赤い絨毯』も、なんて表現すれば良いのか分からないのですが…これもなぜかとても惹かれます。どこか現代風にも見えますが、年代を確認すると1889年作。王道な印象派時代ですね。これは…私、大好きかも!

レッサー・ユリィ大好き!!となった決定打がこちら『夜のポツダム広場』です。1920年代半ば…ということで、ユリィは長生きしたんですね。これはもう、ベルリンで私も歩いたところです!夜最高!雨最高!レッサー・ユリィ最高!三菱一号館美術館ありがとう!素晴らしい人を教えてくれました。

…ともう大興奮した美術展の最後はピエール・ボナールの『食堂』です。多くの食堂を描いているボナール。ここでもいつもの猫探しをしたところ、今回は猫ではなく犬でしたw このワンコ。これからご飯でペロンとしてる?w ボナールの作品は登場する人の表情が明るいわけでも、活発な動きがあるわけでもないのですが、全体の色合いが暖かく、ちょこんと登場する動物がほんわかとさせてくれるんですよね。大好きです。

というわけで、印象派というとわりと見飽きたイメージがありましたが、今回は初めてのゴッホ作品に興奮し、初めて知ったレッサー・ユリィに大感動し、期待を遥かに大きく上回りました。さすが未知のイスラエル博物館!一緒に感動した友人曰く、コロナ禍でどこも観光客が減少している今こそ、海外の美術館は良い作品をたくさん貸し出してくれるのでは?とのこと。確かにそうかもしれません。そしてそうだとしたら、そんなところに早々に目をつけた三菱一号館美術館は本当にさすがでした。美術品の海外輸送技術世界一と言われる日本ならではで、これからもレアな美術館から良い作品をガンガン借りて紹介してほしいです!

大満足した美術展のあとは、数寄屋橋の東急プラザで美味しい焼肉ランチをしました。

食後は屋上で食休み。

メゾン・エルメスを上から。ソニープラザの跡地は工事が始まっているんですね。ビルが建ったら、メゾン・エルメスの側面はまた隠れてしまいますね…。てっぺんの馬上騎士像が両手に持つのは旗ではなくエルメスのカレ(スカーフ)だとご存知でしたか?(私は最近知りましたw)季節によって交換されているそうですが…ここから見下ろしてみても、やはりどんなカレかは分かりませんでした。雨ざらしになるのに…なんて贅沢なんでしょうね。

 

そんな大満足の週の一本は、『ほんとうのピノッキオ』です。 まずは久しぶりの前編イタリア語作品。それだけでも新鮮だし嬉しいのに、グロテスクさと美しさの融合というか、これぞヨーロッパ!なところが良かったです。また過去のイタリア作品はどうもスローテンポなところが苦手だったのに、全く退屈する暇なしの展開。これにはディズニーも、ピノキオはまだ実写化していないので比較されずに済んで良かったかも…www(ロバート・ゼメキス監督トム・ハンクス主演で今後の予定はあるとか)

とにかく汚れるシーンすら綺麗でした。ピノッキオの顔はCGではなく毎回4時間かけての特殊メイクとか。子役ちゃんも頑張りましたね。メイクアップでアカデミー賞獲らせてあげたいです。

妖精も子供の時、大人になってから、どちらも綺麗でした。大人の妖精役は、ルイヴィトンの広告にも出たことのあるモデルさんだそうです。

普通に映画を観ただけなのに、鑑賞後には芸術作品を観たような感覚になりました。それほど映像が美しかったし、イタリア語であったことの特別感があったのだと思います。海外公開用に英語吹替版も作られたそうですが、日本ではオリジナルのイタリア語のままで本当に良かった。いずれにしても日本では字幕ですもんねw 徹底して丁寧に制作された衣装やメイクに、大人もたっぷり楽しめ満足出来るおとぎ話でした。

 

さて、この週ついに予約していたiPhone 13 Proが入荷して、私の手に収まりました!なんとiPhone 7を4年7ヶ月使用していたんですよ!w 7を手にした時は、私が欲しい機能全部乗せだと思ったので、とことん使い倒そうと決意していました。で、もう良いでしょ、ってことでw なので、今回も十分に使い倒す決意です。中身を移すのが面倒だと思っていましたが、わりとあっさり出来ちゃって、あとはメール設定だけ…というところで力尽きた週末でしたw これから頑張ります!