2/20-26, 2017 ティツィアーノ展と『ザ・ナイス・ガイズ』

あっという間に二月も最後の週。細々としたことが立て込み忙しい週でしたが、取り立ててイベントは無かったので、少し前に行ったティツィアーノとヴェネチア派展のことを。 15世紀にフィレンツェで起きたルネサンスは、その後ローマとヴェネツィアへ広がりました。宗教は何も無い貧しい地域で広まりますが、美術はやはりお金のある都市で広まるんですね。   どうしてもルネサンスの画家…というとフィレンツェの人たち=ミケランジェロ、ダヴィンチ、ラファエロ…などを思い浮かべてしまいますが、綿密なデッサンに基づいて彫刻のように立体感を表したフィレンツェに対して、ヴェネチアの人々はいち早く油彩絵の具を取り入れ、豊かな色彩と光で立体感を描いたと言われています。ルノワールが憧れたというのも、そういったところにあるのでしょう。   そんなヴェネチア派の中心人物がティツィアーノ。彼の代表作とも言えるのが有名な『フローラ』です。その艶やかな肌とバラ色の頬から、右手に持っているのはバラの花と思っていたら、実際はバラと、ライラックとスミレの三種だそう。初めて知りました!これだけでも、今回上野まで足を運んだ甲斐があったというものです。またこの艶めくお肌の質感は、確かにのちにルノワールに影響を与えたというのが分かりますね。 また今回の展覧会では、彼の代表作『ダナエ』が初来日です。ティツィアーノは生涯何作も『ダナエ』を描いていますが、来日したのは最初期のもの。ゼウスが黄金に化けてダナエに降り注ぐシーンで、他のダナエでは侍女が布を広げて降り注ぐ黄金を受け止めようとしているのですが、来日した作品はそんな強欲侍女の代わりに驚く可愛らしいエロスが描かれています。こちらの方が好き。 この『ダナエ』を見たミケランジェロが、その色使いに脱帽した…という逸話も興味深いです。「しかし、もっとデッサンを学ぶべきだ」とも言ったそうで、いかにも偏屈で自称彫刻家というミケランジェロらしいです(大好き!)。   今回の展覧会の超目玉はこれら二点だと思いますが、その他にもヴェネチアを代表する画家たちの作品はどれもソフトで、豊かな色彩に溢れたものばかり。いきおいキラキラとヴェネチアの水面に反射する光を思い浮かべました。 かと思うと、迷路のような細い路地に入ってしまいいつの間にか水路に出て行き止まり。いつまでも明るい広い場所に戻れないかもしれないと迷子になる恐怖に襲われたり…。ヴェネチアは光の明暗がはっきりとした街だったように思います。それが絵画にも現れているのかもしれません。そんな超明るいところと薄暗い細いところを行き来するゴンドラは、乗る前はちょっとバカにしていたのだけど、実際乗ってみるとやはりとっても楽しかったのでしたww 光と影が織りなす美しいヴェネチアを映画で見たいと思ったら、最近では『インフェルノ』を思い出しますが、やっぱりジョニデとアンジーの『ツーリスト』が良かったですね〜❤️ ヴェネチアの魅力がたっぷりでした。ローマは屋根の無い博物館、フィレンツェは屋根の無い美術館、と言われますが、ヴェネチアはとにかく『水の都』。車の無い世界はまったくの別世界です。他に類を見ない独自の魅力がありますね。   とはいえ、今回ティツィアーノとヴェネチア派展に行って一つ、気づいたことがありました。これほど魅力的な街で、魅力的な芸術家が育ったのに、なぜか作品群はフィレンツェやナポリに多く所蔵されているようでした。勝手にその理由を考えてみたのですが、もしかしたらヴェネチアの総督をトップとする徹底した共和制国家というスタイルが仇となり、地元の美術が分散してしまうという結果になったのかもしれません。フィレンツェはメディチ家という独裁者がいたので、美術も独占して守られたのです。そう考えると、やはりこの世の全ては表裏一体。光と影で成り立っているのですね。   ということで、ヴェネチア・ルネサンスはヴェネチアでは一気に見ることが出来ないので、こういった美術展は非常に有難い機会ということになります。しばしヴェネチアという別世界に思いを馳せるためにも、ぜひオススメです!東京都美術館で4月2日までです。 http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_titian.html     さてこの週の一本は、脳みその箸休め。心に一服の清涼剤。『ザ・ナイス・ガイズ』です。 アクションとお笑いとお色気と…これぞ王道の娯楽作品というものです。 来週のお楽しみ『La La ランド』のライアン・ゴスリングを一足お先に観たわけですが、どうなんだろ? 絶対こっちを先に観ておいて良かった気がしますww     また、お久しぶりのラッセル・クロウがまあなんとも伸び伸びとしていることかww  ラッセルと言えば、どうしても苦悩を抱え込んだ寡黙な男の役が多かったのですが、実際の彼は暴力野郎だし(暴力で逮捕歴あり)、あのメグ・ライアンを不倫に引き込み離婚に追いやり、その結果捨てたという…本当にロクでもない男で知られていますww  なので、この『ザ・ナイス・ガイズ』では、 地のままか?というくらい、自然で楽しそうww 役者が楽しそうなのだから、観ていて楽しくないわけがありません。 ロクでもない男(ラッセル)と情けない男(ライアン)のコンビが思い切り笑わせてくれて、身体中の筋肉を弛緩させてくれますw  こういう映画って、必要なんですよね。さらに、ませた13歳のライアンの娘役アンガーリー・ライスちゃんが可愛いことこの上なし。これから美人になっていくのだろうな〜。 そういえば、懐かしいキム・ベイシンガーも登場します。もう63なんですね。整形やり過ぎて目の周りやほっぺがパッツンパッツンになっていますが、これもまたハリウッドですね。年配の女優さんを見る基準が、「やり過ぎ」か「ちょうど良いか」になっているのもどうかと思いつつ、しょうがないのかな〜ww  まあ女優さんに限らないし、それを言ったら海外にも限らないし。   ともあれ、とっても楽しい『ザ・ナイス・ガイズ』。実は私はご招待券を頂いたのでちょうど良いわ!と思って観たのですが、こういう作品に1,800円出せる人が大人なんだろうな、なんて思いましたww     さ、次週は「ほらね!」のもう3月です。そしてその前にアカデミー賞❤️ そして少しずつ確実に春に近づいていきますね!でもまだまだ油断せずに、皆様、どうぞ体調管理に気をつけて下さいね!

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