Amy's This Week

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2017.02.19

2/13-19, 2017 第59回グラミー賞とマリアンヌ

「2月は逃げる」…と言われるくらい、昔から2月はあっという間に終わると言われています。実際に他の月よりも2-3日短いのは確かですが、イベントが多いと時間が経つのが早く感じられますよね。豆まきから始まり、ヴァレンタインにグラミー賞、そしてアカデミー賞。そこに金正男暗殺事件が起きたこの週。つくづく北朝鮮、怖い国です。マサオさん、良い人っぽかったですよね。可哀想に…。 ヴァレンタインといえば、相変わらず日本だけが「女子から男子へチョコレート」という日本のチョコレート業界が勝手に作った営業戦略に乗っていて、すっかりガラパゴス習慣となっています。今やハロウィーンも定着しているし、SNSで海外の情報もナマで入る時代だというのに、いつになったら日本の男はこの日女へプレゼントするようになるのかしら。てか、そんな時は来ないのか? 日本の女性の皆様、ほいほいチョコレートを買いに行ったりしないで、本来の意味を踏まえて、男性に素敵なレストランでのディナーとプレゼントの催促をしましょうよ!! さて第59回グラミー賞。今年はビヨンセとアデルの一騎打ちと言われていましたが、終わってみればアデルの五冠達成。この貫禄に、まだ20代だということを忘れてしまうところ、スピーチでビヨンセに言った「私のママになって欲しい」というセリフが全く嫌味ではなく素直な様子で、20代であることを思い出させてくれました。 対するビヨンセも、かなり長く活躍しているイメージがあるので、もう40代くらいかと思えばまだ30代半ば。今回は双子の入った大きなお腹での圧巻のステージでした。当然大きな動きは出来ず、歌う時は椅子に座ったままなのに、それがまた本当に神々しくまさに女神の降臨状態。さすがなディーバでした。 それほど素晴らしいパフォーマンスを披露したビヨンセだったのに、結果的にはアデルが賞を総ナメしたことに「グラミーは人種差別的」という声もありました。グラミーで賞を選出する審査員たちに年配者が多いので、考えが古く人種差別をしている、というのです。その通りなのか、そうではないのかは分かりません。ただ私が感じたことは…グラミーは英国コンプレックスがあるのかしら? 今回の司会者はジェームズ・コーデン。俳優兼コメディアンとのことですが、アメリカでは深夜のトーク番組司会者として有名になりました。初のグラミー大舞台で登場したとたんに階段を転げ落ちるという身を呈した離れ業を披露し、片方の靴が脱げたままの司会で会場を沸かせたのは大したものです。またショウ中盤では、「僕は知名度が低いからこんな扮装をさせられた」と車の着ぐるみ(?)で登場し、彼の番組内の人気コーナー『カープール・カラオケ』を模して多くのアーティストと共に(もちろんご本人ありきで)ニール・ダイヤモンドの『スウィート・キャロライン』の大合唱。会場中が盛り上がった様子がテレビでも伝わりました。ビヨンセの子供が「私も、私も!」と寄って来たのは本当に可愛かったですね。 そんなジェームズ・コーデンの司会は大成功だったと思いますが、この人の英国アクセントが物凄い!敢えて強調しているかのよう。でも大概のアメリカ人はこうした英国アクセント大好きですよね。「頭良さそうに聞こえる」とか「すごく品があるように感じる」など。某米大物人気バンドのフロントマンも英国人が大好きで、一時はマネージャーやマネジメントのスタッフ、そしてツアー・マネージャーまでも英国人でまとめていました。当時彼は言っていましたね。「周囲をイギリス人で固めると、格が上がる感じがするだろ」とw その後彼の周囲にはアメリカ人が増えましたが、それは単に仕事で選んだ結果だと思います。それでも、自身のモニターエンジニアは今でもイギリス人。好みは変わっていなさそうです。…とそんなこんなで、私はふと、グラミーの審査員たちも、ビヨンセよりもアデルとは単にアメリカ人たちの英国コンプレックスかな?と思ったのでした。   ビヨンセvs. アデル以外にもこの日のハイライトは沢山ありましたが、ロック・ファンとしてはやっぱりメタリカ&ガガでしょう。ジェームズ怒っていましたね〜w  テレビ放映では、ナマではジェームスのマイクが音出ないというアクシデントそのままながら、字幕放送の録画ではちゃんと修正して音を出してくれていました。何も知らないまま録画だけを観た人には、なぜジェームズが怒っていたかは分かりませんねw   アデルがジョージ・マイケルのトリビュートの時に、音程がズレていたことに気付きそのまま続けることを良しとせずに謝罪しつつ始めからやり直したことに、会場でもネットでも好意的な反応だったと思います。私も、確かに生放送ですからその後の時間調整など影響は出るとしても、司会はそういったことをしながら進行するのが役目でもあるし、本人が納得出来ないのであれば「良いんじゃない?」と思いました。でも、ジェームズは、ガガは、そうしなかった。後にラーズが言っていました。「だって、Show must go onだろ?」と。そして彼らはその怒りを声に、サウンドに込めて、鬼気迫るパフォーマンスで最後までやり通しました。これぞロックじゃないですか ?「良いんじゃない?」どころか「素晴らしい!!」   怒り心頭のジェームズは、よく見ていると二回もマイク・スタンドを蹴り倒していますねw 最初は「こいつ、使えねーじゃねーか!」とばかりにえいっ!でも二回目は?途中ですぐにトラブルは治されたそうなので、たぶんクルーがすぐに音が出るマイクをセットして、もう一度ジェームズのマイク・スタンドを元の位置に立てたのでしょう。でももう怒ったジェームズはそれを使わず最後までパフォームし、終わったところでもう一度「このやろ〜!」ww  そしてテクに向かってギターを放り投げ…ww  ああ、ジェームズカッコ良かったよ❤️ この時ガガが着ていた、メタリカTシャツのカスタマイズぶりも良かったですね。余談ですが、このグラミーでのレディ・ガガのワードローブ(衣装担当スタッフ)は数名のチームでしたが、メインの一人はかつてジョー・ペリーのワードローブでした。彼女のロック・テイストが見事にガガの衣装に表れて、メタリカとの共演をより印象的なものにしましたね。   そして私自身が一番嬉しかったのは、待っていました!プリンスのトリビュートです。まずはプリンス・ファミリーのザ・タイム!プリンスの幼馴染であるモーリス・デイとジェローム・ベントンは驚くほど変わっていませんね!!あのステップ、あの鏡!w  プリンスのトリビュートであれば是非ウェンディ&リサにも出て欲しいところでしたが、ザ・タイムがここまで見た目も30年前と変わっていなければ、現在のウェンディ&リサが出るのは難しかったのが分かります(泣)。ああ、やっぱり女の方が年齢重ねるのって難し〜(涙)。 そんな往時そのままのザ・タイムによる2曲に続いたのは、プリンスを彷彿させるパープルのジャケットに白いブラウスを着たブルーノ・マーズの『レッツ・ゴー・クレイジー』でした❤️ ギターもプリンス仕様です。司会のジェームズ・コーデンが言っていましたね。「グラムがファンクと出逢い、ロックがファンタジーと出逢い、そしてレザーがレースに出逢った結果がプリンスだ!!」と。ブルーノ・マーズが自らギター・ソロも弾いたところも、プリンスへのトリビュート感満載で素晴らしかったです。 …とまあ、2017年のグラミー賞たっぷり堪能しました。パフォーマンスではありませんが、お酒片手にノリノリで観客席にいたリアーナのビッチぶりも良かったなw   他にも見どころ満載でしたが、とても書ききれないので以上私の私見ハイライトですw  さて、また来年はどうなるのか既に気になりますが、是非『24kマジック』でブルーノ・マーズに賞を総なめにして欲しいものですww そんな週の1本は『マリアンヌ』。ブラッド・ピットのファンには超嬉しい、王道の苦悩する王子様的作品でした。 第二次世界大戦のヨーロッパやその植民地を舞台にした悲愛は、『カサブランカ』(スティーヴン・タイラーが大好きだと言ってたっけ)の時代から多くの映画が作られていますが、この『マリアンヌ』も名作として長く残りそうな良い作品でした。以下、ネタバレ含むのでご注意下さい。 監督はあのロバート・ゼメキスです。それだけでたっぷりと美しい哀しみに浸ることが出来るし、その結果涙を流す人も少なくないはず。最後の後日談的シーンは、いかにもゼメキス風で嬉しくなりました。ありがとう。やっぱりそうでなくっちゃ!と。 でもちょっと待って。脚本が『イースタン・プロミス』のスティーヴン・ナイトなのです。あの『イースタン・プロミス』ですよ!暗いんですよ。裏があるんですよw  そう思うと、もうこの美しいマリオン・コティヤール扮する妻をどこまで信じて良いのやら。ブラピの苦悩が胸に刺さります。でも、ブラピも戦争下のプロの工作員。分かっているんですよね。でもとにかく「信じたい」。ああ、可哀想なブラピ…(涙)。 子供への愛が本物なのはその遺書にもあり、十分わかります。自分が産んだ子供だもの。でも、夫って結局は赤の他人だったわけで…。愛が何にもまして自分にとって最も大切なものとなったら、女は夫に全てを話しますよね。『マリアンヌ』は、もしかしたら『ゴーン・ガール』さながらに女の恐ろしさを描いた作品かもしれません。どう受け取るかはアナタ次第…ってところでしょうか。 今から70年以上前に作られた『カサブランカ』(1942)では、女性は美しいけれど意志を持つことがなく、運命に翻弄される哀しみが描かれていたと思いますが、この二十一世紀に作られた『マリアンヌ』(2016)ではレズビアンのカップルも登場し、同じ場所、同じ時代を描いていても、そこはやはり「現代」なのです。私は「ああ、女って怖いわ!」と思う方に一票です。いずれにしても、50過ぎたブラピは若い頃よりずっと魅力的になっているので、それだけでもオススメ作品です。そして、マリオン・コティヤール演じる妻を信じるか否かで、アナタのひねくれ具合、いえw  洞察力の有無が分かるかも?ですww 清水富美加が幸福の科学信者だったとか、湖池屋ポテトのCM JKが歌うま過ぎとか、いろいろな女性が話題になっている今。ともあれ戦時下ではなくて良かったです。さ、次はアカデミー賞ですね!東京は突然21℃という暖かい日もありびっくりでしたが、まだまだ寒い日が続きます。皆様、引き続き風邪やインフル、ノロにお気をつけて〜!!