Amy's This Week
2024.04
4/15-21, 2024 『インフィニティ・プール』とクローネンバーグ親子
相変わらずじんましんは消えないまま決算に追われています。それでも週に一本は映画を観たい!と言う切実というか切羽詰まった想いで、朝8:15からの回という手段にでましたw それも変態監督の息子の変態作品(たぶんw)です。実際行ってみるとまあ朝8時から変態映画を観る人がずいぶんといるじゃないですか!ww なんだか観る前から嬉くなっていたのでしたww
この週はとにかく地味に仕事していたので、他に書くことがありません。そこで今回はじっくり私の大好きな変態クローネンバーグ監督とその息子について書きたいと思います。まずはこの週観た『インフィニティ・プール』。なんといってもミア・ゴスです。この人が出るというだけで、変態作品決定ですw
監督は鬼才デヴィッド・クローネンバーグの息子、ブランドン・クローネンバーグ。いや〜それにしても、ここまで見事に父の跡目を継いでくれる息子がいるなんて、デヴィッド・クローネンバーグ監督は幸せでしょうね!ガッツリ満足して引退できそうですw いや、息子に対してライバル心が芽生えてさらに頑張っちゃうかも?ww
どこかの南国リゾート地にヴァケーションに行き、そこで巻き込まれる事件というか、事象というか、ひいては人生というか…そんな内容ですw そりゃあ突然ミア・ゴスに話しかけられたら不気味過ぎて、何も言い返せないままズルズル狂った世界に引き摺り込まれるのめちゃ分かります。ヤバいですww
いかにもアメリカの白人社会にとっての「訳の分からない国」設定で、南国リゾートで文字は何やらイスラム系。私だってイスラム教の国に行く時は構えます。良い人悪い人はどの国にもいるとは思いますが、イスラム教国にはどこか私には理解出来ないところがあり、人間の本能として理解出来ないものは怖いのです。そこがミステリアスというかエキゾチックで観光するには興味深いんですけどね。
取り敢えず、オープニングの景色を見下ろす映像表現から歪みまくって、お〜!出た出たクローネンバーグ!と頭からニヤニヤしてしまいましたw
そんなわけで、訳の分からない場所で訳の分からない人に出会い訳の分からないことに巻き込まれ…結果的にはミイラ捕りがミイラになったというお話かな。こう書いてしまうと呆気ないほどシンプルなのに、いちいち気味の悪い表現なのはさすがなクローネンバーグ監督。ブランドンではなくデヴィッドと言われてもああそんなの、と思うほど父っぽさがあり、今や立派なクローネンバーグ印という感じで大満足な作品でしたw
元々私が父のクローネンバーグ監督を知ったのは『クラッシュ』(1996)でした。先日ジェイムズ・スペイダーが大好きだったと書きましたが、そのジェイムズが出演していたからです。
ジェイムズは相変わらず美しかったです。が、変態でしたwww ジェームズってなんでこんな役ばかり演るかな〜ww
もう観た時はまじヤバい!と思いました。異様な世界だったからですw 意味が分からずその後テレビも含め、3回は観たと思いますが、やはり異常な世界。ただ私ももう大人なのでw この世にはあらゆるフェティッシュが存在し、これもその一つと受け止め、理解する必要は無くただ眺めるように観れば良いのだと悟りましたw
これですっかりデヴィッド・クローネンバーグ監督にハマり、遡って『ザ・フライ』(1986)や『スキャナーズ』(1981)を観て、すっかり変態だと思っていたら、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)でいや、天才だ!!と思ったのでした。ヴィゴ・モーテンセンを知ったのも遅ればせながらこの時。最高でした!
エド・ハリスやウイリアム・ハートも出ていて、クローネンバーグ監督はめちゃ良い俳優使うじゃない!と思っていたら…ついに私にとって同監督史上最高作品が登場したのです。『イースタン・プロミス』(2007)です。
寡黙で謎でめちゃ強いヴィゴ・モーテンセンは相変わらず、いえ過去作に輪を掛けて最高にカッコ良かったし、何と言ってもヴァンサン・カッセルのダメっぷりも素晴らしかった!初めてロンドンに行った時は思っていた以上に人種のるつぼで、実際ロシア人街やイスラム圏街、インド人街に驚いたものでしたが、この作品でロンドンのロシア人街ロシアン・マフィアの恐ろしさを知りました。
そしてそれまではただ変態監督と思っていたデヴィッド・クローネンバーグ監督が、ある意味やはり変態ながらそれを昇華させた素晴らしく不気味で美しい人間ドラマを描くようになっていて、本当に大好きな監督になったのでした。そんな監督も今や81歳。最近の『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』(2022)ではやはりヴィゴ・モーテンセン主役で、またもや不可解な変態作品だったのがむしろ安心した感がありましたw
…とデヴィッド・クローネンバーグ監督が素晴らしい変態監督で大好きだったのにもう80歳過ぎてしまったのか…というところで登場したのが息子のブランドン・クローネンバーグ監督でした。クローネンバーグ父のファンは『ポゼッサー』(2020)の訳の分からない不気味さに狂喜乱舞したと思いますw 私もその一人。息子がここまで父の魅力を継承してくれたなんて。
女性が主人公なところに現代っぽさを感じ、また不気味さにメカニカルというか科学的な要素を加えているのが『インフィニティ・プール』を含め、父と比べて若い世代を感じます。それでも今回ようやくクローネンバーグ親子の徹底して貫かれているテーマが分かりました。それは「私は俺は誰だ?何なんだ?」ということです。
全ての作品の主人公がそうした自問自答に苦しみ、もがき、やがて判らないことを受け入れていく。これはまさに観ている側の我々ファンも同類化させられて、さらにこれは根本にデヴィッド・クローネンバーグ自身がそうであったろうし、その息子もその他の世の二世たちと同様、父の呪縛から逃れようとしながら囚われていることに気づき、もがきながら受け入れていく…。こうして作品、ファン、作り手の三位一体な一つのクローネンバーグ・ワールドが構成されるのです。
きっとファンのみならずこの世の全ての人がその人生において「自分は何なのだろう、何になりたいのだろう、何を目指しているのだろう」と自問自答を繰り返し、それを知るためにもがき喘ぎ生きていくのだと思います。そして最終的にはその全ての過程がその人となりになっているのだ、とクローネンバーグが独特の表現力で示してくれているのかもしれません。
散々クローネンバーグ親子を不気味だ、変態だとコケおろしていますが、もちろんこれはクローネンバーグ親子に対する最大級の愛の表明ですw 人は訳の分からないものに惹かれるのです。見世物小屋、お化け屋敷から始まり、対極では恐ろしく美しい人や、破格に才能のある人、大谷選手とか、藤井聡太八冠とか。クローネンバーグ作品にはそんな人間の本能が刺激され、不思議だ不気味だと思っていたものがやがて面白くなり、ひいては心地良くなってしまう。それが各作品の主人公でもあり、きっと監督自身でもあります。
…とこの週はブランドン・クローネンバーグ監督作品を観て、あとは冒頭に記したように地味に過ごしていました。蕁麻疹に続き過敏性腸症候群がまた襲ってきたような気配もあり、山に行かないとどんどん病んでいきます(泣)。今は5/10公開予定の大好きなグレン・パウウェル主演でまさかのラブコメ『恋するプリテンダー』を観るのを楽しみに、頑張っていきたいと思います。
これは山梨土産です。めちゃ期待して袋を開けたのですが…一口目でえっ?ちょっと待って。もう一口‥え?うそ。さらにもう一口…でめちゃショック。もうダメだ!と泣く泣く残り全部捨てちゃいました。ごめんなさい!不味かったww
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