Amy's This Week
2023.06
5/29-6/4, 2023 静嘉堂@丸の内と、『ソフト/クワイエット』
コロナ禍を挟みほぼ3年ぶりに地元品川の友人と会い、昨年世田谷区から丸の内に移転した(美術品だけ)という静嘉堂文庫美術館の『明治美術狂想曲』展に行ってきました。静嘉堂文庫美術館は文庫という名通り、三菱の創業者岩崎弥太郎の弟弥之助が収集した貴重な書物から成り、現在も書物類は世田谷の美術館にあるそうで、美術品のみ丸の内にやってきました。その名も静嘉堂@丸の内だそうです。
皇居に面する丸の内に美術館を持つことは岩崎弥之助の夢だったそうで、約130年を経てついに実現したんですね。美術館の呼び名が『静嘉堂 in 丸の内』ではなく『静嘉堂@丸の内』というところにも、@マークを使いたかっただけというより丸の内の強調というか、プライドのようなものが見える気がします。
そんな静嘉堂@丸の内は、明治生命館ビルの中ということで美術館前で待ち合わせをしたところ、実際行ってみるとビル自体が大きくて、どこの入り口から入れば良いのか分からずウロウロしちゃいましたw 皇居側で良いのよね?と思っていたら私を見つけた友人が「こっちこっち!」ww なんと、美術館がビルの中にあるって、ビルの中に美術館の入口があったのでしたw これは分からないよ!
美術館入口手前のロビーのようなところもギャラリーになっていて、そこでは誰もが鑑賞出来る展示がありました。美術館の中ではないので撮影もOKにようでした。
思わず目を見張った艶めく花瓶は七宝焼きなんですね。英語の解説では「ペア」とあったのに1個しか展示されていなくて不思議に思いました。
お〜カッコ良い!
てか可愛いw 右から天燈鬼、鉄鉢鬼、龍燈鬼って名前もカッコ良い!でも英語だとA set of standing & sitting Demonsですってw むしろ分かり易いですww
以前、三菱一号館美術館で『三菱の至宝展』があり、その時初めて見て感嘆した国宝曜変天目をもう一度観ることが出来ました。徳川家光が春日局にあげたという奇跡の輝きを持つお茶碗。それを手にした弥之助は、やはり結局は一度も使用することが出来なかったとか。その感覚は庶民と同じですね。でもせめて水を入れてみてどんな風に輝きが変わるのか、あるいは変わらないのか、見てみたい気がします。展示では必ず碗の中央にピンスポットを当てて見せてくれ、本当にそこには宇宙が存在します。
美術館内では撮影禁止なので、出口のLEDディスプレイ(たぶん)を撮影させて頂きました。
…が、一番感動した作品が登場しなかったので諦め、ネット検索してみたら美術館ナビの同展レビューにありました。なので写真はそちらからです。これですこれ!菅原直之助の『刺繍額 鞍馬天狗』(1907) これ刺繍なんですよ!いやもうなんということ!つるんとした絹の質感、パサパサした髪の質感、織物の糸目、羽、木…それら全てが刺繍で表現されているんです!単眼鏡でじ〜っと鑑賞する女性がいて、私もその隣で凝視しながら「1日中観ていられますね」なんて小声で話し合いました。ああ、私も単眼鏡が欲しかった!!!恐るべし明治美術!あっぱれニッポン!!!
お楽しみの物販では、なんと曜変天目のほぼ実物大だという「ぬいぐるみ」がありましたw 以前トビカンで大きなゴッホの黄色い家のぬいぐるみがあって、それが5000円以上もしてて、が超人気で、しかも自分も欲しいと思ったことに驚いて…とかなりうろたえたのですが、その時の感覚を少しだけ思い出しましたww この実物大曜変天目ぬいぐるみも5,800円ですって。それはちょっと高いでしょ。でもこの輝きなに!国宝へのリスペクトを考えれば安いくらい。てかそれがぬいぐるみというこの稀有なイマジネーションの具現化!ううっ(衝動との戦いwww)友人を待たせていなければ買ったかもしれませんでしたw
この静嘉堂@丸の内の『明治美術狂想曲』展は6/4までで終了してしまいましたが、同館収蔵品には菅原直之助の刺繍作品『鞍馬天狗』と対(つい)とも言えそうな『羽衣図』もあるそうで、絶対それも見たい!!ということで、今後も要チェックの美術館が増えました。
そんな週の一本は、『ソフト/クワイエット』です。
ブラムハウスなので有無を言わず見ることに。いや〜強烈でした。一見はどこにでもいそうな普通の女性たちが、実は白人至上主義で、つい調子に乗ってちょっと悪さをしようとしているうちにエスカレートしていくストーリーです。
こんな風に簡単にネタバレしてしまっても、ラストのオチは予想通りでも、その畳み掛けてくる衝撃は実際に観たからこそ。90分ワンショットの映像は気づけばそうだったのかって感じで、それほど疲れることなく自然に引き込まれました。
ただ、引き込まれたと言っても当然後味は良いものではありません。運が悪かったとしか言いようがない犠牲者がアジア人だったことも、不快感の一端でしょう。
何が好きとかどういう思考を持つかは自由ですが、他人を精神的肉体的に攻撃してはいけないという、至って常識的なことが判断つかなくなる人がいるということ、それがつい調子に乗って引き起こされること、そんな人たちが実はどこにでもいそうなフツーの人たちであること…などがとにかく怖いし不快でした。
人種も国籍も性別も性的嗜好も…それらが同じでも異なっても、好き嫌いは自由ですが決して攻撃してはいけないという『常識』を、もっと真の常識として定着させるためにはどうしたら良いのか。それを考える一つのきっかけになるとしたら、良い作品だと言えるかもしれません。ブラムハウスは怖いだけじゃないのかもね。
全国的にお天気が荒れた日本列島。被害に遭われた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。東京も土曜日まで大雨に見舞われましたが、日曜日は台風一過のようなお天気でした。そこで6/4(日)が最終日だった埼玉県の『天空のポピー』に行ってきました。初めての私たちにはかなり遠くて行くのに苦労しましたが、行ってみれば大雨にも負けずに咲き誇るポピーに大感動でした。
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