Amy's This Week
2022.10
9/26-10/2, 2022 今生のお別れ、と『LAMB ラム』
「今生のお別れでございます」と義時は涙ながらに父上に言いました。『鎌倉殿の13人』ついに牧氏の変で、父が伊豆へ追放されることになったからです。もっと父にはそばにいて欲しかったのに、悪女りく(牧の方)の言いなりになったがために、このような結果になってしまったのです。そりゃあ無念で仕方ない気持ち、よく分かります。
今イチ分からないのは、伊豆に追放になったら本当に生涯会いに行けないのでしょうか?鎌倉から伊豆など地続きだし距離もさほど遠くありません。なんなら私でも歩けそう?w 父上が鎌倉に二度と来れないのは仕方ないとしても、義時が伊豆に会いに行けば良いのでは。同じく伊豆に追放になっていた頼朝様には、遠方から兄(頼朝様)に会いに弟たちがやって来たではありませんか。
がともあれ、義時にはこの時が父上との今生のお別れとなったのです。何度録画を観ても泣いてしまいます。亡くなるのですら諦めはつかないのに、生きているのに会えなくなるとは。それも父が実は分かっていながら強欲な妻の願いに対して「ノー」を言いたくなかったがために招いた結果とは。まさに無念そのものです。
そんな強欲な妻りくはわがままで、憎まれ口を叩き、相手を気遣う事なくズケズケと物言いする本当に嫌な女です。が、これがまた宮沢りえさんが綺麗過ぎ、女の私でさえ見とれてしまう美しさなので、憎むに憎めず。どこか可愛らしく思えてしまうのは、やはり美しいと得なのでしょうか。
ドラマとはいえ、そうしたやや子供じみたところのあるりく(義母)に対する政子の凜とした態度があっぱれですね。やはり名を残す人、つまり表舞台に長く留まる事が出来た人とはこういうことなのでしょう。長く表舞台にいたから人格者になったのか、人格者だったから表舞台に長くいられたのか。いずれもが絶妙に絡まった結果なのでしょうね。
長く表舞台にいたといえば…日本の憲政史上最長の首相となった安倍さんの国葬がこの週ありました。武道館のいつものあそこに、こんな看板がかかったなんて、どこか不思議な気がしてしまいます。
国葬は賛否両論ですが、反対の声が上がるというのは民主主義の証拠だし、むしろ100%賛成の方が不気味なので良いのです。でも反対派が70%と発表されましたがそれはどうなんでしょうね。そう思うのは、声高に訴えるのはもっぱら反対の人たちだけだからです。私は…おかしな言い方かもしれませんが、進んで賛成する訳ではないですが、大騒ぎで反対することに反対だという立場です。いわば殉職したような人を偲び丁重に弔おうということに、何も集団で叫んで反対するなんて?いくらかは騒ぎたいだけの人たちもいるのでは?税金の使い道で疑問があるのは、他にいくらでもあるじゃないですか…。
大切な人を病で亡くした場合、ある程度は覚悟が出来ていたかもしれません。それでも、それでもですよ。いざ亡くなればどれほど辛いことか。その喪失感たるや、覚悟出来ていたから大丈夫などということは決してありません。それが交通事故も同様ですが、まして選挙の応援演説って仕事ですよね。仕事中に、それも逆恨みのような形で銃撃されて亡くなるなんて、あまりにも酷いことじゃないですか。私は全く安倍さんを好きだったわけではありませんでしたが、この亡くなり方には猛烈なショックを受けました。なので身近にいた人々のショックはいかばかりか。
友人代表として弔辞を読んだ菅元首相の言葉が胸に詰まりました。詰まったのみならず涙が出ました。弔辞の一部を文章で読むだけで、何度でも涙が出てしまいます。
「季節は歩みを進めます。あなたという人がいないのに時は過ぎる。無情にも過ぎていくことに私はいまだに許せないものを覚えます」
そうなんですよね。もうこの世にあの人は存在しなくなってしまったのに、しれっと毎日朝日は昇る。何も無かったかのように季節は巡る。まさにこの世はああ無情諸行無常です。また伝わったのは、この方(菅さん)は本当に安倍さんのことが大好きだったのだなということです。朴訥な語りぐちだったからこそなおさら、強烈な喪失感が伝わりました。
この週は円楽さんもお亡くなりになりました。まだ72歳ですって。あれほど元気にステージに立っているスティーヴンより2歳も若いのに。病とは本当に残酷なものです。私『笑点』が大好きなんですよ。特に好きなたい平さんとお隣の円楽っちとのやり取りが楽しかったのに。たい平さんの気持ちを思うとツラ過ぎです。円楽っち!早過ぎるよっ!
円楽さんの生前おっしゃっていた感動的な言葉がありました。
「優しさ、人情、愛、友情だとか…」これらは全部落語の中にあるという円楽さんの言葉に、どれほど円楽さんが落語を愛していたかが分かりました。だから周囲の人もそんな円楽さんが大好きだったのですよね。きっと菅さんにすれば、優しさ、人情、愛、友情だとかはすべて安倍さんの中にあったのでしょう。
そして私に言わせて頂ければ、優しさ、人情、愛、友情などはすべて音楽の世界にあると思います。それは私が音楽を、音楽の世界を、音楽を愛する人たちを愛しているから。だからきっと、円楽さん同様この週亡くなった猪木さんにとっては、優しさ、人情、愛、友情はすべてリングの中にあったのでしょう。それほど猪木さんはプロレスを愛していたし、だからこそそんな猪木さんをファンは皆愛したのですよね。
私はプロレスに興味が無かったので、猪木さんの凄さは分かっていませんでした。でもつい最近ですが、やせ衰えてなお病と闘う姿を公開した猪木さんの姿勢に、感服しました。誰よりも強さを求め、強さの為に戦ってきた人がこれほど弱い姿を見せるなんて。弱さを見せることが出来る強さ。これは並大抵にあらず、さすが猪木さんと言うしかありません。
人はいつか亡くなり、亡くなった人とは二度とこの世で会うことが叶いません。今生のお別れとはよく言ったものですが、それはまた、あの世では再び会えるという考えでもあります。そこに少し希望を持ちましょうか。ねっ今生の別れに泣いた皆様!
傷をほじくり返してしまいますが、私はまだダチョウ倶楽部の竜ちゃんが亡くなったショックを引きずっています。それをいえば三浦春馬くんの事もだし、引きずると言うなら芸能人以外の、実際大切だった多くの人たちを亡くした喪失感を引きずりまくっています。そうした喪失感は生涯消えることはないのでしょうね。そして、それは今後さらに大きくなるばかりでしょう。それが年齢を重ねることだと知ったので、だからこそそれでも笑顔で仕事をしている黒柳徹子さんを尊敬するようになりました。お年寄りを敬う理由って、そこだけでも十分な気がしますね。
そんな今生の別れが続いた週の一本は、『LAMB ラム』です。
話題作を続々と送り出す配給会社A24の作品です。私はこの会社のおかげで『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』のヨルゴス・ランティモス監督を知ったし、ヒットした『ミッドサマー』も面白かったです。なので『LAMB』は期待して待っていました!
スリラーとかホラーとカテゴライズする批評もありますが、私はファンタジーだと思いました。アイスランドの秘境とも言える山奥で起きたファンタジー。まあダークなファンタジーですけどね。
幼い娘を亡くした夫婦の淡々とした日々に起きた事件。それによって欲が湧き、身勝手に命を奪い、その報いとして命を奪われ、それが贖罪となり新たな日々が始まる予感…。なかなか面白かったです。私は好き。もう一度シアターで観ようとは思わないけれどw WOWOWでやったら絶対もう一度観たいです。
さて、悲しい今生の別れが続いた週でしたが良い事も。INORAN様のお誕生日がありました〜!INOお誕生日おめでと〜!世界一カッコ良い52歳で〜す!!!セリーヌのTシャツもお似合いだわっ😆!!
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