Amy's This Week

2023.01

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2023.01.09

1/2-8, 2023 ピカソ展再訪と、『離ればなれになっても』

改めまして、明けましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願い致します。初詣は恒例の地元八幡様に行きました。正式名称は旗が岡八幡宮。子供の頃は八幡様といえばここだけだと思っていたので、大きくなり他にも八幡様があるのを知って驚きましたw ローカルな所ながら、毎年1時間近く並ぶんですよ。

昨年ライヴが戻ってきたことに感謝し、今年こそ本格的な悪疫退散となりますようにとお願いしました。

おせち料理を楽しみ、大好きなお雑煮も頂きました。やっぱりこれ〜❤️

さて、私のお正月は地元通いが毎年恒例なので、特にどこに出掛けるなどはありません。なので取り立ててネタが無いので、年末にリピ鑑賞に行ったピカソ展を再び。これ本当に中身が濃いんですよ。で、前回はピカソ作品のみをピックアップしたので、今回はピカソ以外の作品をピックアップしたいと思います。リピ鑑賞の価値大有りでした!

まず最初におお〜っと声が出そうになったのがポール・セザンヌの『庭師ヴァリエの肖像』です。庭師というくらいなので、美しくヴァリエ氏を浮き立たせているバックは大木なのでしょうか。木陰に椅子を置いて休憩中?今でこそマスクをしているのかな?と思ってしまいますがこれは白い顎髭なのかも。とにかく初めて観たセザンヌ作品。とても美しくて感動的でした。

こちらは同じくセザンヌの『舟にて』。国立西洋美術館(ここ)の松方コレクションでした。今まで観たことあったかな〜?『庭師ヴァリエ』と同時期の作品で、似た雰囲気があったのでこれも展示してくれたんですね。セザンヌのこうした鉛筆と水彩の作品は、色使いがとても好き。青、紫、緑…とても綺麗です。今まではこうした色合いのセザンヌ作品は風景画しか知らなかったので、とても新鮮で良かったです。

次にパウル・クレーの作品群。こちら『植物と窓のある静物』。クレー作品といえば、ほとんど抽象的なデザインと見える作品が頭に浮かぶので、こんな具象的な作品は珍しく思えて面白かったです。うんうん、植物に窓ね。そしてそれを見ているボク。ん、室内に太陽と月が出ているのかしら?w わかるようで分からないw これがこうした作品の面白さですよね。でもクレー作品の中では、飛び抜けて分かり易いと思いましたw

これまた面白い!なんと『黒魔術師』ですって。ミスター・クローリーですかw にしてはとても明るくて、黒魔術のイメージとは異なる感じ。禍々しいものを明るくあっさり描く天邪鬼さがクレーの面白さかもしれないですね。

これはだいぶ私のイメージするクレーっぽさがあります。『青の風景』。確かに青が多いかな。

こちら『緑の風景』。これを観てから『青の風景』に戻ると、青が鮮明に浮き出て見える気がしました。青の風景は青空の下の街の風景だったんですね。そしてこちらは緑の森。森の中にポツンと小屋があります。パターンがあるようで無い。クレーの真骨頂ですね。

これまた奇妙な『子どもの遊び』です。え〜どんな遊びなんでしょう?子供の遊びといえば大好きなブリューゲルの『子供の遊戯』が浮かびます。あちらはとても分かり易いのに、400年も経るとこうなるってこと?ww う〜ん、お庭で追いかけっこかしら?『S』の意味は?いやもう気になってだいぶ見つめましたが、全く分かりませんでしたwww

さて、私にとってのハイライトはマティスです。まずは『家に住まう沈黙』墨絵です。ピカソの墨絵も面白かったですが、やはりマティスは一発でマティスと分かりますね。目を潰れば背景が真っ赤に見えるよう。そこを敢えて墨絵で単色にしたことで、沈黙を表しているのかもしれません。

お〜!これぞマティス!!おしゃべりな色合いで『赤い部屋』を彷彿させますが、こちらのタイトルは『青いポートフォリオ』です。これが青?あ、青いポートフォリオありましたね。椅子の上。ポートフォリオの本来の意味を思い出しました。マティスも自分の作品をあの青いポートフォリオに挟んで持ち歩いたのでしょうか。私も中学の頃持っていたな〜。これだけの色合いと情報量の多い作品で、美女(たぶんw)を差し置いて青いポートフォリオをタイトルにするとは、マティスのプライドでしょうか。

ああ〜これも美しい!『ニースのアトリエ』です。ニースっぽい色合い!って私ニースには行ったことないのですがww マティスらしい赤?オレンジ?を少なめに床に配し、地中海の光溢れるニースの海に合わせたようなパステル調の室内は、マティスのニース愛に溢れているようです。ニースにはマティス美術館があるんですよね。シャガール美術館も。いつか行ってみたいです。

こちらもまた、私にとっては新鮮なマティスカラー。『室内、エトルタ』です。エトルタは地中海に面するニースとは反対側、イギリス海峡に面するノルマンディー地方の海の町。リゾート地ではありつつも、ニースのような輝く明るさが無く、しっとりしています。マティスはよく妻子を連れて行ったそうで、ベッドの女性は自分の娘がモデルかもと言われています。道理でセクシーな雰囲気はありませんね。「ほら、天気良いよ」と窓を開ける父に対して、「まだ眠い〜」と窓に背を向けてベッドでグズグズしている娘…w 微笑ましい素朴さがありますね。この作品と『青のポートフォリオ』が裏表になったブックマーカーを買いました!

最後に、これはマティスの最も有名と言っても良さそうな『ダンス』を彷彿させます。『雑誌《ヴェルヴ》第4巻13号の表紙図案』です。なるほど、だから『VERVE』の文字が散らばっているんですね。切り紙作品です。切り紙であれば重ねて切れば良いものを、文字はそれぞれ個別に切っているようで、マティスが切り紙を楽しんでいるのが伝わる気がしました。

以上、ピカソ展で私が狂喜乱舞(大袈裟w でもマティスの『ダンス』へのオマージュですw)したセザンヌ、クレー、マティス作品でした。ホント、ベルリンのベルクグリューン美術館サイコーでした。

さて、追加で私の大好きなここ国立西洋美術館の常設展から少しだけ。セザンヌ『ポントワーズの橋と堰』。

ゴッホの『ばら』。あ、この2点で気付きました。私は青、緑、紫基調の作品が好きなのかも!どちらも日本にあるなんて、嬉しいです。

こちらは新収蔵作品として紹介されていたジョン・エヴァレット・ミレイの『狼の巣穴』です。素敵!私はラファエル前派が大好きなので、ミレイは嬉しいです。ロンドンのナショナル・ギャラリーに初めて行った時に観たミレイの『オフィーリア』には釘付けになったっけ。国立西洋美術館にはロセッティもあるんですよね。ここは常設展も本当に素晴らしいです。

この「狼の巣穴』は上流階級の子供達が遊ぶ様子で、アメリカのジョン・シンガー・サージェントを思い出させますが、色合いがラファエル前派ですよね!やっぱり情熱が伝わる気がします。これからも良い作品を集めて下さい!

というわけで、二度目のピカソ展は友人と行き、その後のお食事も楽しんだのでした。予想外(失礼!)に本当に素晴らしいので、上野のピカソ展、まだの方はぜひぜひこの機会にいらして下さい。1/22(日)までです。

 

そんな新年最初の週の一本は単館系『離ればなれになっても』です。

タイトルやポスターからイメージするのは恋愛モノでしたが、実際は恋愛も含めた幼馴染みたちの成長、人生の物語で、想定外にとても良かったです。イタリア映画なんです。イタリア映画って、なんかちんたら(失礼)したイメージがあったので、そんな私の間違った思い込みを払拭してくれました。

1982年の16歳から2022年で56歳の現在まで40年間のお話です。1982年のイタリア(舞台はローマ)の雰囲気を味わい、ベルリンの壁の崩壊や911などを経て現在に至るそれぞれの錯綜する人生…。宝石という意味の名前を持つ女の子ジェンマが、日本で言えば少し不良になってしまうのですが、結果的にはそれも若さゆえ。みんな苦労はしつつも50代での再会が良かったです。

それにしても、イタリア人の飲み会は激しいですねw 日本人から見るとほとんど口論しているように見えましたww まあ、それほど強く言い合うことが出来る間柄ということなのでしょう。私も幼馴染たちに逢いたくなりました。こういう作品を佳作と呼ぶんですよね。とても良かったです。

 

さて、新年初トレッキングで青梅市に行きました。いつしか私がコーヒー係、友人がおやつ係になっているのですが、今回はお正月ということでとても豪華なおやつタイムでした!今年も健康・元気でいきたいです!