Amy's This Week

2020.12

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2020.12.08

11/30-12/6, 2020 古代エジプト展と、『アーニャはきっと来る』

ついに待望の古代エジプト展に行ってきました。小学生の時に、子供用の『エジプトのピラミッド』という本を読んで以来、あのピラミッドの中に入ることがずっと夢でした。で、ついにその夢を実現出来たのが今からもう20年前。その時に一緒にエジプトへ行き、一緒にピラミッドの中に入った友人と、再び共に感動を新たにすべくいざ、両国へ!

そう、両国なんです。出来た当時にニュースで見て、いつか行きたいと思いつつ、一度も行ったことのなかった江戸東京博物館。行ったことのある方々には笑われるかもしれませんが、あまりに建物が大きくて、入り口を探すのにも一苦労ww え〜どっち?こっち?と、やっと古代エジプト展の入り口にこぎつけたのでしたw そして入った瞬間、おっ!ラクリマ・クリスティだ❤️(全然違いますww てか、ラクリマ分かって頂けましたか?ww この後しばらく、YouTubeで懐かしのラクリマ映像観ちゃいましたw)

この古代エジプト展は、ベルリンの博物館島にあるエジプト博物館所蔵作品から成り立っているそうでした。ベルリンの博物館島、二回も行ったのに、そこには行っていなかったんだな。なので、全て私にとって初めて観るモノ。そんな中でも特に、大好きな動物関連のモノが多かったので、動物(の神様)に絞って取り上げてみました。

まずは大好きなアヌビス神。山犬の姿をしています。山犬を神とするのは、秩父の三峯神社と同じですね。八百万の神がいるのも、古代エジプトと日本は同じ(ちな古代ローマも同じ)。親近感を抱きます。アヌビス神は死者の守護神であり、神聖な場所(墓所やミイラを作る場所)などの守護神でもあります。頭だけ犬で体が人間な図はよくありますが、まんま山犬ってとても可愛い❤️ そういえば、Luna Seaがメイクをしていた頃の曲に『Anubis』ってありました。最近はもうライヴでは演ってくれないけれど…。 で、このアヌビス様。今から約3,500年前の木像なんです!よくぞ残ってくれていました。素晴らしいです!

お犬様があるならもちろん、お猫様もいましたw こちらはバステト神。女神様なので、猫もメス猫です。猫をペットとした起源はエジプトにあり、今からおよそ8000年も昔から、猫は家庭のアイドルだったんですね。バステト神は、家の守り神でもあるそうです。穀物を主食としていたエジプトでは、穀物を貪るネズミを退治してくれる猫は、文字通り家の守り神だったでしょう。このバステト像は、神にふさわしい立派な首飾りをつけています。ちなみに、古代エジプトでは猫を殺すと死刑だったとか。またペットの猫が亡くなれば、家族全員で喪に服したそう。

これはライオンの頭を持つマヘス神。エジプトではライオンが珍しい存在だったので、王の守護者とされたそう。殺戮の主人であり、王権の象徴とされたライオンは、古代エジプト時代から百獣の王と認識されていたんですね。前出の猫神(バステト神)の息子だそう。母が猫で息子がライオンって、古今東西、いつの時代でも母の願いな気がします。

写真がちょっとボケてしまっててごめんなさい!これ、何だと思いますか?鼻の先っちょが少し欠けてしまったのは、およそ2500年前のモノなので仕方ないと思いつつ、よくぞ可愛い手が残っていました。『日輪を戴き礼拝するマングース』です。マングース!古代エジプトにもいたんですね。可愛い姿をしてコブラをも殺すマングースを見て、聖獣と崇め、ブロンズ像を作って敬意を表したり、魔除けにしたそうです。また、太陽神ラーの化身と言われることもあったとか。小さな動物でも、人間には無いその動物ならではの特性を認め、崇める精神は、現代の人間も古代エジプトに学ぶ必要があると思います。

こちらはハヤブサの頭を持ったワニ!ハヤブサの頭をした神様はたくさんいて、太陽神ラーもそうだし、ホルス神も有名です。ワニの頭を持つのはセベク神。この像は、それらの神を合体させたのでしょうか。この像が作られたとされる時代よりのちに、あの有名なコム・オンポ神殿が建てられました。コム・オンポ神殿は、ハヤブサのホルス神と、ワニのセベク神の神殿です。ホルス神とセベク神は、相性が良かったのでしょうかw

これは『二重冠を被ったホルス神』です。二重冠は、上下(かみしも)エジプトそれぞれの冠を合わせたモノのことで、下のカップのように見え、ヒョイっと上に弧を描いて突き出ている部分も含めた冠が下エジプト(ナイルデルタ=地中海に面した地域)の、その上に乗る(中に入る?)モノが上エジプト(ナイル川上流)の冠です。それらが合体したこの二重冠は、南北統一の象徴としてファラオしか被ることが許されず、ホルス神が王権の象徴であることを物語っているんですね。余談ながら、大好きなHBOドラマの『ROMA』の中で、クレオパトラが初めてカエサルに会うシーンで、「わたくしは、かみしもエジプトを司るものである」と言っていたのを思い出しました。

これはまたとても可愛い『ヒヒを肩に乗せ、ひざまずく男性の像』です。この男性は、書物を膝の上に抱えているので、書記官。そして彼の肩に乗り、頭を抱えているヒヒは、書記官の守護神であり、知恵を司る神トートです。つまり、知恵の神の力を借りて、書記の仕事をしているということなんですね。絵文字とも言えるヒエログリフを開発し、記した古代エジプトの書記官たち。この像のような、具現的な発想があったからこそ出来上がった文字だったのでしょうね。

また、この『ヒヒを肩に乗せ、ひざまずく男性の像』は、他の像に比べ圧倒的に古い物でした。他が紀元前600〜300年頃のモノに対し、こちらは紀元前1300〜1200年頃のモノ。しかも柔らかい石灰岩で出来ているそうで、よくもまあ、これほど綺麗な形で残っていました!きっと何百年、何千年と、砂の下深くに埋もれていたのでしょうね。素晴らしい。

こちらは、何とも言えない不思議な魅力のある『創造の卵を持つスカラベとして表現された原初の神プタハ』です。古代エジプトでスカラベ(フンコロガシ)は、そのフンを転がす姿を、太陽を東から西へ運ぶケペラ神と重ねて、スカラベをケペラ神の化身と考えたのです。そしてプタハは、古代エジプトの首都がメンフィスだった初期王国〜古王国時代(およそ紀元前3000〜2000年)における全ての創造主。でも、この像が作られたのは紀元前700年前後なので、紀元前500年頃の釈迦の姿を現代人が彫ったような感覚だと思うと、大胆な発想も納得出来る気がしました。

これは『人間の頭のついたハート・スカラベ』。人間のミイラを作るとき、心臓の上に置かれたモノです。前述したように、スカラベは太陽を運ぶ神の化身であり、太陽は沈んでもまた昇るので、復活や再生の象徴でした。亡くなった者をミイラにするのは、復活する時に魂の入れ物として体が必要になるのでその体を保存するため。その体に復活の象徴を載せるのは、念押しというか、願いを込めて封をするような感覚だったのでしょうか。

そしてそこに人の頭を付けるとは。体は人間なのに頭が動物の神はたくさんいますが、これはその逆。発想が豊かだった、ということで良いのかなw キモカワな感じですw

最後に、『4匹の子猫と横たわる猫の小像』。これは神とかではないので、安産か子孫繁栄の願いを込めて飾る物でしょうか。今なら招き猫みたいな?もしくは、シンプルに可愛いから…と作られた装飾用の置物?または、猫好きだった王か貴族のお墓に入れた副葬品?出土地不明なので、詳しいことが分かりません。

今回の国立ベルリン・エジプト博物館所蔵古代エジプト展は、『出土地不明』というコレクションが多数ありました。なぜだろう?と想像してみたのですが、この博物館は第二次世界大戦で深刻な被害に遭ったのだとか。もしかしたらその時に、品物を優先して避難させるのが手一杯で、資料などは失われてしまったのかも?なんて思ったりしました。逆に言えば、よくぞここまで(取り上げませんでしたが、巨大な棺や石像などもたくさん展示されていました)空襲から守ってくれました。学芸員たち自身の家族や家だって被害に遭ったかもしれないのに、何千年と残ってきた品々を、ここで失わせるわけにはいかないと、必死だったのでしょうね。素晴らしい!

改めて、何千年も昔の、古代の品々を今こうして目の当たりにすることが出来ることに感謝しました。まして今はこのコロナ禍です。多くの時代の、多くの国の、多くの人々の努力のおかげで観ることが出来たコレクション群でした。そう思うと感動も新たになります。来年4月までやっています。江戸東京博物館は常設展も素晴らしいので、ぜひオススメします!
https://egypt-ten2021.jp

あと、ちょうど先週まで名古屋で開催中だったライデン国立古代博物館所蔵の古代エジプト展も気になります!こちらが東京へ来るのは来年ですね。今から見比べてみたくてウズウズしていますwww

 

そんな週の一本は、『アーニャは、きっと来る』です。 このポスターを見ていて、てっきりこの子がアーニャだと思っていたので、映画が始まってすぐこの子は男の子だったと分かり、しばらく意味が分からない状況でしたww

最近増えている、戦闘を扱わないナチス映画の一つで、舞台はフランス南西部、ピレネー山脈麓の小さな村。そんな美しい小さな村の描写は楽しめたし、久しぶりにジャン・レノを映画で観れた(今はドラえもんのイメージが強くなってしまったww)のは良かったけれど、全編、変な英語(!)で、そこに時々フランス語が混ざり…その意味というか、意図が全く不明で混乱しました。

フランス語訛の英語を話させることで、舞台はフランスであることを表し、でも英語でワールドワイドな公開を狙っているのかもしれないけれど…これってまさに虻蜂取らずってヤツじゃない?そこに本当のフランス語も少し混ざるので、映画観ながら突破ファイルのアメリカン・ポリスを思い出しちゃいましたwwww

そんな小さな村の中で、レジスタンス活動をする人々がいたのは美談だし、実際そうであったろうし、ピレネー山脈は景色良いし、駐屯してきたドイツ兵にも良い人がいて、プチ良い映画的なんだけれど、いろいろ半端な気がして、長く記憶には残らない作品な気がしました。

私にとって、同時代のフランスでのレジスタンスを描いた作品なら、ケイト・ブランシェットの『シャーロット・グレイ』が一番です。ああ、もう一度観たくなっちゃった。

 

ということで、もう師走。今年は長かったようで、あっという間だったようで…。でも、これほど来年への期待と不安をごちゃ混ぜにした思いを抱く年末は初めてな気がします。イギリスではコロナ・ワクチンの接種が始まったとか。早く世界中に行き渡って〜!