Amy's This Week
2020.12
12/14-20, 2020 東京ステーション・ギャラリーと、『魔女がいっぱい』
今年もあと2週間となり、ヘアサロンや病院など、定期的に通っているところが続々と「今年最後」となってきました。毎月通っている大手町にあるクリニックも今年最後となり、イコール今年最後の東京駅かぁ〜と思ってふと思いついてチェックしてみたら、ステーション・ギャラリーで興味深い展覧会をやっていたので、病院ついでに行ってきました。
「下絵だけじゃダメですか?」とか問われても、ダメとは言えないですね〜ww でも、それならきっと地味で退屈かも?なんて期待値がとても低かったので、とんでもない。とても楽しむことが出来ました。あ!それが宣伝戦略だったのか?ww
下絵…ということだったので、全て線画みたいなものばかりかと思っていたので、良い意味で裏切られました。このポスターになっている『鳥獣戯画 猫又と狸 下絵』は、下絵ながら本画が存在しないそうなので、とても貴重なものです。尻尾が二本ある妖怪猫又
は、やはり化けると言われている狸と共に踊っているのでしょうか。最近発見されたという上部分にはネズミがいて、灯りで猫を照らしています。照明係?なんとも楽しい絵ですw
会場内は撮影禁止だったので、ギフトショップで買った川鍋暁斎作品ハガキから動物の可愛いものをいくつか。これらは下絵では無いので、会場にあったわけではありません。悪しからず。こちら『風流蛙大合戦之図』。こうしてアップして、大きくして見ることが出来るのはデジタルのありがたい所ですね〜。やたらいる蛙が、それぞれ表情が違うことが分かります!「やってやるぜ!」みたいな蛙から、「もう帰りたい…」みたいな蛙までw 面白いな〜ww 漫画の原点ですね〜。
これは『暁斎楽画 第三号 化々学校』。妖怪たちの学校なんですねw ローマ字が出てくるのが、暁斎の時代(幕末から明治)を表しているし、よく見ると洋服を着て靴を履いている妖怪もいますね。上部にいるのは閻魔大王様で、血の池や針の山など地獄についてのレクチャーや、鬼としての基礎知識を教えているようです。ローマ字で教えているのは、ん?「シリコタマ」?何かと思ってググってみたら分かりました!!!そうか。河童には重要なことなんですねww さらに「きゅうり」や「かわ」などの好物をローマ字でどう書くか、カッパたちに教えているようですww
これは『寛永時代美人図』で、浮世絵では割と珍しい長毛の子犬と遊んでいます。猫のようにおもちゃでじゃらして(?)いる子と抱っこしている子と二匹の子犬。似た毛色から、兄弟でしょうか?ところで、寛永時代となれば江戸時代の初期の頃。暁斎の時代から200年以上も前のことです。そこで、「昔…」と想像して書いたから、全体的にどこか中国風に感じるのでしょうか?どこかエキゾチックな雰囲気がありますね。
これは『横たわる美人と猫』です。猫好きにとって、猫って起きていても寝ていても、ず〜っと飽きずに見ていられるものです。時代は変われど、この美人も同じ気持ちなのかな、なんて思いました。そして「私も猫になりたい」と思う時は疲れている時。「この子を幸せにしているかな」と思う時は充足している時。猫を眺めるだけで、自分が見えてきたりもするのです。
最後は『美人観蛙戯画』。どんな画題でもこなせると言われる川鍋暁斎ですが、これは美人画と漫画が合体!相撲をとる蛙を楽しそうに眺める美人に対して、「何見てるんだ?」とでも言っていそうな蛙…。『席画』という、飲みながらその場でお題が出されて即興で絵を描いてみせる場が得意だったという暁斎は、発想が豊富で、機転が効いたのでしょうね。
…といった魅力満載の暁斎の成り立ちというか、原点というか…あ!だから『底力』ってことなんですね!そう、底力をたっぷり魅せてもらえたステーション・ギャラリーでした。なんでも、本来であればハリー・ポッター展を予定したそうなのですが、コロナのせいで半年前になって突然内容を変更したのだとか。そうした急遽の依頼にもしっかり対応出来る事こそ、底力そのものです。逆に言えば、コロナのおかげで楽しむことが出来た川鍋暁斎展。東京駅に行く機会があれば、是非!!
そんな東京ステーション・ギャラリーは、建物そのものも素敵でした。アール・デコな造りで、建物自体は撮影禁止ではないはずなので、いくつか撮りました。今は日時予約制だからか、ゆったりと建物鑑賞も堪能。今後は、ここも要チェック美術館の一つになりましたね。
そんな週の一本は、アン・ハサウェイの『魔女がいっぱい』です。 ロバート・ゼメキス監督ですからね!小学校の映画鑑賞会もご推薦(ホントか?w)原作は児童文学だというので、まあ、難しいことは突っ込まないで、アン・ハサウェイのハッチャけたワルぶりや、CGを面白く観れば良いのかな、と思います。
とはいえ…悪役は白人、良い人は黒人。魔女には各色(アジア人も)取り揃え…と、いかにも現代のステレオタイプなハリウッド作品になっていると意地悪く思ってしまうのですが、これからはもうこれが当たり前になってしまうんでしょうね〜。
また、子供のいじめ問題や、貧困や、両親を事故で亡くした子供が、寿命の短いネズミになればおばあちゃんと同じ頃に死ねると喜んだり…と、様々な社会問題も見えてきてちょっと胸がキューっとしてしまうのですが、その解決策が「ネズミになること!」と明るく楽しく言われると、そのナンセンスさに「ま、いっか」と、ホッと出来たりもしました。いろいろあっても、時にはこんな映画を観て楽しもう!ということですねw 映画本来の力=2時間の楽しい現実逃避です。
さて、年末の風物詩ともいえるベートーベンの第九。この週末に、前週に城ホールで行われた無観客ライヴをテレビで観ました。スクリーンには一万人の合唱団。毎年恒例のコンサートをいかにしてコロナ禍の今年も実施するか。実施しないという選択肢は無いまま、大変な努力をした結果でした。99年から指揮を務める佐渡裕さんは、演奏が無事に終了したあと涙を浮かべていて、こちらももらい泣き。
行動するための努力、行動しないための努力。様々な努力が錯綜する2020年の年末。いずれの努力も必ず実を結ぶ事が、今年のクリスマスにお願いしたい事です。あとは…美味しいものが食べれればね!皆さま、楽しいクリスマスをお過ごし下さい❤️
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