Amy's This Week

2022.05

17
2022.05.17

5/9-15, 2022 胸が締め付けられ痛んだ愛憐な週でした…。

水曜日、時間は記憶にありませんが、衝撃的なニュースに息が止まりました。

今まで特に、自分がダチョウ倶楽部のファンだと思ったことはありませんでした。でも、ダチョウ倶楽部が嫌いだという人はこの世にいないのでは?いつでも安定したお笑いを提供してくれる、いて当たり前、安心出来る存在でした。

竜ちゃんがいなくなっても私の生活は何も変わらない。そう思いながらも哀しくて堪らず。どうした?自分?そこで翌木曜日は思い立って午前だけで八王子城址へ行くことにしました。足元だけ見て真剣に歩く山道は、無になれます。お昼過ぎには帰れる短めルートを選んで、心源院というお寺からスタートして八王子城址を目指しました。

とても静かで、数百年変わっていないであろう雰囲気に心洗われる思いで楽しく歩いていると、気になる案内がありました。『松姫巡礼の路』。私は小学生の時から家康ファンと自認しているくせに、家康周辺から少し離れると日本史は全然ダメ苦笑。まあここ数年NHK大河を観るようになっているので、今年の終わり頃には鎌倉時代にも多少詳しくなっていると期待していますけどねww

で松姫ですが、八王子と山梨?もう基礎知識が皆無なので、考えたところで分かるわけもなく…歩きながらググりましたw

するとなんとも感動的、いえ良いと思って感動したのではなく、何と表現すれば良いのか。感無量とも異なるこの感情。胸が締め付けられるような、単なる同情という単語では表しきれない気持ち。ああ哀憐でしょうか。いえまさに愛憐です。愛おしく、可哀想でこちらまで哀しくなる。もしそこに本人がいれば、無言でハグしたくなる気持ちです。

ご存知の方は、何を今さらと一笑に付して下さいね。時は戦国。隆盛を極めた武田信玄の四女松姫は、両家同盟の証として織田信長の長男信忠と婚約させられます。とはいえ当時信忠11歳、松姫7歳とまだ両者とも幼かったため、松姫は織田家に嫁がず実家の山梨で生活していました。

お互い顔を見たこともないまま婚約した二人は、手紙のやり取りを始め親交を深めていきます。小学5年生と1年生ですよ。素直にお互いを将来の伴侶と受け止め、大切に思っていたのでしょう。信忠から松姫に贈り物を送ったこともあったそうです。が、5年後、信忠16歳、松姫12歳となった時に、三方ヶ原の戦いが起こってしまいます。信玄の侵攻に織田・徳川連合軍が対峙し信玄大勝利。ここで、当然のように武田と織田の同盟は崩れ、信忠と松姫の婚姻は決裂してしまったのでした。

それでも、5年間文通をして絆を深めていた二人は思い合っていたのでしょう。その後信玄が病死し、松姫は長野の高遠城に身を寄せます。その間いくつもの縁談話があったそうですが、すべて断ります。そして運命の悪戯か、信忠が高遠城に攻め込むことになり、松姫は幼い姪や知人の子供たちを連れて逃げます。寺から寺へ逃避行を続け、最終的に山梨から八王子まで逃げ延びたのです。

信忠は高遠城が陥落した後も、松姫を探していました。側室は持ちましたが、決して正室は迎えていません。やがて、松姫が八王子でひっそりと暮らしていることを、ついに信忠が探し当て迎えの使者を送ったのです。松姫22歳。ついに愛しい人に逢える!

が運命は冷酷で、1582年6月、本能寺の変が起こってしまいます。私は光秀好きだし、光秀にとってこの好機は逃すわけにはいきませんでした。が信長と共に信忠も亡くなり、信忠の元に向かっていた松姫は旅の途中でUターンすることになってしまったのです。どれほどの思いであったことか!

八王子に戻ると剃髪して尼となり、松姫から信松尼(しんしょうに)と改名します。『信』の文字は父の信玄からということですが、松姫の心の中では信忠の『信』だったかもしれません。こうして尼となった松姫は、共に逃げてきた幼い子供たち(自分の子供ではない)を育てながら、討ち死にした武田家一族や信忠の冥福を祈り続ける人生を送ったそうです。胸が締め付けられるようではないですか。

この松姫の逸話から、最近ちょうどNHK大河『鎌倉殿の13人』で観た大姫と義高を思い出しました。頼朝と対立しそうになった木曽義仲は、頼朝の娘大姫の婚約者として息子義高を鎌倉に送ることにしました。実質的な人質です。この時義高11歳、大姫5-6歳。この大姫を演じる子役ちゃんがまた可愛いのです。

婚約者同士とはいえまだまだ幼い二人は、ただ毎日仲良く過ごしていただけですが、大姫は義高が大好きになるのです。突然優しい兄が出来たような気持ちだったかもしれません。しかし、木曽義仲も運命に翻弄され、まさかの源氏同士の争いとなり破れます。つまり頼朝を裏切った形になってしまった為、頼朝は人質だった義高を亡き者にしようとするのですが、大姫が大好きな義高を、周囲はどうにか救おうとします。幼い大姫も必死で義高の命乞いをしました。

それでも…現代では考えられないほどの行き違いが重なり、義高は討ち取られてしまいます。12歳でした。そしてそれを知った大姫は、ショックのあまり心の扉が閉まってしまうのでした。心にとても塞ぐことの出来ない大きな穴が開いてしまったのです。私の心にはすでにいくつもの穴が開いていて、まるでスイスチーズのようになっています。でも幼い大姫には一つで十分!大姫可哀想過ぎです。

市川染五郎演じる木曽義高。美しい少年でした。悲しみに拍車を掛けましたね。

ドラマでは今のところここら辺ですが、歴史ですから結果は分かっています。大姫は結局、心の病から抜けることなく20歳の若さで亡くなってしまいます。あまりにも可哀想。それほど、大切な人を亡くすということは辛いことなのですよね。

…と、好きな歴史にとっぷりしてしばし忘れていましたが、竜ちゃんですよ。心が苦しくなるほど可哀想で哀しくてツラくなるのは、大切な人を亡くした人の気持ちを思うからだと気付きました。信忠が亡くなったと聞いた時の松姫の気持ち。つい数日前までそばにいた大好きな義高が討ち取られたと聞いた大姫。そして、ずっと一緒だと思っていた仲間を突然失った肥後さんにジモンさんの気持ちを思うと…涙しか出ません。

大先輩の武がヘタウマな絵を添えてメッセージを出しました。

ひらがなになっていますが、たぶん武サンの思いは「芸人は笑って『逝く』のが理想であって」ということでしょうね。古くはたこ八郎サンのように。芸人ではないけれど、最近では異色の作家西村賢太サンのように。彼らのような亡くなり方だと、ある意味ファンや周囲は受け止められる気がするのです。でも竜ちゃんの死を受け止めるのはツラ過ぎるでしょう。

肥後さんのメッセージには、涙が止まりません。私、こんなに肥後さんが好きだったの?ww 笑いながら泣いています。

邦楽には疎い私ですが、春といえば、桜といえば、ケツメイシの『桜』が一番好きです。ケツメイシで唯一知っている曲でした。が、今回『友よ〜この先もずっと…』も知ってしまい、もう泣けて泣けて仕方ありません。一生知らずにいたかった。
https://youtu.be/IV7usfiEbms

熱々おでんの玉子を竜ちゃんがピュ〜!と吹き出して肥後さんのおでこに当てるシーン!泣きながら大笑いしちゃいますww こうして大笑いすることが竜ちゃんへの供養になるんでしょうね。肥後さんもジモンさんも、見返して笑ってくれているでしょうか。心を閉ざした大姫の表情が重なってしまいます。

とにかく、嘆いても、残された人々にどれだけ思いを寄せても、もう先週の私たちには戻れません。こんなことがあって初めて、どれほどダチョウ倶楽部が好きだったかに気付いて申し訳ないような気がしますが、やはり泣きながら出る言葉は「ありがとう」しかありません。竜ちゃんに、三人揃ってのテンポ良いお笑いに、心からありがとうございました。