Amy's This Week

2010.07

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2010.07.04

6/28-7/4, 2010 週報

エアロのヨーロッパ公演のどこかに行かなくてはならないとなった時、最初は個人的に好きな街のプラハかベニスあたりが良いなぁ〜なんて漠然と思っていたのですが、ある時、エアロのパリ公演が火曜日でその前の週末にロンドンから列車で2時間のウェールズにあるカーディフでポール・マッカートニーのライヴがあり、その最前が取れることになって大慌て。こんなの人生で最初で最後の経験と思い、思い切ってロンドン経由でエアロライヴに行ってきました。

エアロスミスのヨーロッパ・ライヴでは、どんなに大きな会場でもアリーナ或はフィールドにあたるフロアはオールスタンディングが普通です。ブロック仕切りも無し。大雑把な国では、スタンド席も指定販売せずに数合わせだけしてチケ販売しているので、アリーナで暴れて疲れたら最寄りの空いているスタンド席に座って休む…といった、アメリカでも考えられないラフな仕切りになっています。それで何ももめ事が起きないのだから、ヨーロッパ人は大人ですね。

でもポール・マッカートニーは本人が既に68歳!ファンも50歳代や60歳代が多いからか、フィールドでも席があります。もちろんライヴは立ちあがって観るのですが、席があれば後ろから押される心配無くライヴを楽しむことが出来ますよね。それで心置きなく、最前でライヴを堪能してきました!2回のアンコール含め全37曲のライヴは圧巻!2002年のツアー時から毎回「これが最後かも」と思いながらもう8年目。なんだかきっと来年もありそうな気もしますが、まあ最前はきっと二度と無いでしょう。なので、1曲1曲記憶に焼き付けようと本当に真剣に観てきました。

そしてユーロスターに乗って大陸に渡り、今度はエアロ・ライヴです。こちらはヨーロッパらしいオールスタンディング。恐ろしいことに、ブロック分けのないだだっ広いアリーナの最前からバーのある一番後ろまで観客でびっしりでした!消防法もなにもないですね。ローカルバンドの前座があったのですが、すでにエアロが始まる前にセキュリティーに助け出される女性が続出でした。ライヴまったく観ないうちに失神してしまうなんてホント可哀想。ステージ脇にはそんなファンのために車椅子を待機させ、バックステージの救護室まで連れて行くのですが、ステージの片側1台では足りなくなる始末。ペットボトルの水を回し飲みさせていたセキュリティーも、段々無差別にファンの頭に水をふりかけ始め……なんだかエアロスミスというよりかつてのメガデスのライヴを観ているような感じでした。

ライヴ前に会ったバンドは全員絶好調な感じでとてもご機嫌でした。特にSTの好調さは、本当に観ている者に安心感を与えてくれました。さらにトムやブラッド、ジョーイもすごく良かった。この3人が「とても良い!」と目立ったライヴは申し訳ないながら久しぶりな気がしました。いつもは普通に、当たり前に、目立たず「良い」のです。が、この夜は本当に「目立って」良かったです。ジョーは言うまでもなくいつも通り。バンド自身も言っているように、このまま北米ツアーになだれ込むのは、最高に良い流れだと思いました。

そんな熱狂のヨーロッパですが、実際に6月中旬からの熱波でロンドンもパリも、呼吸困難になりそうなくらい暑かったです(涙)。さらにアメリカや日本と違い、ヨーロッパはなぜかクーラーが弱く、下手すれば入っていないところも多くとてもキツいです(泣)。そんなツライ状況に拍車をかけるのが氷の無い世界だということ。どうしてヨーロッパ人はあれほど暑い時に生温いものを平気で飲んでいるのでしょう???歴史や雰囲気は大好きですが、私は絶対に夏のヨーロッパには住めないと思いました。エアロスミスのケータリングで初めて、心置きなく氷を入れたドリンク(コーク)を飲んで、本当に生き返った気がしたものです。「やっぱりアメリカが好き!」と(笑)。

また、ちょうどロンドンにいた日にW杯イングランドの試合があり、そこでドイツに負けてロンドンは大騒ぎになっていたのですが、そのあとパリへ渡り、ロンドンで時間が無かったのでパリでサッカーものを何かお土産に買おうと思ったら……どこにもありませんでした!はあ?なんで?と思い、Tシャツ屋さんに尋ねると…「スポーツ用品屋にでも行ってみれば?」とのこと。フランス人はもうすっかり「W杯何それ?」モードに入っていたのでした。それがフランスのプライドだったのかもしれません。

ステージで驚くほど流暢なフランス語で話しかけていたSTには驚きました。「盛り上がってるかァ〜?パリ〜!」と言う時の「パリ」も英語のパリではなくフランス語の発音でした。そんな気配りにも、プライドの高いフランスのファンは大喜びだったと思います。話題は入り交じりますが、そんなフランス人も自国敗退後はかなりの人が日本を応援してくれていました。テレビの街頭インタビューなどでそう答える人が多く、その理由は「日本人はチャーミングだから」みたいな感じで。ちょっと照れくさいながらも嬉しいですね。

さて、エアロのヨーロッパツアーも無事に終了し、W杯も次は準決勝です。まだまだ睡眠不足の日々は続きそうですが、最後までどの試合も楽しみですね。STもサッカーの結果をいろいろ気にしているようでした。私はドイツ優勝かなと思っているのですが、さてどうなることやら。