Amy's This Week

2021.11

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2021.11.28

11/22-28, 2021 大英博物館ミイラ展と、『アンテベラム』

またまたミイラ展です。ホント、何度目でしょうかwww とはいえ、そんなことは主催者側も十分承知w なので、過去のミイラ展といかに異なる内容かを前面に出してくれているし、鑑賞するこちらもどこが新しいかを探すようになります。さあ新たな発見に期待してGo!!

コロナ禍もそろそろ2年近くなってきて、展覧会は日時指定がニューノーマルとなりました。そして入場料もコロナ前のほぼ2倍!今後、日時指定を撤廃し入場料を下げることはあるのでしょうか? ただこのミイラ展で気づいたことは、なんとシニア料金が無い!ww 確かに、もう特に平日なんてどこの美術館・博物館もシニアで満員が実情。それより将来のためにも数少ない子供達を安くしてあげようということらしく、一般・大学生料金が2,100円に対して、小・中・高校生が600円でした。大学1年性がちょっと可哀想ですがww

さて、今回のミイラ展。その特徴はズバリ、CTスキャンでした!これは面白かったです。技術の進歩で、今やミイラも包帯を解かずに中身が見えてしまうのです。手の置かれ方や、護符のある無しなどが手に取るように見えるのはとても面白かったです。さらに一体どんな技術なんだ!と感嘆しますが、ミイラの血管の中まで見えるなんて!そのおかげで、そのミイラの死因が判明するわけです。副題に『古代エジプト6つの物語』とあるように、6体のミイラから、6つの人生・物語です。

撮影は禁止なので、写真は公式サイトから。まずはテーベの役人だったアメンイリイリトさん。両手をクロスさせているのが印象的なアメンさんは中年男性。癌を患い、循環器系にも問題があり、さらに歯科疾患に椎骨の病変もあったというのですから、かなり全身の痛みがあったかもしれないですね。可哀想に。当時は理由も分からず苦しんで亡くなっていったのかもしれないので、現代よりもよほど死後の世界での安寧を願ったことでしょう。

こちらはテーベの神官ネスペルエンネブウさん。こちらも中年男性です。両手はまっすぐ伸ばされていて、特徴あるのはいくつかの護符が見えること。護符とはお守りみたいなものでしょうか。とても小さな物もあり、一つ一つとても可愛いです。頭に乗せているお皿みたいな物は、かつてはミイラを作るときに置き忘れた物と思われて痛そうですが、CTスキャンでしっかり見てみると、意図的に置かれた物であろうと判明したそうです。その理由は定かではありませんが、これもとても興味深いです。で、この人の死因はやはり心血管疾患と歯科疾患。さらに強度な歯の磨耗があったとか。ものすごい歯ぎしりをする人だったのでしょうかw

3人目も神官の中年男性で名前はペンアメンネブネスウトタウイさん。長いのでペンアメンさんと呼びましょうw このかたも心血管疾患と歯科疾患で、旅先で亡くなったそうです。出張中に動脈硬化による心筋梗塞で突然倒れたのかも。人類は3,000年を経ても、動脈硬化に悩む人が多いのは変わらないんですね。

4人目は裕福な既婚中年女性のタケネメトさん。タケさんですw 病名はやはり心血管疾患でした。それが分かるのは、血管の中にプラークがあったから。コレステロールが溜まって詰まって動脈硬化になるんですね。この珍しい女性のミイラは、長い髪を頭の上でまとめていたことも判明したそうです。タケさんははお団子ヘアだったんでしょうかw イメージ沸きますw

5人目は子供です。スキャンされた骨が可愛い!4歳前後の男の子で名前は不明のため、巻かれた布に描かれた肖像画から『大きな瞳の男の子』と呼ばれているそう。特に病気は発見されなかったそうですが、でもミイラになっているということは亡くなった訳で。病気でも怪我でもなく亡くなるとは、栄養失調?こうして丁寧にミイラにした時のご両親の気持ちを思うと、とても切ないですね。

最後6人目のミイラは、グレコ・ローマン時代の若い男性。グレコ・ローマンって、プロレスではありませんwww 古代エジプトも後期にはギリシャやローマに支配されていたんですね。この名前不明で17-8歳の『金のマスクの青年』はミイラ的には最新ヴァージョンで、もしかしたらジュリアス・シーザーと同時代の人かもしれません。そう思うと無性にときめくwww このミイラには胸やお腹のあたりに破損が見られ、護符を盗まれたのではと言われています。そんな、ミイラの中に手を突っ込んで護符を取り出すなんて、なんて罰当たりな!いつの時代も、そうした人々っているんですね。

以上、6人のミイラをCTスキャンでヴァーチャルに上から剥がしていく動画を見せてくれたのは、とても面白かったです!それだけでも行った価値ありました。もちろん、他にも興味深い展示もありましたよ。

これはホルス神に授乳するイシス女神像。母も神、子供も神。さらに両側に立つのも神様ということで、古代ギリシャ・ローマや日本にも通じるエジプトの多神教はとても複雑で、とても面白いです。

これは猫の青銅製像。古代エジプトで猫が可愛がられていたことは知られていますが、バステト女神は猫の姿で表されるので、ただペットという以上に大切な存在だったのかもしれません。この像の中には、本物の猫のミイラが入れられていた可能性もあるそうです。これもCTスキャンして下さい!

…ということで、なかなか面白かったミイラ展でした。最後に撮影OKのコーナーがあり、そこには二つのレプリカが。もちろん撮りましたw 大英博物館と言えば、ミイラとこのロゼッタ・ストーンですよね。

そしてツタンカーメン王の黄金のマスク。これはカイロにあるエジプト考古学博物館収蔵ですね。あ、もしかしたら今年オープンしたばかりの国立エジプト文明博物館に移動しているのでしょうか。単一文明を扱う博物館では世界最大という博物館。いつか行ってみたいです。

ところで、カイロで初めてこの黄金のマスクを見た時に感動したのは、後姿でしたw グルッと周囲を回って鑑賞出来るように、中央に展示していたので真後ろも見ることが出来たのです。ああ、当時のエジプトの王たちはこんな髪型だったのか!と、目から鱗というか、なるほどと感動したのです。たとえレプリカであっても、こちらでも真後ろも見えるように中央に展示すれば良いのにな〜と思ったのでしたw

あ、あと大英博物館ではなく日本から作品ということで、猫のミイラがありました。1923-1924年にエジプトを訪れた阿波・徳島藩の蜂巣賀正氏(はちすがまさうじ)氏が現地で購入した物だそうで、その後国立科学博物館に寄贈されたそうです。今回はこの猫のミイラもCTスキャンをしてみたら…なんと、残念なことに猫の姿は見えなかったそう。でも、猫のバラバラになった骨がいくつか包まれていたそうで、一概に偽物とは言えませんね。取り敢えず、出来上がりは可愛いですw

というわけで、毎度おなじみのw ミイラ展でしたが、なかなか面白い切り口で、主催者もマンネリを防ぐために工夫してくれているなと思った次第ですw 新年1/12まで開催中です。
https://daiei-miira.exhibit.jp/#top

 

そんなわけで久しぶりの上野に行ってきました。上野公園はまだ少し秋色が残っていて、上野動物園はものすご〜い入場の列で驚きました!赤ちゃんパンダが公開されたんですね。

上野駅構内の特設パンダグッズ売り場。生まれたばかりでピンク色した赤ちゃんパンダのぬいぐるみが可愛いです!

そして早くもクリスマスの様相でした。今年もあと1ヶ月!

 

そんな週の一本は、『アンテベラム』です。

このポスターを見て…『ゲット・アウト』と『アス』なら観なくちゃね!と思いつつ、「…のプロデューサーが放つ…」って、名前が出ていませんww ブラムハウスでもないようだし…??と思っていたら、そのプロデューサーとはショーン・マッキトリックですって。知らないwww まあだから名前は出さなかったのかもしれませんが、なんか可哀想www

それでも、期待通り面白かったです!!「ゲット・アウト』や『アス』の流れを汲んで、人種差別を痛烈に批判する内容ですが、決して政治的ではなく、興味深いエンタメ性もたっぷり。ただ…「どこかで観たことあるような?」感があり、その「どこか」も実ははっきりと分かっているんですがww ここでは一番面白い部分のネタバレになるので書きませんw

とにかく、凝った作りで面白かったけれど、少し頭でっかちな雰囲気が拭えませんでしたw ただ、やはりアメリカは広大だし、あらゆる人々がいるので、今この時でも現実にあるかもしれない…と思わせる怖さがありました。そういう意味では、『ゲット・アウト』や『アス』は現実味が薄いので、より面白いと言えるところなのですが、どうしても前述した「あそこで観た」感があるので…苦笑 過去あまり映画を観てこなかった人には、めちゃくちゃ面白いかもしれませんよw

 

さて、上野に行った時、ついでにトビカンで現在無料開催されている『上野の記録と記憶』展にも行ってみました。上野って、本当に大変だったんですね。正直に言うと、城南出身の私には、上野というと少し怖いイメージがありました。中学生の頃、初めて友人とアメ横に行き、特に買わずに商品を見ていたらお店の人に「買わねえなら、とっとと上野の山にでも行って花見して帰れ〜!」と言われたからです!ホントの話w そんな子供心には怖かった上野でしたが、この上野展を観て、あれは「冷やかしの子供なんて相手してられねえ」的な、辛酸舐めて生き残った上野のおじさんの逞しさだったのかもしれない、なんて思ったのでした(^^;