Amy's This Week

2019.02

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2019.02.17

2/11-17, 2019 第61回グラミー賞授賞式と、『メリー・ポピンズ・リターンズ』

2月は年に一度のお楽しみが二つもある月。そう、グラミー賞とアカデミー賞です。まずはこの週の頭にあったグラミー賞から。午前中の生中継は落ち着いて話を聞けないので、いつも夜に放送される字幕ヴァージョンを見ます。なので、その時にはすでに受賞結果は分かっているんですけどねw まあ、アカデミー賞よりは、グラミー賞の方が誰が獲っても良いかな、と、ゆったり見ていましたw

う〜ん、今年の第61回グラミー賞授賞式の感想ですが…あ〜、良い部分と悪い部分がはっきりとありましたね。まずは良い方から並べていこうかな。

まずはやっぱり圧巻だったレディ・ガガのパフォーマンス。映画『アリー』とは違って、圧倒的なパワフル・ロック・アレンジで、演技抜きのパフォーマンスは、ガガが「これが私の本職よ」と全身で訴えているようでした。そしてふと気付けば、なんとドラムスが現ポール・マッカートニー・バンドのエイブ・ラボリエル Jr. じゃないですか!こりゃ、良い音出るわけだわ❤️ 

エイブはポールが2001年に出したLA録音のアルバム『ドライヴィング・レイン』に参加したLAのミュージシャンで、ポールに気に入られ以後ずっと一緒にプレイしています。レコーディングからだともう20年近く一緒なのだから、今やポールのドラムスと言えばこの人なのです。生きているドラマーでは一番好きなドラマー2人のうちの1人です(もう1人はマット・ソーラムねw)。あ〜、このパフォーマンス、ナマで観たかった、聴きたかったな〜!!!

ガガに話を戻せば、実は出て来た瞬間、彼女の独特な動きを見て、ずっと誰かに似ている!と思いながら見ていたのですが…それが中盤になって分かりました!ジーン・シモンズですよwwww そっかー、なんと言ってもあのブーツですからねww 激しく動こうとしても、同じような動きになってしまうんでしょうねwww あくまでも「動き」です。録画している方は、そう思ってもう一度観てみて!!

あとは私個人の好みですが、レッチリが良かったな❤️ ポスト・マローンは好きじゃないので、前半はどーでも良いんですが。だって、あんな人がHollywood歩いてて前から来たら、絶対私は避けますよ。ヤダヤダwww で、後半のレッチリのパフォーマンス。もうポスト・マローンなんていてもいなくても関係ない感じの『Dark Necessities』は、相変わらずフリーがファンキーで、見入っちゃいました❤️  いや〜、嬉しかったな。

このポスト・マローンとレッチリの組み合わせは、他にもカミラ・カベロとリッキー・マーティンや、ケイティ・ペリーとドリー・パートンなど並んで、『クロスオーバーな文化継承』と評価が高かったようですが、いやあ別に今更ですよね〜。エアロなんてもう30年以上前にランD.M.C.と演っていますからね〜ww あ、もう一周回ったってこと?w

あとは…相対的にもちろん、決して良くなかったと思うことはありません。司会のアリシア・キーズなかなか可愛かったですよね。そして二大大御所。もともとアフリカ系アメリカ人女性としては声量が豊かな方ではなかったダイアナ・ロスですが、決して「それ以下」にはなっていない、衰えを感じさせない変わらぬ歌いっぷりは70を過ぎてお見事としか言いようがないし、ドリー・パートンに至ってはその歌声はもちろん、まるで20年後の叶恭子さんを見るような容姿に、生命の驚異さえ感じました。みんな、逞しいわw

そしてJ. Loですよね。ジェニファー・ロペスのモータウン・トリビュート・パフォーマンスは圧巻でした。私の好きなNe-Yoも出たし、スモーキー・ロビンソンも良かったです。でも、J.Loはアフリカ系ではないし、彼女の普段の音楽は全くモータウンらしさがあるわけでもないのになぜJ.Loがモータウン?と、せっかくのパフォーマンスにも賛否両論だったよう。まあ、彼女は自分の仕事を頑張っただけのことですが、要は誰が彼女にやらせたか?ですよね。そう、グラミー賞を主催している、全米レコーディング・アカデミー協会です。

そもそも、2013年から2018年までのグラミー賞ノミネートが、91%男性で、女性ノミネーションが1割もいない、という事実が問題となり、レコーディング・アカデミー協会会長が「女性が音楽産業のトップに就きたいのなら、女性側がステップアップしなければいけない」なんて言っていたことが、問題になっていました。もちろんこの発言はレディ・ガガやPinkらに批判され、この会長は今年いっぱいで会長職から退くことになったわけですが…今回は、そんなこんなの、女性アーティスト中心グラミー賞授賞式になったんですか?ということです。

世論を反映するのは、もちろん重要なことです。でも…なんか最近のアメリカの権威あるグラミーやアカデミーの授賞式って、世論とのイタチごっこに振り回されているような感があるんですよね。アフリカ系が少ないと言われたから…。女性が少ないと言われたから…。そんな風にマイノリティー擁護・批判に対抗することに必死で、肝心なことを見落としていませんか?と言いたくなります。

今回のグラミー賞授賞式の悪い方。実はMr. Bigのマネージャー氏がSNSで怒っていたんですよね。私は字幕放送を観る前に、これを知ってしまったので、とてもショックでした。グラミー授賞式の中でも大切なパートとして、過去1年の間に亡くなった音楽関係者の『In Memoriam』という追悼コーナーがあるじゃないですか。そこに今回は某超大物エージェント(サインしたアーティスト:ロバート・プラント、サミー・ヘイガー、ハート、ホワイトスネイク,レニー・クラヴィッツ,ジュダス・プリースト,セバスチャン・バックその他)と、ヴィニー・ポールにパット・トーピーの名が出てこなかったのです。なんだよ(怒)。

その後、レコーディング・アカデミーがネット上に発表した『In Memoriam』のリストを見たら、ヴィニーとパットの名前はあったけれど、ほんの0.1秒でも追悼コーナーで映像を出して欲しかったです。そう思ったファンは世界中にいたと思います。

思えば2012年の第54回グラミーでは、授賞式の前日にウィットニー・ヒューストンが亡くなりました。本当に、大舞台の前日です。が、その翌日の授賞式で、ジェニファー・ハドソンがウィットニー・ヒューストンへのトリビュートを歌い、In Memoriamコーナーは大幅なチェンジをして、亡きウィットニーの功績を讃えていました。あの時は、グラミーさすが!と大絶賛だったのですが…。

今回、字幕放送前には結果が分かっていた…ということで、なんとグレタ・ヴァン・フリートが最優秀ロック・アルバム賞を獲得したことに「あっぱれ!」気分でした。ねぇ、彼らは『ロックの未来』なのよ!が、実際の授賞式放映では、グレタ・ヴァン・フリートの姿も名前も一切出ず、それどころか、ロック部門があるのかさえ分からず終わってしまいましたよね。

もちろん物凄く長い授賞式を、全部そのまま放送するのは不可能でしょう。それでも…ですよ。グレタ・ヴァン・フリートがアフリカ系だったら、ガールズ・バンドだったら放映したのか?なんて、勘ぐってしまいますよね。ロックは白人の音楽だから?ロック・バンドは男性が多いから?だから真っ先に削られてしまうの?なんだかな〜。

今もドレイクとの問題を抱えるグラミーにしてみれば、今回は取り敢えず女性問題をクリアしただけで精一杯だったのかもしれないけれど、決して『木を見て森を見ず』的なことにならないよう(なっている!)、『権威』持つ者のあるべき態度というものを今一度振り返り、改めて尊敬されるに値するグラミー賞に立ち戻って欲しいと切に願います。頼みますよ!!!!

そんな、ストレスフルなグラミー賞授賞式があった週の一本は…スッキリさすがの『メリー・ポピンズ・リターンズ』です。

オリジナルの『メリー・ポピンズ』って、1964年作品なんですね。さすがの私も観たことはありません。でも、この作品のスゴイところは、観たことのない私でも長年に渡りあらゆるシーンで見て、聞いたことがあるため、『チム・チム・チェリー』『スーパーカリフラジリスティック〜』『ア・スプーンフル・シュガー』などの楽曲を知っていること。さらに、ディック・ヴァン・ダイクと聞けば「あの、ペンギンと踊った人」くらい知っているわけですw

そんな超有名作を50年以上経って続編を作ってしまおうというのですから、ディズニーも満を辞しての超気合い作ですね。まずは、感想を一言にすると「素晴らしい!」以外の言葉が見つかりませんwww

リン・エマニュエル・ミランダは、ブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』で大成功した人ですから、歌って踊れて当たり前。期待はエミリー・ブラントでしたよね。私は『プラダを着た悪魔』での、クール・ビューティーなエミリーが大好きでした。それがもう、そのイメージ通りのメリー・ポピンズで、ジュリー・アンドリュースよりさらに英国っぽく、めちゃくちゃ良かったです!歌も頑張ったんですね。本当に素晴らしかった。

アニメと実写を合成する技術的なことは私には分かりませんが、もちろん50年以上前に出来ていたことなのですから、さらにアップグレードされた技術で全く違和感なく、その凄さをまるで実感することなく、ごくごく自然に美しい映像を受け止めてしまいました。もっと気にかけて見れば良かったと後悔するほどです。それでも当然、非常なる苦労があったでしょうね。エンドロールを見ていたら、通常は『カメラ:○○○○』というように、役割と名前のみが延々と流れていくものですが、その一番上に『Thanks to』が付いていたんですよね。音楽ではCDのクレジットなどでよく見ますが、映画では珍しく、ああ、本当に制作側が感謝しているんだな〜、と感じたわけです。

他にも、「おおっ!こんなところにも!」のメリル・ストリープや(笑。もはや驚かないw)、なんと50年以上を経て、オリジナル・メリポピのダニーも登場!!だなんていう奇跡もあって、いやあ〜、オリジナルをちゃんと観なくてはいけませんね〜w その前に、シアターでやっているうちに、もう一度『リターンズ』を観ておきたいな❤️ 

あまりに王道過ぎて、『メリー・ポピンズ・リターンズ』が素晴らしいなんて言うのはこっぱずかしい気もしていましたが、今年のグラミー賞授賞式を観た後では、素直が一番!と思います。さすがディズニー、この安定感。子連れでなければ、ぜひ吹き替えではなく字幕版でエミリーの歌声を聴いてあげて下さい!!!

さて、『メリー・ポピンズ・リターンズ』に出ているリン・エマニュエル・ミランダは、『ハミルトン』一発でハリウッドのウォーク・オブ・フェイム(星)をゲットしましたが、我らがエアロスミスは苦節40年を経て、やっとお星様ゲットですw ヴァレンタインズ・デーに予定されていた授与式は雨で延期となってしまいましたが、40年待ったのだから、今更急ぐこともないでしょうww

どうやらこの冬最大の寒波は去った模様。春までもうすぐですね。次週は久々の現場です。それではまた来週!