Amy's This Week

2020.03

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2020.03.02

2/24-3/1, 2020 コロナウィルス・ショック or not? と、『1917 命をかけた伝令』

この週、私は友人とLuna Sea宇都宮公演に行く予定でいました。ツアー日程が出た時、どこに行くか、二人で必死に考えて決めたところでした。が、公演延期。他の友人は3月1週目のL'Arc〜en〜Ciel代々木公演が中止になったと嘆いていました。

私たちは日帰りで行けるところだったのでホテルは取っていないし、交通も当日普通に切符買って乗るつもりだったので、ただ「残念」という気持ちだけの問題で済んだのが不幸中の幸いです。他にも多くのライヴやイベントが中止や延期になっているので、対象はそれぞれでも、今は多くの人々が「残念」という気持ちを共有していることになりますね。

そんな中、ライヴを強行したバンドもいるようで。来ない人にチケットの返金を対応するとのことで、ライヴに行く人は「自己責任」ということらしいですが、これは果たして「自己責任」で済むのでしょうか?万が一その公演会場でウィルスが拡散した場合、保菌者の家族や保菌者が乗る公共交通で居合わせる人々への影響は、既に自己責任の範囲を超えていると思うのですが。

「ウィルスは見えないから怖い」と言われています。確かにその通り。いつもの私の手のひらに、今日はコロナウィルスが付いているかも?と思えば、いつも以上に長い手洗いになったりします。同じ女性として恥ずかしかったり情けないことながら、日本では駅やシアターなどのお手洗いで、ソープを使わずにチャチャッと手を水に濡らしただけで出て行く女性を多く見ます。私はそういった人々が本当に嫌だし、心から汚らわしいと思うし、絶対に関わり合いたくないと思うのですが、残念なことに世間にはそんな人が溢れていました。最近のコロナウィルス騒ぎの中でそんな人々が少しでも減れば、コロナウィルス騒ぎも悪いことばかりではないと言えるかもしれません。

アメリカでお手洗いに行くと、まず100%の人々がソープで手を洗います。海外では古代エジプトや古代ローマ時代から石鹸が利用されていたので、ソープ利用に2000年、3000年の歴史があるんですよね。でも日本では、織田信長が最初に石鹸を手にしたと言われているので、まだまだほんの400年ほどの歴史しかないし、そもそも一般庶民に行き渡ってからなら200年も経っていないかもしれません。

だいたい日本では、お手洗いの後にソープで手洗いする習慣が無かったように思います。現に2020年の今でも、多くの家庭のお手洗いではタンクの上にあるチョロチョロ出るところで、手を濡らすだけで洗ったつもりになっているのではないでしょうか?私はお手洗いにソープを置いていないレストランには二度と行きません。日本人、ちゃんと手は石鹸で洗いましょうよ!!!

…と、ソープを使った真剣手洗いにはつい熱くなってしまいます(^^; が、そんなきちんとソープで手を洗うアメリカ人たちが賢いかというと、今は約4割(!)の人が「コロナビールは買わない」という調査結果が発表されました。アメリカ人、アホかwwww 私が初めて飲めるようになったビール。ライムやレモンを絞って飲むとサイコーなのにね!

さて、行く予定だったライヴが延期となって残念な週の翌週は、楽しみにしていた美術展がこれまた開幕延期となってしまいました。『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』です。しかも、開幕から2週間のみ有効というお得なチケットを買っていたので、丸々使えなくなってしまい慌てていたら、どうやらそのチケットは開幕後いつでも使用OKと発表されて、ホッと安堵したところです。あら、むしろお得になったじゃないww そんなこんなで、一喜一憂。TDRも閉園だし、皆さん、どこに行けば良いでしょうかね〜?(TDRに行く予定があったわけではないんですけどね。行けないとなると、急に行きたくなるんですよねww)

仕事は?と尋ねられれば「音楽関係」と答える私ですが、考えてみれば半分くらいは「旅行関係」かもしれません。個人的な趣味も含め、私の人生において大きな意味を持つ旅関係にも、コロナウィルスの影響が徐々に出てきています。良かったことは、2月のヴェガスへの往復フライトはガラガラだったこと。ほぼ全乗客が2席以上を利用していました。中国人がアメリカで入国拒否されているため乗っていないのと、アメリカ人たちがアジアへの不要不急の渡航を止めているからでしょう。私の周辺では3席、4席を占領していた人がほとんどなほどで、つくづくお金を追加して肘掛けが上がらないエコ・プラスを取らなくて良かったと思いましたww

とはいえ、アメリカ系航空会社で乗務員一同が全員マスク着用している様子は異様でした。あまりにも珍しい光景なので写真を撮りたいと思いましたが、残念ながらさすがにFAさんを盗撮するのは如何なものかと思い出来ず(^^; そういえば何回か前のフライトで、つまり全くまだコロナウィルスの存在が知られていないか、まだ存在していない時期のことでしたが、機内でマスクも着けずものすごいゲホゲホな咳をしている外国人のおばちゃんがいて、非常に嫌な思いをしたことがありました。今もしそんな人が乗っていたら、飛行機が引き返してしまうかもしれないですね。

機内ガラガラ状態がしばらく続いたら嬉しいな〜などと呑気なことを思っていましたが、もちろんそんな事が続くわけがなく、アメリカでは中国路線は全てフライト・キャンセルとなり、続いて今は日本路線も部分的にキャンセルになり始めているようです。これは、アメリカでのコロナ感染が広がり始めたばかりということを鑑みると、今後さらに増える可能性があります。2月のTPが1ヶ月後だったら?と思うだけでゾッ。航空会社がフライトをキャンセルにする場合、支払った航空券代金はほぼ全額戻ってくると思いますが、現地でのホテルは?公演チケット代金は?またそれら以前に、日本人の入国が規制されるかも?う〜ん、2月で良かったです〜汗。

もう20年近く前のこととなりますが、2001年の911の時。私はサウスカロライナ州のシャーロットという都市にいて、ちょうどその日帰国する予定でした。朝のテレビで同時間帯のニューヨークのニュースを見てはいましたが、8時半過ぎにホテルをチェックアウト。そして空港に到着してレンタカーを返却しようとしたら、「フライトは全便キャンセルだから、この車のレンタルを延長してホテルに戻った方が良いよ」とハーツの人に言われ、???となると「マジだから。信じて!」とダメ押し。そこでその通りにしてホテルに戻ると、「やっぱり帰ってきたね。これからの宿泊費は半額にするから」と言われ、結果的にその後3泊したのでした。

その時、レンタカーも半額にしてくれたんだったかな?よく覚えていないけれど、ホテルの宿泊客は各自の部屋にテレビはあるのに、みんなロビーに集まって一緒にテレビを見ていたのが印象的でした。近隣のショッピングモールはクローズ。レストランもほとんどがクローズで、開いていると聞いたKFCに買いに行き、あとはほとんどテレビを見ていました。ホテルやレンタカー会社は利益を忘れて半額にしてくれ、航空会社も一切の変更手数料もキャンセル料も取らず、我々旅行者も急遽延泊になり予定外の出費が出ても当然文句は言わず。誰もが我慢の時だったと思います。テロとウィルスの脅威とは全く違う話ですが、誰もが我慢ということでは同じだと、この時のことを思い出しました。

現時点では3月中旬までと区切っての延期や中止が多いですが、それは4月までかもしれないし、5月までとなるかもしれません。それでもどうか、トイレットペーパーを買い占めるなど愚かな行動はせずに、じっと冷静に、淡々と、粛々と、我慢したいものですね。日々健康であることに感謝しながら。

最後に、昨年末KISSで共に働いたクルーから聞いたとても興味深いことを。これはアメリカでのことですが、日本版も作れそうです。

1999/2000: Y2Kでこの世は終わる。
2001: 炭疽菌でこの世は終わる。
2002: 西ナイルウィルスでこの世は終わる。
2003: SARSでこの世は終わる。
2005: 鳥インフルエンザでこの世は終わる。
2006: 大腸菌でこの世は終わる。
2008: 不景気でこの世は終わる。
2010: 原油高騰でこの世は終わる。
2011: オバマケアでこの世は終わる。
2012: マヤの2012年人類滅亡説でこの世は終わる。
2013: 北朝鮮のせいでこの世は終わる。
2014: エボラ出血熱でこの世は終わる。
2015: ディズニーはしか(ディズニーランドで蔓延した)とイスラム国でこの世は終わる。
2016: ジカ熱でこの世は終わる。
2017: フェイク・ニュースでこの世は終わる。
2018: 移民キャラバンでこの世は終わる。
2019: はしかの蔓延でこの世は終わる。
2020: コロナウィルスでこの世は終わる。

早くコロナウィルス騒ぎも収束して、笑い話になりますように。

 

そんな週の一本は、『1917 命をかけた伝令』です。

今年のアカデミー賞で10部門ノミネート、そのうち3部門で受賞という話題作です。戦争モノ好きとしては、今年のアカデミー賞関連で最も期待していた作品でもありました。

受賞したのは撮影賞、視覚効果賞、録音賞の3賞で、地味ながら、これらからよほど迫力ある映像であろうと想像がつきます。また今回二度目の撮影賞を受賞したロジャー・ディーキンズは、2年前14回のノミネートののち初受賞した人で、その際のスピーチをする仕草がジョー・ペリーにそっくりだった人でしたw

https://youtu.be/cr-X0Isatbw

今回は『1917』でのワンカット=長回しが話題になっていて、その迫力たるや実際映画を観るとよく分かります。本当に自分も一緒になって泳いだり、走った気になり、こちらは映画を観ているだけなのに息苦しくなりそうでした。

主人公は邦題通り『伝令』係となるので、自らが戦うわけではなくひたすら走ります。なので、例えば『ハクソー・リッジ』のような凄惨な戦闘シーンはないのですが、ひたすら走り、泳ぐ過程で、前へ進むために必死で多くの屍を乗り越え、また掻き分けなくてはならず、それがまた新たな視点で捉えた戦争の恐ろしさや悲惨さを表していました。

戦争を扱った映画では過去多くの名作がありますが、これは私の好きな戦争映画トップ10に入りそうです。特に第一次世界大戦を扱った作品としては、間違いなくAll Time Best。敢えて無名の俳優を使ったというのも、素晴らしかったです。だって、もしこの主人公をトム・クルーズが演じていたら、全くリアリティが無くなってしまっていたものwww まさにこれはThe soldierの話ではなく、当時どこにでもあったであろう A soldierのお話でした。良かった!!!