Amy's This Week

2021.07

05
2021.07.05

6/28-7/4, 2021 世界報道写真展と、『ブラックバード 家族が家族であるうちに』

この週は、何かと用事に追われてバタバタした週でした。が、私の性格はのんびりモードだと本当に動かず何もしなくなってしまうので、忙しい方が建設的だしより行動的になって良いのですw

六本木へ行く用事があった日には、ついでに寄れる何かが近くにないか探して、超おひさしぶりに恵比寿ガーデンプレイスに行って来ました。こんなところに、東京都写真美術館ってあったんですね!世界報道写真展に行きました。

過去、写真展に行った記憶は無いように思いました。そんな私でも、知っている写真がエントランス脇にど〜ん!あ〜、これ知ってる〜!パリですよね!

さらに続けてもう1枚。これも知ってる〜!これはロバート・キャパのノルマンディーだ〜!なぜか私でもフルネームで知っていました〜!ww 報道写真の影響力って凄い!

…と、もう入館する前から気分はアゲアゲw ワクワクしながらの入館です。

報道写真展なので、まずは一般ニュースの部で大賞を受賞し、ポスターにもなったマッズ・ニッセンの『初めての抱擁』から。

2020年8月、ブラジルの介護施設で、一種のビニールカーテンのような物を利用することによって、5ヶ月ぶりに85歳の入居者をハグする介護士の姿です。2020年のコロナ禍を表しながらも、人々の不屈の愛を感じる力強い報道写真で、グッとこみ上げるものがありました。さすが大賞作品ですね。

私が驚愕したのは、これ。ルイス・タトの『アフリカ東部で大量発生したイナゴとの闘い』です。大量発生と聞いても、実感が湧かなかったところにこの写真。あまりの恐ろしさに、思わずマスクを上からおさえてしまいました。写真の力は凄い。

大賞作品と同じ「グッとこみ上げるもの」があっても、こちらは感動ではなく、絶望感で締め付けられそうになりました。現代社会の問題部門からジェレミー・レンピンの『ドクター・ペヨとミスター・アセン』です。

フランスのカレーにある緩和ケアセンターにて、ガン患者(24!)とその息子、そして動物介在療法に用いられている馬のペヨです。馬は優しいので動物介在療法に向いているそう。確かに、見守るような眼差しで患者を見下ろしていますね。

でも…緩和ケア病棟にいるということはもう末期。幼い子供がいて、しかもまだ24歳!その患者を静かに見下ろす馬の表情は、あくまでも優しく…患者の表情が穏やかに見えることが、見ているこちらのせめてもの慰めになります。また、馬を利用しているところにフランスを感じ、フランス人カメラマンが患者の哀れさだけではなく、積極的な緩和ケアに取り組む現代フランスの姿も伝えています。

一般ニュースの部1位のこちらはヴァレリー・メルニコフの『失楽園』。意味が分かれば分かるほど、辛くなりました。これが報道写真なんですね。 『失楽園』とは、旧約聖書の楽園を追われるアダムとイヴのことです。そしてこの二人は、第二次ナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャン支配となる地に住むアルメニア人家族が、11月28日、自宅を去る前に撮られた写真だとか。何も悪いことをしていないのに、紛争に巻き込まれて、これから難民になるのでしょうか?アルメニアの地に頼れる親戚などいるのでしょうか?

不安と絶望しかない二人の様子は、2020年コロナ禍でいっぱいいっぱいだった私たちに、紛争地域があったことを伝えてくれました。武器も、兵士も写っていませんが、これも戦争の悲劇を写した1枚です。この時から半年以上経った今、この家族が安全に元気に過ごしていることを願って止みません。

これは環境の部2位、シリル・ジャズベックの『気候変動と闘う策:自分の氷河を造る』です。 ヒマラヤ山脈にも近いインド北部のカシミール州東部のラダックは、冬に降り積もる雪と氷河が農地を潤し、飲料水ともなってこの地を支えていたところ、年々地球温暖化により氷河が後退し、春になれば雪は全て溶けて無くなってしまう。そこで、乾いた農地に水を供給するために、人工的に高さ24メートルという巨大な氷の塔が造られたのだそう。

地球温暖化は夏の酷い暑さや豪雨などで実感はしていたものの、こうした地球規模での問題や、それに対抗する現地の人々の工夫などを全く知らなかった身には、この写真が与えるインパクトと共に、強烈な感動を覚えたのでした。そしてラダックの人々、頑張れ!と応援したくなりました。まさにこれこそが、報道写真の力ですよね。

最後に心を揺さぶられた1枚は、これもヴァレリー・メルニコフの『失楽園』の組写真から。同じナゴルノ・カバラフにある自宅の戸口で泣いている年老いた女性は、これからこの家を去るのでしょうか?それともアゼルバイジャン支配に身を任せるのでしょうか?もしそうしたとして、無事に今まで通りの生活を続けられるのでしょうか?

たぶん、残ったとしても、今まで通りの生活が続けられることはなさそうな気がします。なぜなら、幼い子供を持つ家族は国を去る決意をしたわけですから。でも、このおばあさんはきっと行く当てもなく、本当にどうしたら良いのか分からないのかもしれません。そんな姿を心配そうに見る猫たち。この子たちもどうか、無事でいて欲しいです!

また、この『失楽園』組写真で一般ニュース部門で1位を獲ったヴァレリー・メルニコフは、その名からも女性ですね。紛争地域に赴き、敢えて戦闘シーンではなく、嘆く一般の人々を撮った彼女の視点が、むしろ紛争の恐ろしさ、愚かさを我々一般の人間に鋭く伝えてくれると思いました。ヴァレリー、素晴らしい!そして報道写真って、本当に凄い!恵比寿では8/9までやっているので、お時間取れる方はぜひ。
https://www.asahi.com/event/wpph/

…と、かなり感銘を受けた報道写真展でした。梅雨の晴れ間にお花の可愛い恵比寿ガーデンヒルズを歩きながら、そういえば、父が存命の頃は我が家でもナショナル・ジオグラフィックを定期購読していたな〜などと思い返し、なんだか、忘れていた大切なことを思い出させてくれた気がした報道写真展。ナショジオ、また読みたくなってしまいました。コロナ禍で思うように旅に出れなくなった今だからこそなおさら、世界を知り、冒険することが必要だわ!と、帰宅後勢いでナショジオの定期購読に申し込んでしまいましたよw

 

そんな週の一本は、タイトル長い!『ブラックバード 家族が家族であるうちに』です。

ALSを患った女性が、安楽死を望むお話。デンマーク作品『サイレント・ハート』のリメイクだそうです。

『サイレント・ハート』とそのままにしてくれた方がぴったりくる気がしました。なぜ『ブラックバード』?アメリカには『Blackbird』に何か意味があるのかしら?と思っても特に分からず。じゃあポールの『ブラックバード』?と思っても、黒人は一人も登場しません…。

が、ポールの『ブラックバード』の歌詞の一節。All your life…You were only waiting for this moment to arise… あ、これ?主人公は、自由に自ら飛び立つために、安楽死をしようとしてるから…?と思ったら、少しジワりました。

ただ、邦題で付け加えられた『家族が家族であるうちに』がもう全く分かりません。亡くなったら家族ではなくなるの?それともそれぞれ暮らしている所からやって来て、集まった時だけ『家族』なの?

安楽死したいので、その前に家族集まって楽しく過ごす…というシンプルなストーリーなのに、わずか週末の数日を穏やかにやり過ごすことが出来ずに様々な問題を起こして揉めまくります。それぞれが皆わがまま過ぎ。うっとおしいです。が、これぞまさに家族、とも思いました。が、他人の家族の内情を覗き見るのは、気持ち良いものではないですねw 取り敢えず、オスカー女優の二人、スーザン・サランドンとケイト・ウィンスレットを楽しむ作品でしょうか。スーザン・サランドンの目力はいくつになっても変わりませんww そういえば、夫役のサム・ニールは、私、若い頃の彼はどこかズルそうであまり好きではなかったのですが、歳をとって、なかなか素敵なおじ様になっていて感動しました。歳を重ねて魅力が増すって、やっぱり男っていいなwww

 

この週末、ついにコロナワクチン1回目接種に行って来ました。日本でもここ1ヶ月ほどで飛躍的にワクチン接種が広まり、今現在で成人の25%までがワクチンを最低1回、接種したそうです。4人に1人か。翌日まで打った腕が痛かったけれど、二日経ったら消えました。3週間後に2回目接種。その後2週間経てば、安心出来るのかな。早く友人たちと飲みに行きたいですwww

 

最後になりましたが、静岡県熱海市の土砂災害に被害に遭われた皆様に、深くお見舞い申し上げます。また未だ行方不明の方々が1分でも早く救出されますことを、心より祈っております。