Amy's This Week

2022.06

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2022.06.13

6/6-12, 2022 ピカソ/ひらめきの原点展と、『犬王』

ずいぶん前から気になっていたピカソ展に、ついに行くことが出来ました。かつては現代美術自体それほど興味がありませんでしたが、バルセロナに行った時にピカソ美術館へ行き、ピカソが12歳の時に描いたと言われるめちゃくちゃ素晴らしい作品を観て「ピカソは天才だ!」と気づき(遅いwww)、以来ピカソへの気持ちが完全に変わり、その後『ゲルニカ』を知りもう尊敬しかありません。

今回のパナソニック汐留美術館でのピカソ展はイスラエル博物館所蔵作品ということなので、イスラエル博物館は行ったことがないし、以前観覧したイスラエル博物館展が素晴らしかったこともあり、とても期待していたのでした。

展示された作品はエッチングやリトグラフが大半で、全体的に地味感は否めないところでしたが、途中写真撮影OKな展示室があったのには大感動!だって、このパナソニック汐留美術館は本当に写真撮影にうるさい、いえ失礼しましたw 写真撮影に神経質なところで、美術館入口に展示されているポスターすら撮影禁止と言うのですよ。ん?ポスターって宣伝のためですよね?撮影してもらって、拡散してもらってなんぼなんじゃないですか?…と毎回内心文句言っている(あくまで内心ですよ)私ですww

そんなわけで、撮影出来た作品を並べていきますね。もうピカソ、どれだけ女好きなんだwwwと思いましたよww まあ、こうした彼のミューズたちが芸術制作の源泉となったのでしょうね。

ピカソ61歳の時に出逢ったフランソワーズ(当時21歳)。フランソワーズはその後ピカソとの子供を二人得ています。

61歳だったピカソにとって、40歳下のフランソワーズは眩しいほどだったでしょうね。でもその時ピカソには完全に縁を切ったとは言い切れない前妻と、長年の愛人もいて、フランソワーズはピカソと10年共に過ごしましたが、やがて3人の女の一人(もしかしたらさらにいたかも?)でいる事に見切りをつけて自分から別れを告げたのでした。

ところでこのフランソワーズさんは、現在100歳でご存命。このリトグラフのモデルの頃から70年以上(!)経ったお写真があり拝見したところ、やはり右の眉の上に大きめなホクロがありました。またお歳を召したお姿でも、しっかり20代のリトグラフとそっくりで、改めてこれほどシンプルな描き方でも完全に特徴を捉えていたピカソに感服しました。

少しボケているけれど、プランソワーズさんの近影です。ネットで見つけました。

こうして続けてフランソワーズを見ていると、明らかに違う女性登場ですw 『首飾りをつけた女』。

これまた違う女性ですね。『若い女の頭部』。

こちらも『若い女の頭部』。この人知ってる!と言いたいほどにそっくりな人いますww

そしてピカソ72歳の時に出逢った27歳のジャクリーヌ。二度目の妻になりました。45歳差!晩年のピカソにとって、創作意欲を掻き立ててくれた人生最後のミューズだそうです。

横顔が多いジャクリーヌ。

そういえば、最近NHKで『ゲルニカ』が発表されてからついにスペインに凱旋するまでのドキュメンタリーを見ました。その時に尽力した画廊経営の女性が、面白いことを言っていました。スペイン内戦に反対して制作された『ゲルニカ』が発表された時はまだフランコ政権(戦争の当事者)だったので、政策に反対したピカソに対してあらゆる罵詈雑言が吐かれ、その中に「ゲイだ」との言葉もあったとか。が、ご覧の通りピカソは無類の女好きw そこでその言葉を聞いたその女性は、ピカソのことを全く知らない者の言葉など一切気にするに値しない、と気を強く持つことが出来てピカソ作品を展示し続けたのだとか。良い話ですよね〜w

撮影OKの展示室の中で唯一のカラー作品w 『シルヴェット・ダヴィッドの肖像』です。ちょっとアマビエ風?www

とにかく、ピカソどれだけ女好き?な作品に溢れていて、それはもう微笑ましく、それほど好きな事に没頭出来る羨ましさもありました。もちろん女性以外を描いた作品もあり、いかにもイメージ通りの乱暴にすら見える作品もありましたが、どれも私の記憶の底にある驚異的な天才画家ぶりを見せた12歳時の素晴らしく鮮明な写実作品を踏まえてなので、我々凡人には思いもつかない天才ぶりが面白く、興味深かったです。まさにそこがピカソの魅力ですよね。

ポスターにもなった『座る女』。この他に『座る女マリー・テレーズ』や『座る女ドラ・マール』などもあり、この座る女は誰でしょう?

6月19日(日)までだったので、ピカソ展行けて良かったです。やっぱり天才は面白いww 私がバルセロナで観たピカソ12歳の作品『初聖体拝領』はこちらです。ね、ピカソがいかに天才か分かりますよね。

そして、マドリッドのソフィア王妃芸術センターでついに観た『ゲルニカ』も貼っております。我が家の冷蔵庫にこのマグネットが付いていますww ウクライナが侵攻されている今こそ、この作品を改めて噛み締めるべきですね。

こうして汐留でピカソに浸った後は、歩いて新橋駅に出ました。その時にゴッホを見つけましたよwww 新橋、さすがですww

 

そんな週の一本は、『犬王』です。

『鎌倉殿の13人』ですっかり日本の中世、源氏 vs.平家に興味を持ったので、その流れで久しぶりにアニメを観ました。が、侮ってはいけません!素晴らしかったです!

犬王は実在の猿楽師というから驚きで、平家物語のいわばスピンオフが原作だそうです。この時代は全く科学的ではなかったので、『鎌倉殿の13人』でも真剣に占いや縁起を信じていますよね。それで人を殺めることもあるのだから恐るべし。『犬王』も、壇ノ浦で滅んだ平家の呪いから始まります。全部義経のせいwww

生まれながらに異形だった犬王が琵琶法師と知り合い仲間となり、彼の演奏で舞い、メキメキと力をつけ、ルックスも良くなり、人気を得、やがてバンドのようになり…と、現代のバンド成功物語に通じる面白さもあるし、実際、その音楽がめっさカッコ良かったです。

圧倒的にナンセンスであり、様々な呪いや残酷さがはびこるこの時代ならではの興味深い要素と同時に、人々の思い、情熱、生きる知恵など、600年を経ても変わらない要素も楽しむことが出来る素敵な作品でした。そして、どれほど成功した者でも諸行無常。それが平家物語でしたね。高校で暗記させられた冒頭部分を今でも覚えていることに驚きつつ、昨日のお昼に何を食べたかを忘れている自分には嘆くのみですwwww

 

さて、この週末にはついに3年ぶり!タツローさんのライヴに行ってきました❤️ In 八王子。私はいつも初日狙いですw

11年ぶりの新譜も出るということで、コロナ禍もしっかり働いていてくれてたタツローさん、さすがです。が…配信なんて何それ美味しいの?状態w なんとカセットテープでの販売もあるとか!ここどこ?何時代?www いろいろとさすがなタツローさんですねw