Amy's This Week

2022.08

15
2022.08.15

8/1-7, 2022 ボストン美術館展と、『L.A.コールドケース』

2020年春、コロナ超初期の悔しかったことは数え切れないほどあった中、これもその一つでした。トビカン(東京都美術館)のボストン美術館展。結局無期延期になって前売りは払い戻しになったのでした。あれから2年。待っていました〜。

それにしても暑いです。どういうわけか、上野に行く時はいつも暑い気がしますw でも美術展はクーラーが効いてて良いですよね。コロナ前とは違って、日時指定もあるので、割とゆったり観ることが出来ますし。その分お値段は高くなったけれど、数百円安くてもあの混みさ加減を思い出すと、今の方が良いかもしれません。

とにかく中は一切撮影禁止だし、実は指定時間より少し早く着いてしまったので、入る前に周辺のポスターを撮りまくりww

ということで、入りました!なかなか空いていて良かったです。『チカラは美を求めた』というサブタイトルは、古今東西、権力者は芸術作品を求めたということだったんですね。

なので、西洋美術関連もたくさんありましたが、ここでは私が感動した日本美術を二点ピックアップ。ボストン美術館は時をズラしてたぶん3-4回行ったと思いますが、どちらも知りませんでした。まずは『平治物語絵巻』です。画像はネットから。

絵巻というからには、とても長いですw 展示の仕方が、ガラスケース内に絵巻を広げながら、ガラスケースの上の壁にその大きなコピーを貼ってあり、じかに観なくてもむしろコピーの方が大きくよく見えるので、私はもっぱら壁にあるコピーを観ていましたw それでも多くの人がガラスケースの中をじっと覗き込んでいるのを見て、やっぱり本物を見るべきなのかな〜などとも思い覗いてみましたが、やはりコピーの方が観易いww

なので結局、ほぼ9:1の割合でコピー鑑賞でしたww とにかく源頼朝のお父さんがどんな人、何をした人というのが全然分かっていなかったので(『鎌倉殿の13人』で、頼朝の兄たちは殺され、幼かった頼朝は流罪と厳しい処遇だったので、お父さんは戦って負けたんだな、くらいの知識でしたww)、それをよもやボストン美術館展に来て知るとは!20代の時、当時の上司から「知識は体験から。多くの体験をしなさい」と言われたことを思い出し、今さらながら「確かに!」と納得したのでしたw

この絵巻の解説には、燃え盛る炎の描写が見事などとあり、そう思って見るとホントにそうですね。それでも頼朝の父のした事が分かった感動は大きく、夢中であらすじ解説を読んだのでしたw いわば『鎌倉殿の13人』のシリーズ0(ゼロ)な感じの『平治物語絵巻』。歴史に詳しい人なら、絵そのものを楽しめ、詳しくない私のような人は、ストーリーそのものからたっぷり楽しめる作品でした。

そして二点目が私にとって今回ベストだった『吉備大臣入唐絵巻』です。いやこれは最高!阿倍仲麻呂とほぼ同時期(少し吉備大臣の方が若い?)の遣唐使ですが、私は知らなかったな〜。阿倍仲麻呂は結局日本に帰国せず西安で天寿を全うしたので、西安に行った時に現地でも有名だと中国人現地ガイドさんに教えてもらったのでした。その時の写真がコチラ。

たぶんですが、吉備真備(きびのまきび)は無事日本に帰ったので(阿倍仲麻呂も帰国しようとしたのに、遭難してベトナムに流れ着き結局西安に戻った)、現地(西安かつての長安=唐の国の首都)ではさほど有名ではなかったんですね。

でその吉備真備が何度目かの唐上陸のシーンから始まる絵巻。なぜか上陸と同時に捕らえられ高楼に幽閉されます(そもそもこれがなぜかを知りたくて少しググってみましたが結局分からずじまいです…)。高楼というからにはさぞや高い建物なのでしょうが、この極端な階段!!誰も登れない、まして絶対降りれないwwww

ここで早速めちゃウケするわけですが、そこに鬼が訪ねてくるのです。なんとこれが阿倍仲麻呂だとか。当時は情報伝達に時間がかかったし、何しろ乗った船が難破してたどり着いたベトナムから陸路を歩いて西安まで行ったのですから、海を隔てた日本では阿倍仲麻呂が行方不明=死んだと思われていた数年があるんですね。でこの絵巻はちょうどその頃描かれたのだろうとのこと。つまり亡霊?幽霊?な鬼の姿の阿倍仲麻呂なのでしたww

そして幽閉している吉備真備を困らせるため?試すため?に難題をふっかける現地の人々に対抗するため、阿倍仲麻呂が吉備真備を助けると約束するのです。まずは試験問題が出されるというので…

ここであの『待たせたのぉ』のポスターの絵柄が登場ですw なんと吉備真備と阿倍仲麻呂の二人が、空を飛んで試験問題を盗み見しに行くところだったのですw 座ったまま飛ぶ二人!www

そして試験問題を覗き見!www

こうして難なくクリアすると、次は碁の勝負ということになりました。どうにも追い詰められた吉備真備は、なんと相手の碁石を一つ飲み込んでしまうというズルをして、辛くも勝利したのでした。

が、どうもおかしいと思った唐側は、真備に下剤を飲ませますw 飲み込んだ碁石が出てくるはず、ということですね。くさ〜!と鼻を塞ぎながら、真備の排泄物を調べる人々wwww

が、ここでも阿倍仲麻呂の妖術(?)で碁石を胃に留めていたためズルはバレず。この後も様々な問題をクリアして、吉備真備は無事唐の知識を日本に持ち帰ることが出来たということでした。

もうなんて面白いんでしょう!これが12世紀末に描かれていたんですよ!凄いな日本!これぞ漫画やアニメの原点ですね!
ともう、この吉備大臣入唐絵巻だけでお腹いっぱいになってしまったのでしたww 90年代から今までに何回か行ったボストン美術館でしたが、こんな絵巻は観た記憶がありませんでした(月岡芳年はボストン美術館で知りましたw)。美術館ってどこもそうなのでしょうが、展示している作品より保管している作品の方が多いくらいなのでしょうね。

そんなわけで、本来の私なら西洋美術の方が好きだったし、宝石も大好きなので巨大なエメラルドとか、見モノは他にたくさんあったのに、全ては吉備大臣絵巻に持っていかれたのでしたww これは是非、この機会にご覧下さい。ボストンに行ったって観れるかどうか分からないし、何しろ日本語解説がある今がチャンスです!10月2日まで。
https://www.ntv.co.jp/boston2022/

 

そんな週の一本は、久々ジョニー❤️な『L.A.コールドケース』です。

ロサンゼルスで実際に起きた未解決事件を追う、実在の刑事のほぼドキュメンタリー?とも言えるような作品でした。未解決事件なので、結局犯人は分からないまま。ジョニーも妙にお腹が出た中年男で(『ブラック・スキャンダル』でのハゲ(失礼!)、『MINAMATA』でのデブ(失礼!)などで、バッド・ルッキング・メイクなジョニデにはもう驚きませんが…w)、正直言ってあまりパッとはしませんでした。

LAPD(ロサンゼルス警察)が汚職まみれだというのは、大好きだった(テーマソングが好き過ぎてサントラCDも買いましたw)TVドラマ『ザ・シールド』で嫌という程観ました。やはりドラマになるくらいなので、ドラマだけのお話ではないんですね。

でもドキュメンタリータッチだからか?途中なんか眠くなりそうになるし(ジョニー・ムービーなのに!!)、時系列がグチャグチャなので訳分からなくなるし…。そんなこんなで結局終わってしまい、「これで終わりか…」とエンドロールの途中で立ち上がろうかと思った瞬間!え?!「Guitar - Joe Perry」の文字が!!!!

なんということ!全然知りませんでした。そう思って聞いていれば、確かにこれはジョー様の音!俄然最後の最後まで帰ることは出来ませんでしたww なので、もし「『L.A.コールドケース』どうだった?」と人に訊かれたら、一言「ジョーのギターが聞けるよ」とだけ答えると思いますww

取り敢えずジョニーには、そろそろまたグッド・ルッキングな役をやってほしいな〜と思っていたら、自作はルイ15世役ですって?これは期待して良いのかなw

 

さてこの週、8月11日はジェイニー・レーンの命日でした。享年47。2011年、凶報を受けあまりに早過ぎると思いましたが、それから11年経った今、早過ぎるという思いはさらに強くなりました。どんな人も、神様ではないので良いところと悪いところがあります。がいつも思うのは、亡くなった人は良いところだけを覚えていたいということ。晩年はどうであれ、ジェイニーは確かに私のアオハルでした❤️