Amy's This Week

2021.09

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2021.09.27

9/20-26, 2021 GENKYO 横尾忠則展と、『ソウ オール・リセット』

この週、初めて東京都現代美術館に行ってきました。近代美術館と現代美術館、どう違うの?と思っていましたが、行ってみたらハッキリと分かりましたよw なんだかスゴカッタです。横尾忠則展です。横尾忠則さんって、サンタナのお友達でしたよね?だから行ってみることにしたのでしたwww

東京都現代美術館 = Museum of Contemporary Art Tokyo でMOTだそうです。それじゃあごっそり『現代美術』(Contemporary Art)が抜け落ちてるのでは?と思いますが、まあ、現代美術ってなんでもありな感じだし、きっと「もっと」に掛けているのかもしれないですねw なかなかカッコ良い建物でした。

前述したように、なぜか横尾忠則さん イコール サンタナのお友達…とインプットされていたのは、過去、サンタナのライヴでバックステージに横尾さんがいらしていたところに遭遇したことがあるからかもしれません。一番好きなアルバム『スーパーナチュラル』のカバーアートは横尾さん作品ではないんですけどねw それでも横尾さん作品といえばなんとなく、あんな、ちょっと神秘的にごちゃごちゃ!としたイメージでした。で、それはこの美術展を観てからも、正しいイメージだったと思いましたよw

このGENKYO という美術展は、コロナ禍となって以来、美術展のニュースタンダードになりつつある2,000円という入場料なのですが、その圧倒的な分量の作品群に対してはむしろ安いくらいと思ったのが鑑賞後の感想です。それほど物凄い迫力で「これでもか」と攻め立てられるような展示でした。

いくつものテーマに分かれての展示が延々と続く中、わりと前半にあった過去のアートに対するトリビュートのような作品群に私は大感動してしまいました。なぜなら、ベースになっていた作品たちが私の愛するものばかりだったからです。当たり前のことだとはいえ、横尾さんも私たちと同じように過去の美術作品を鑑賞していたことに感動しました。その昇華の方法はあくまでも横尾さんならではで、そこが見どころですよね。

まずはこちら。『エクトプラズム(カラヴァッジオに捧ぐ)』です。カラヴァッジォが好きだったなんて、嬉し過ぎ!それにしてもこの立体感。中央の男性は何を吐き出しているのでしょう。そして、左右に3つずつある小さな絵が…

カラヴァッジォの『ホロフェルネスの首を斬るユディト』でした。なんとも強烈。

そしてもう一つカラヴァッジォが。これは『消された記憶』です。

元ネタ(?)はカラヴァッジォの『聖マタイの殉教』でした。いやもう、横尾さんの解釈、凄まじい!

この『放たれた霊感』は一目瞭然。『受胎告知』ですよね。天使は銃を撃っていますがwww

ただ、元ネタ候補が二つありどちらか迷ったので、両方載せます。まずはフィレンツェの至宝フラ・アンジェリコの『受胎告知』です。天使の手の組み方や中央に柱があるのはこちらに近いですね。

でも天使の翼の形や、燭台が置かれている様子が、初期のダ・ヴィンチ作品に似ています。

色鮮やかな『愛のアラベスク』は、90度回転しているように思えたので、首を横にして観てしまいましたw

だって、元ネタはこの角度ですよね。クリムトの『赤ん坊(ゆりかご)』です。

この『高い買い物』は、絵画を大量に購入してしまったということでしょうか。

これは似ているというわけではなく、また、一部をベースにしているわけでもありませんが、全体が黄色いところと中央にある「耳」!横尾さんの作品にはこの耳があちこちで登場します。あ!もしかしてゴッホの象徴??と思ったので、『アルルのゴッホの寝室』を挙げておきます。

これは大胆な『薔薇の蕾と薔薇の関係』。大作です。

ルーベンスの『レウキッポスの娘たち』も大きいです。この作品をどう解釈してああなったのか、ぜひ横尾さんに伺ってみたいものです。

この『集合と分散 - その力の働き』は、横尾さんの大好きな滝がそこかしこに散らばっていますね。

元はベラスケスの『ラス・メニーナス』。ベラスケスもビックリでしょうwww 『ラス・メニーナス』のあるプラド美術館で横尾忠則展をやったら面白いな〜www

…と、膨大な展示作品の中のほんの、ごくごく一部ですが、横尾さんが好きな(?)作品が私の好きな画家ばかりだったので本当に驚き、感動しました。横尾さんを5%くらい?理解出来たような気さえしたのでしたw

珍しく(?)写実的な『ザ・ビートルズ』。

…と思ったらさすが横尾さん!『ザ・ビートルズ ドラキュラ』もw なぜドラキュラなのかは不思議ですがww ポールの氷Tシャツとか、大昔のジャルパックバッグなどがキッチュで最高!このビートルズ作品2点は絵ハガキを買ってきました。

ところで、時にはクラクラしながらも大胆な作品群から圧倒されるように鑑賞していた中、ふと心休まるコーナーがありました。『タマへのレクイエム』コーナーです。15年間共に過ごしたタマが亡くなり、タマの鎮魂のため、愛するタマへの思いを描き溜めたそうです。可愛い過ぎる!

その作品を集めた本も出版されているそうで、そのタイトルだけで泣けてしまいます。『タマ、帰っておいで』。これは買わなきゃですね〜。

鑑賞後、撮影OKというコーナーを見つけました。『With Corona』と題されたそのコーナーでは、すべてのタマ作品がマスク着用になっていて笑。これぞ横尾ワールドww

ところで、私は空いているであろう水曜日の昼間を選んで行き、狙い通りゆったり鑑賞することが出来たのですが、終盤、大きな声で話す男性がいて驚きました。美術展では無言が基本マナー。話すとしてもヒソヒソ声になるところ、その男性は取り立てて大きな声というわけではありませんでしたが、フツーの声で共にいた二人と会話しているのでした。

「あれはエドガー・アラン・ポーなんだよ」「これはなんだか小さく見えるね〜」「もっと大きくしても良かったな〜」などなど…。えっ?!!ご本人ではないですか!小柄で、細身ジーンズに派手な赤いスニーカー、デニムジャケットに黒マスク…。うわ〜、まさかの横尾忠則さんご降臨でしたwww

きっと空いている曜日・時間を狙ってのことだったのでしょうね。それでも気づいた観客はソロソロと後ろをついて行き、ちょっとした人だかりになりました。誰もが彼の言葉を聞き取りたい!でもマスクでモゴモゴしていてよく聞こえない!www

驚いたのは誰一人「サインください」なんて言う人がいなかったことです。誰も声掛けることはなく、写真撮ることもなく…日本の美術ファンってなんて礼儀正しいの!!www そんなファンたちに気を良くしたのか、会場から出て物販コーナーを見ていたら、一度は『関係者以外立入禁止』の奥へ消えて行った横尾さんが再び登場して、物販コーナーで商品を選ぶ人達を覗いていましたww 横尾さん、なんかお茶目www

というわけで、繰り返しますが膨大な展示作品の中から、私が特に気に入ったほんの一握りの作品たち、私と同じ好み(?)な西洋美術へのトリビュート的作品や、可愛いタマ作品を取り上げました。まったく、「サンタナのお友達?」くらいしか知らなかったのに、思いがけず大感動作品に出逢い、なんならご本人にも出逢うことが出来た、大感動の横尾忠則展でした。横尾さん大好きになりました!10月17日までやっています。
https://genkyo-tadanoriyokoo.exhibit.jp

 

そんな週の一本は…今年もハロウィーン・シーズンがやって来た!『スパイラル ソウ オールリセット』です。 あなたは『ソウ』シリーズ好きですか?私は全作品DVD持ってますwww でも『ザ・ファイナル』まで行ったのに、まだ続くなんて…と思ったら、あのクリス・ロックが『ソウ』シリーズの大ファンで、ついに自分で作ってしまったのだとかw

なので主役はクリス・ロック。でもまったくふざけることなく演じているので、コメディアンとしてのクリス・ロックを知らない人が観たらフツーの役者さんと見えそうです。さらにサミュエル L.ジャクソンが出ているので、この二人だけで今までの『ソウ』シリーズとは違うな、と思えます。が、凝りに凝った殺人システムは健在。どうやって作るんだとか、どうやって仕込むんだとかの理屈を言っちゃあイケマセン。『ソウ』はこうでなくっちゃ!ww

不気味なシンボルが、変な人形から豚の頭に変わったのはビミョー。犯人も、種明かしされる前になんとなく想像出来てしまったのは残念でしたが、気付けば鎖に繋がれ、そこにノコギリ登場という記念すべき『ソウ』第1弾へのオマージュには嬉しくなりました!クリス、本当に『ソウ』が好きなのねwww とにかく、まだまだ続けてくれソウwww 『ソウ』ファンなら見るべし!

 

…と、9月も最終週を迎え、緊急事態宣言解除も近づいてきました。やっと会食、飲み会出来ますね〜w 『スパイラル ソウ・オールリセット』を皮切りに、ハロウィーンに向かって面白そうなホラー映画も目白押し。再々々度延期されていた『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』もついに公開されるし、この秋は楽しみな映画が多くて大変ですwww ダニエル・クレイグ最後の007は、絶対2回観るわ!