Amy's This Week

2023.12

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2023.12.19

12/11-17, 2023 コスチューム・ジュエリー展と、『首』

旅の疲れも退き荷物の片付けも終わって、ようやく日常に戻りました。これから2-3ヶ月の冬が私のような職種の者にとって最も表立った仕事の無い、もとい最もデスクワークに集中出来る季節ですw

そんな落ち着きを取り戻したところで、前から気になっていた展覧会にギリで行ってきました。お久しぶりの汐留です。

う〜ん、実を言うと私目一杯勘違いをしていました。てっきり大好きなフツーのジュエリー展だと思っていたんですよね。シャネルとかディオールなんて名前が出ているし、煌びやかな宝石の輝きに目も心も奪われたいと思って足を運んだところ…え?コスチューム・ジュエリーって本物の宝石じゃないの?ww

間抜けなことに、中に入ってからそれを知り、実はちょっとがっかりしてしまいました。だってじゃあこれって全部偽物なのね?え〜なんかめちゃショック!とはいえもう入場してしまったのですからとにかく見なくっちゃw

きちんと解説を読んだりして分かったのは、これはファッションの一部としての、お飾りとしてのジュエリーなんですね。あ、だからコスチューム・ジュエリーかw 以下、公式サイトの写真から。これはマスクですって。隙間からちゃんと見えるのかなw このマスクとブレスレットは変な人形に付けているけれど、きっとマッチしたブルーのドレスに合わせていたらまさにコスチューム・ジュエリーの真髄なのですね。…と入場した瞬間のがっかり感はかなり和らいできましたw

これはシャネルのビザンチン・ネックレス。出た〜!私の大好きなビザンチンw 東ローマ帝国はギリシャ帝国とも言えるので、このシャネルのネックレスはそんなイメージにピッタリです。きっと合わせるドレスもそれっぽい感じだったんだろうな〜。見たかったです。てかもしこれ全部金だったら重過ぎて肩凝ってしまいますねww

ビジューのボタンなどで有名なロジェ・ジャン・ピエールのクリップ。私のめちゃ好きな感じ!それはもちろんピンク系だからw でもさらにパープルにシャンパンカラーも混ざっていて本当に素敵。これが本物だったら…って当然思ってしまうけれど、そしたら一生縁は無いですねw コスチューム・ジュエリーだったら、黒いシャツの襟元に付けたら素敵。いやいっそ二つにしてイヤリングにしちゃうとかw いろいろ夢が膨らみましたw

これはディオールのネックレスとイヤリング。古いハリウッド映画でビーズを編んだ帽子を被ったスタイルに似合いそう。まさにコスチューム・ジュエリーって衣装の一部なんですね。だんだん分かってきました。

これ以降は撮影OKエリアで印象的だった作品を自分で撮りました。文字の『V』をモチーフにしたブローチです。ありがちですが、自分のイニシャルのブローチとかあったら思わず欲しくなってしまいますよね。でも『V』がイニシャルとは極めて西洋的で、Victoryのイメージがあるからなのか大いに気位の高い強いイメージ。ヴィヴィアンかヴェロニカかヴィクトリアか…いずれにしてもこんなブローチが似合いそうです。

これは土台の金属部分がどう見ても金(白でも黄色でもピンクでも)ではなくて真鍮っぽいから、むしろ本物に似せた偽物よりずっと素敵なアンティークなアクセサリーです。こんな小ぶりのブローチをジャケットの襟にちょこっと付けたらとてもオシャレ。ジャケットの下はもちろんロックTでねw

これまためちゃ私の好み!どうしても石の輝きが本物とは違うと思ってしまうのですが、鑑賞するためのジュエリーではなくて、自分が身に付けると想像してイメージを広げるためのジュエリーだと思うと楽しめました。これ、ポニーテールにしたゴムにつける最近流行りのクリップにしても良いかもねw

これはまた際どい感じ。何がっていかにも本物にもありそうだから。サンクトペテルブルクにあるエカテリーナ宮殿の『琥珀の間』はそれはもう素晴らしくて、ホント行ける時に行っておいて良かったと心から思っています。そしてもちろん、宮殿のお土産物売り場(これがかなりショボくて、共産主義を実感しました)で琥珀のイヤリングを買ってきました。まさにこれはそこの売り場にありそうな感じですw

これはとても形がユニークだし、よく見ると青とグリーンの色が混ざったガラスが入っていてとても綺麗。コスチューム・ジュエリーならではかもしれません。これが私の好きなタンザナイトとペリドットとブルートパーズだったら…なんてまたすぐ考えちゃダメダメw

これはもうトプカプ宮殿並みw まさにハリウッドの撮影現場などでは盗難防止としてもコスチューム・ジュエリーが広まったのでしょうね。こんなの着けたらセキュリティーがそばにいてくれなきゃ安心出来ないですw そういえばこの作品は『ジャッキー・オナシス・スタイル』という名前が付いていました。あのジャッキー・オナシスがコスチューム・ジュエリーを?と一瞬思いましたが、もちろんそんなことはオナシスのプライドが許さないですねw これはジャッキー・スタイルというわけです。ということは、きっとコスチューム・ジュエリーの世界には『ダイアナ・スタイル』とか、『エカテリーナ2世スタイル』なんていう作品もありそう。全部見てみたいな〜。

CMで「ダイヤモンドは永遠の輝き」なんてあるけれど、確かにその通りでやはりコスチューム・ジュエリーにはよほどライトを当てないと輝きが劣って見えてしまいます。だからこそ、ジュエリーと呼ぶよりそう、ビジューと呼んだら納得出来るのに、なんて思ってしまいました。『コスチューム・ビジューの世界』ってタイトルだったらどうかしら。ずっと楽しめたかも。本質は何も変わらず単なる日本語の使い方でしかなく、根本は私がモノを知らなかったのがいけなかっただけなんですけどね。本物の宝石と比べたらコスチューム・ジュエリーたちが可哀想。やはりここはボタンや刺繍と同じ感覚で楽しむものですね。

…と自分を納得させながら楽しんだ美術展でしたw 宝飾の世界ではなく服飾の世界なんでしたね。一通り見終わって、やっとその辺が理解出来ましたw パナソニック美術館のキュレーターさん、ちゃんと理解出来ていなくてごめんなさいw

でこのあと近くのホテルのランチ・ビュッフェに行ったんですが…ホテルのビュッフェでカレーとスパゲッティとフライドポテトにピザってもうお子様ランチか?ww さらにコーンスープと唐揚げもねwww ふと持って来たお料理を眺めて、私って偉そうなこと言ってもやっぱり子供なんだな〜とつくづく思ったのでしたw なんとも笑っちゃうw でも楽しいランチだったからまあいいやw

 

そんな週の一本は、毎年年に一本の邦画。今年は待望のコレ!北野武監督の『首』です。

いや〜賛否両論ですねw もちろんそれで良いのです。満遍なく一般大衆にウケようなんて、武監督はこれっぽっちも思っていないですもん。なぜテレビに出ている自分が映画を創ろうとしたかという根本が、テレビでは出来ない事をしたいからだと思うのです。だからこその狂気とバイオレンス。まさに武映画の真骨頂!

ただ…監督はもちろん大袈裟に脚色はしているけれど、ふと思ってしまったのは実際に日本の歴史の真実がそこにあるって事でした。それを言ったら私の愛する古代ローマだって剣闘士たちに死ぬまで戦わせたし(『アリーナ』の意味は『血を吸う砂』です)、西洋も日本も刑罰史を知れば残酷極まりないわけです。よくヴェルサイユ宮殿にお手洗いが無かったというのと同じで、現代の私たちは自分たちに都合の良いように嫌なことには目を瞑りますが、現実にはすべてダーク・サイドもあるわけです。

だから首実験とか首桶とか、日本でも4-500年くらい前の武家社会ではたぶんフツーなことで、そうした歴史を踏まえてその結果現代の私たちの生活があるわけです。だからこの作品を観てキモいとかグロいとか言う人たちには、これが戦国社会のリアリティだと気づいて欲しいな。

リアリティさといえば、戦闘シーンなんて今年の大河ドラマの100万倍凄かったし、もう私の中ではリドリー・スコットか武か、って感じですよw いや〜参っちゃうなw 本能寺直前の信長の家康接待も、この武解釈が事実だったかも?なんて思っちゃいました。そこは観てのお楽しみだから書けないけれど、それほどいろいろ真実味があって面白かったです。まあこの作品は5点満点で1点の人と5点の人の両極に分かれるしかないと思う中、もちろん私は5点満点。なんならもう一度観に行っちゃおうかな、くらい思っているところですww

 

というわけで街はすっかりクリスマス。ミッドタウン日比谷前はもちろん、私は少し静かな日比谷仲通りがお気に入りです。この時期はわざわざ線路沿いに帝国ホテルまで行って、ここをゆっくり通り抜けるのが楽しいです。お時間ある時にぜひどうぞ。