Amy's This Week

2022.02

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2022.02.28

2/21-27, 2022 メトロポリタン美術館展と、『ゴーストバスターズ/アフター・ライフ』

2020年春頃のコロナ禍初期、世界は先の見えない恐怖の中で映画館はクローズするし、コンサート・美術展は軒並み延期あるいは中止でした。一時は美術展といっても浮世絵ばかり鑑賞していた時期もあったので、あれから丸2年を経て、ついに3年目突入となった今、気づけば洋画も普通にガンガン公開されるし、大きな美術展もすっかり普通に開催されるようになって嬉しい限りです。

そんな中でも私がめちゃくちゃ期待していたのが、ポンペイ展と並んで、メトロポリタン美術館展でした。通称The MET展。

マンハッタンにあるThe METには何回行ったか、もう覚えていません。それほど何度も行ったし、別館のクロイスターズも行きました。それでも当然ながら、全作品は観ていません。てか、不可能な気がしますw 別館は置いといても、とにかくThe METは大き過ぎるのです。そのため、毎回私は好きなヨーロッパ絵画をメインにして観るようにしています。時々ミイラも観たり、中世の楽器を観たりもしましたが、それはあくまでもおまけ感覚ですw

で、今回のThe MET展での必見TOP3作品を挙げますね。まずは人気のフェルメール。マンハッタンにはフェルメール作品が8点あり、そのうち3点はフリッツ・コレクションで、5点がThe METです。私がThe METに最後に行った2018年12月には、1点が日本に貸出中だったため、4点残っていました。その中で私が一番好きだったのが、この『宗教の寓意』で、今回来日しました!

『絵画を読む』という行為が好きな私には、この作品は堪りません。教会の石に潰されてグエッとなっている邪悪の象徴=ヘビに驚き、お行儀の悪い格好=地球儀を踏むことがカトリックの世界制覇を意味すると知って、日本の仏教・神道では考えられない大胆さに見入ってしまうのです。

同じくThe METに行ったらどれほど時間がなくてもこれだけは観ておく!というのが、カラヴァッジォの『音楽家たち』です。一目見て「カラヴァッジォだ!」と分かる、このキモ可愛い顔ww 絶対にそこだけで分かるのがロセッティの唇と、カラヴァッジォの眉毛ですよねww これも日本に来てくれたなんて。国立新美、ありがとうございます!

そりゃあポスターにもしますよね!この作品を観るためだけに入場料を払っても良いくらいですw

そしてトップ3のラストはこちら。ラ・トゥールの『女占い師』です。カラヴァッジォにも同タイトルの作品がありますが、ラトゥールの方が悪女に囲まれ、四方八方から狙われ盗まれている様子があからさまで面白いですww

こちらがカラヴァッジォの『女占い師』。にこやかに手を取りながら、実は指輪を抜き取っています。でも、こちらはずいぶん上品な感じw(この作品は展示されていません)

さて、見どころトップ3を挙げてみましたが、それら以外にもおお〜!!と感動するラインナップが続きます。まずはやだ!ルーカス・クラナッハもいるじゃないですか!『パリスの審判』です。過去には『クラナッハ展』もあったはず。この1点だけでも美術展が出来るほどですよね。クラナッハのクール・ビューティー&薄衣。良いですね〜。

さらにラファエロですよ。ラファエロ・サンティの『ゲッセマネの祈り』。まだ円熟期未満のラファエロのみずみずしさが感じられます。20-21歳頃の作品だそうで、やはり天才だったんですね〜。

さて、これはヒューホ・ファン・デル・フースの『男の肖像』です。作者の名前は知らなくても、このいかにもルネッサンスな雰囲気が好きで、覚えていました。お久しぶりw

同じルネッサンス期でこれはカルロ・クリヴェッリの『聖母子』です。色合いが可愛いですよね。こんな淡いピンクって、珍しい気がします。聖母の顔の左右にあるモチーフは、パドヴァの象徴である葉、りんご、きゅうりだそうで、当時も今もヨーロッパのきゅうりはずんぐりしていますw

ティツィアーノも来ていました。『ヴィーナスとアドニス』です。女神のヴィーナスと人間のアドニス。狩に行くのを必死で止めている場面ですが、ヴィーナスを振り切って狩に行ったアドニスは、その後イノシシに殺されてしまいます。そうした神話の結末を知っていると、さらに人間の身勝手さや生の虚しさが分かる気がします。

生の虚しさといえば、こちら。ピーテル・クラースの『骸骨と羽ペンのある静物』です。私の大好きなドクロ物w 平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」と同じで、古今東西、人間の生命や富・名声がいかに儚いかを表しています。倒れたグラスに映る窓がオランダっぽい!

19世紀の作品群の中では、このジャン=レオン・ジェロームの『ピュグマリオンとガラテア』が印象的でした。自ら造った彫刻に恋をしたピュグマリオンがビーナスに祈ったら、彫刻が人間に変身した瞬間です。『ピュグマリオンとガラテア』を描いた作品はたくさんある中、この作品が一番有名なのは、人間化した上半身のしなやかな動きがドラマチックだからでしょうね。とても素敵。

終盤は日本でもお馴染みの作品群がこれでもかと続きます。まずは最近とみに好きになったセザンヌの『ガルダンヌ』です。セザンヌの愛する故郷エクス・アン・プロヴァンスの風景画は多数あり、その多くがパステル調というか、ふわっとした描き方がされていて、セザンヌが愛する村を見る優しい視線を感じることが出来ます。絶妙に絵の具を載せていない空白があるのも、ふわっと感を助長していますよね。

これはウィリアム・ターナーの『ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む』です。ターナーにしてははっきり描かれている?とも思いますが、どれほど近づいても、拡大してみても、やはり人物像などはっきり見えませんw 離れているからはっきりしないからではなく、ハナからはっきり描いていないんですよねwww 分かってはいるんですが…wwww

さて、ゴッホの『花咲く果樹園』です。アルルに移り住んで間もない頃の、明るい風景ですね。緑が綺麗。春を感じます。今回、唯一物販でハガキより大きなサイズの物を買いました。

本家METでは写真撮影OKで(フラッシュはダメです)、前回行った時にゴッホのお部屋を撮っていました。その中にこの作品が写っていましたよ。これだけ人気作品が並んでいて、これほど人がいないのは本家ならではですね。

ところで、本家では撮影OKだった…と書きましたが、今回日本では写真撮影一切NGでした。本来、フラッシュ撮影さえしなければ問題ないはずなんですが…人気作品目白押しの展覧会には観覧者が殺到し、「間違って」フラッシュ撮影をしてしまう人が少なくないだろうと思われたのかもしれないですね。

ではなぜ、こんなに写真があるのか…?というと、とても粋な計らいで感動したのですが、全ての展示が終わったところで、映像コーナーがあり、そこではデジタル加工で動く各作品が投影されていました。で、それぞれの作品がアップになるたび絶妙に一瞬映像が静止するのです。そしてそのコーナーでは『写真撮影OK』!ということで、映像が静止するたびに撮影したのでしたw ありがとう新美!お見事私の iPhone!www

ということで、最後にたっぷり写真が撮れて大満足w これは素晴らしいアイデアですね。そんなアイデアのみならず、今回は本家The METが改装工事中ということで、思い切り多くの人気作品が来日可能になったとのこと。これはこのタイミングを逃さずオファーしてくれた新美のお手柄ということでしょうか。もう何もかも素晴らしいw 5月までなので、もう一度行っても良いかもしれないですね〜w 日時指定です。ぜひ!!!!

そんな週の一本は、『ゴーストバスターズ/アフター・ライフ』です。

『アナベル』で可愛くて注目したマッケナ・グレイスちゃんがさらに可愛い!お兄ちゃん役のフィン・ヴォルフハルトがカッコ良い!と、この二人を見ているだけで満足出来そうでしたww

『ゴーストバスターズ』は大ヒットしたし、私もテレビ含め何度も観ていましたが、ストーリーは漠然としか覚えていなかったので、最後のおまけ映像x2は理解出来なくて残念でした。この作品を最後の最後まで楽しみたいと思っていたら、少し復習をしてから観た方が良かったかもしれませんね(^^; あとからネタバレをチェックして「そ〜なんだ〜」って感じでしたwww

それでもマシュマロマンはしっかり覚えていたので、今回のマシュマロマンは可愛くて大ウケwww 可愛いけれど怖いんですよねw だから逃げるが勝ちですw そして当時大好きになったレイ・パーカー Jr. の声を久しぶりに聴いて、懐かしかったです!

さらに驚いたのは、エンドロールでマッケナちゃんの歌が流れたではないですか。天才子役は歌も上手なんですね!またこの曲がシンガーとしてのデビュー曲だそうで、これからは俳優兼シンガーとは。もう15歳だそうで、可愛かったマッケナちゃんが美しい女性に変貌するのも時間の問題。成長を見守りたいと同時に、もうそのまま成長止まって〜!という複雑で勝手な思いもあったりしますがw これからも応援していきますよ!

 

さて、この週ロシアがウクライナに侵攻しました。なんてこと!どうか、早急に収まりますように。昨年の大河で渋沢栄一が「相手を知ろうとする心があれば、悲劇は避けられるのではないか。No War!! No War!!!」と熱く語ったシーンを貼っておきます。No War!! No War!!!!!!!